大手企業にアプローチする際に押えておきたいポイント~実践編~

アウトバウンドでの営業活動において、大手企業やエンタープライズ規模の企業に自社の商品やサービスの営業をするには、中小企業やベンチャー企業への営業活動とは異なるアプローチが必要です。

前回の記事『大手企業にアプローチする際に押えておきたいポイント~基礎編~』では、大手企業に営業する際の基本的な心構えやスタンスについてご説明しました。今回は、その実践編として、セレブリックスが企業の営業支援をさせていただいている中で実際に行っている、大手企業へのアプローチ方法をご紹介します。


あわせてお読みください

本記事とあわせて、営業力を高めるための新規開拓チェックリストをぜひご活用ください。新規開拓で生産性を向上させ、成果を高めるためのチェックリストです。営業パーソンや営業組織が持つべき基本的なスタンス、起こすべき行動から、実際の営業活動で実施すべき項目までまとめています。

139のチェックリスト

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目次[非表示]

  1. 1.コンタクト(コールアプローチ)
    1. 1.1.心得
    2. 1.2.ブランド力・特別感でアポイント取得
    3. 1.3.担当営業を口説く
    4. 1.4.実践例:EC向けのアプローチポイント
  2. 2.コンタクト(メールアプローチ)
    1. 2.1.資料のブラッシュアップ
    2. 2.2.メール内に使用する言葉を工夫する
  3. 3.商談
    1. 3.1.あくまでも課題解決のためのパートナーとしての商談を心がける
    2. 3.2.決裁フローや個々の役割を抑えてメリット訴求を行う
    3. 3.3.顧客の担当者にToDoをもたせる
    4. 3.4.御礼メールの工夫
  4. 4.まとめ

コンタクト(コールアプローチ)

心得

  • リードが無いコールドコールにて「いきなり顧客になることは有り得ない」というスタンスを持つ。

  • 一人でも良いのでまずは先方企業とコネクトを持ち、信頼を得る。焦って催促せず、余裕を持つ。
  • 顧客が興味を持つまでひたすら情報提供をする。
  • コネクトを持った一人を起点に、大事に関係構築をしていく。
  • 上記を念頭に、ゆっくりで良いのでリードを作る。

代表番号からキーパーソンへコンタクトはほぼ不可能なので、事前に企業HP、ビジネスSNS、該当部署、想定キーパーソンが所属する部署の電話番号・メールアドレスなどを調査しておくのがポイントです。


ブランド力・特別感でアポイント取得

たとえば他部署や別サービスで取引が既にある場合など、「普段多くお取引いただいているお客様に、特別サービスのご案内」と伝えると、新規の場合はアポイントを取得しやすいです。ただ、サービス内容を伝えると断られる可能性があるので、あえてサービスについてはふわっとさせ、「特別感」を演出させるのがコツです。

また、この際に何が出来るのかを伝えないと有効的なアポイントにはならないため、サービスメリットや解決出来る課題を主体にして伝えましょう。


担当営業を口説く

事前に先方企業の競合企業やサービス、市場占有率などについて調べて仮説を構築し、「このサービスを導入しないと競合にシェアを奪われる」と恐怖訴求をするのも一つの手でしょう。こうすることで、大きな抵抗もなく、キーマンとの商談機会を設けてくれる場合があります。


