人の心を動かすプレゼンテーション|作り方のコツ【構成とストーリー編】

圧倒的な知名度やカリスマ性がなくても、大規模な施設や設備がなくても、良いプレゼンテーションはできます。この記事は、弊社今井が新卒採用のイベントにおける企業プレゼンテーションにて無名ながらALL1位を獲得した経験から、2年に渡って研究&工夫してまとめたプレゼンとセミナーのレシピです。これまで社内限定で公開されていたものを記事化できることになりました。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

第一弾「構成とストーリー編」
第二弾「話し方と伝え方編」
第三弾「資料デザイン編」


あわせてお読みください

本記事とあわせて、営業力を高めるための新規開拓チェックリストをぜひご活用ください。新規開拓で生産性を向上させ、成果を高めるためのチェックリストです。営業パーソンや営業組織が持つべき基本的なスタンス、起こすべき行動から、実際の営業活動で実施すべき項目までまとめています。

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目次[非表示]

  1. 1.良いプレゼンテーションとは?
  2. 2.あなたのプレゼン・スピーチは「なぜやるか」で構成されていますか?
    1. 2.1.人の心を動かすゴールデンサークル理論
    2. 2.2.映画を参考にしよう
  3. 3.脚本の構成を作る基本の型
  4. 4.魅力的なストーリーをつくるポイント4つ
    1. 4.1.ポイント①オープニングはインパクト重視
    2. 4.2.ポイント②重要なところに絞って展開する
    3. 4.3.ポイント③テーマに対して挫折や苦労話を入れよう
    4. 4.4.ポイント④その結果どのような展望が見えてきたのか書く
  5. 5.まとめ

監修者 今井晶也


良いプレゼンテーションとは?

良いプレゼンテーションとは、相手の態度や行動を変化させる影響力があることです。相手の態度を変えるプレゼンテーションは、「脚本」「資料」「話法」でデザインできます。

ここからは、「脚本」に焦点をあてて、脚本の流れや作成のポイントを解説していきます。

あなたのプレゼン・スピーチは「なぜやるか」で構成されていますか?

とにかく熱いメッセージを伝えがちなプレゼンテーション。あなたのプレゼンは「なぜやるか」で構成されていますか?「自社サービスの素晴らしい特徴」や「機能」「デザインのかっこよさ」といったような、What だらけの発信になっていませんか?What ばかり発信していても、人の心はなかなか動きません。

人の心は、目的や使命に共感したときに動きます。 その理由として、マーケティングコンサルタントのサイモン・シネック氏が提唱した考え方「ゴールデンサークル理論」を見てみましょう。

人の心を動かすゴールデンサークル理論

ゴールデンサークル理論は、2009年の「TED Talks」でおこなわれたプレゼンの中で、マーケティングコンサルタントのサイモン・シネック氏が提唱した理論です。

ゴールデンサークル理論


共感を得られやすくするためには、「WHY(なぜ)→ HOW(どうやって)→ WHAT(何が)」の順番で伝えること、とサイモン氏は話しています。

動画でも紹介されている身近な比較例を出すと、このようなイメージです。
まずはよくある宣伝から。

我々のコンピューターはすばらしく、美しいデザインで簡単に使えます。さらにユーザーフレンドリーです。

出典:TED「Simon Sinek: How great leaders inspire action」


…これを聞いてもあまり「すぐ買いたい!」とは思いませんよね。
一方のApple社は、こんな風にCMを作ります。

我々のすることはすべて、世界を変えるという信念で行っています。違う考え方に価値があると信じています。私たちが世界を変える手段は美しくデザインされ、簡単に使えて、親しみやすい製品です。こうして、素晴らしいコンピューターが出来上がりました。

出典:TED「Simon Sinek: How great leaders inspire action」


いかがでしょうか?どちらのほうが魅力的にうつるかは、明白ですよね。
このように人の心が動かされるのは「他社の感情」や「信念」、つまり Why の部分に触れられたときなのです。

人の心を動かすゴールデンサークル理論


映画を参考にしよう

プレゼンテーションを企画する上で参考にするのは映画です。映画に習ってプレゼンテーションの構成をデザインします。

・キャスト
知名度や権威性のある人物であればある程、集客はしやすいです。

・話題性や社会性
注目されている話題のテーマや社会的に課題とされている内容であれば関心をもってもらいやすいです。

・タイトル
他の要素とも密接に関係しますが、一目見て興味を喚起されるインパクトのあるタイトルがベストです。

・脚本
思わず物語に引き込まれるような筋書きやメッセージを用意する。目指すべきは疑似体験!

上記の要素が決まったら、脚本を作成します。

脚本の構成を作る基本の型

以下は脚本(ドラマ)を作る上での最もベーシックな構成です。あくまで基本の型となりますので、客層やテーマに合わせたアレンジが必要になります。

プレゼンテーションの基本の流れ

全体の流れを通して『ドラマチック曲線をどのように描くか』が重要です。主張の間に葛藤を入れることで流れに変化をつけることができます。この構成に準備していた要素を当てはめ、ストーリーを作っていきましょう。

魅力的なストーリーをつくるポイント4つ

ポイント①オープニングはインパクト重視

オープニングはインパクト重視です。心揺さぶるキャッチコピーや、映画のCMのようなダイジェストを届けましょう。聴き手を惹きつけ、ワクワクさせることがポイントです。

例えば、セレブリックスの採用イベントでは、最初に「営業職のイメージ」について問いかけます。多くが「ノルマ」や「大変そう」という負の感情を抱くのに対して、欧米諸国では今、「優秀な人を営業職に置こう」と号令をだしていることを紹介。さらにAIが発達する未来で、コミュニケーション職と呼ばれる営業職が必要とされてくるのではないか?と新しい考え方を伝え、学生の不安に問題意識を投げかけます。

ポイント②重要なところに絞って展開する

自己紹介や自社紹介は中だるみしてしまいがちなコンテンツです。プレゼンテーション全体の長さにもよりますが、重要なところのみ絞って展開するようにします。ここでも大切なのは「なぜ」という目的です。

何をやっている会社かを伝えることは「状況設定」において重要ですが、相手に共感を促すためには、

  • なぜ この事業を行っているか
  • なぜ 私たちがこのプレゼンテーションを行うのか

といった背景を説明しましょう。

ポイント③テーマに対して挫折や苦労話を入れよう

ここからはプレゼンテーションの内容によっても構成は大きく変わります。基本的には取り組んだテーマに対して、悪かったこと・挫折・苦労話などがあった方が物語に深みが出て、味のあるドラマに仕上がります。

例えば採用のイベントでは、営業代行をしてきた中で「成果が出なかったことがある」という失敗事例に対してスコープを当てています。そして、「おそらく日本で一番失敗してきた経験があるからこそ、失敗しない方法で企業の営業を手伝うことができる」というストーリーを主張します。展開する主張に説得力が増し、かつ失敗した経験があるという点が、視聴者の共感を募らせます。

ポイント④その結果どのような展望が見えてきたのか書く

結果は淡白なレポートで終えず、その成果からどのような展望が見えてきたのかもセットで伝えます。そして冒頭の「目的」に合わせ、この結果をどう目的と未来に紡いでいくのかを展開し、クライマックスに向かっていきます。「最後」の印象が一番強く残るため、まとめ方にはこだわりましょう。

例:
採用イベントの最後には、これからセレブリックスが営業職にどのように向き合っていくか、強烈なメッセージを打ち出します。

  • 営業職(販売職含む)は、日本で一番就労人口が多いと言われている
  • ただし「幸福度」という尺度で見ると、売れてる人と売れていない人の格差がすごい
  • しかしセレブリックスの営業ノウハウを活かすことができれば、世の中の営業に困っている人を救うことができるかもしれない
  • 想像してほしい、自分の仕事が誰かの活力になったら素晴らしいはずだ
  • 皆さんの中で、人の役に立ちたい、人にしかできないことに関心があればセレブリックスで一緒に働いてほしい、一緒に営業を変えて行こう


​​​​​​​上記のように、最後は「WHY」の目的や存在意義を示してクライマックスを迎えます。


あわせてお読みください

本記事とあわせて、営業力を高めるための新規開拓チェックリストをぜひご活用ください。新規開拓で生産性を向上させ、成果を高めるためのチェックリストです。営業パーソンや営業組織が持つべき基本的なスタンス、起こすべき行動から、実際の営業活動で実施すべき項目までまとめています。

チェックリスト


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まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
少しでも参考になれば幸いです。

  • 良いプレゼンテーションとは、相手の態度や行動を変化させる影響力があること
  • 人の心を動かすゴールデンサークル理論
    • WhatではなくWhyを伝えよう
    • 映画を参考にしよう
  • 魅力的なストーリーをつくるポイント4つ
    • ポイント①オープニングはインパクト重視
    • ポイント②重要なところに絞って展開する
    • ポイント③テーマに対して挫折や苦労話を入れよう
    • ポイント④その結果どのような展望が見えてきたのか書く


第二弾「話し方と伝え方編」はこちら

執筆者:株式会社セレブリックス セールスカンパニー マーケティング統括部 髙田冴夏
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監修者プロフィール

セレブリックス今井晶也



執行役員 カンパニーCMO /セールスエバンジェリスト

株式会社セレブリックスのセールスエバンジェリストとして、法人営業に関する研究、執筆、基調講演等を全国で行う。2021年8月には “Sales is 科学的に「成果をコントロールする」営業術” を扶桑社より出版。営業本のベストセラーとして累計出版数が5万部を超える。

2022年7月には単著二作目として “お客様が教えてくれた「されたい」営業” を出版。現在は執行役員 CMOと新規事業開発の責任者を兼任。管掌するプロダクトとして営業コミュニティのYEALE、営業専門の人材紹介のSQiL Career Agent、日本最大級の営業エンターテイメントJapan Sales Collectionなどがある。

Everything DiSCの認定トレーナーであり、専門は営業、プレゼンテーション、コミュニケーションスタイルと多岐に渡る。



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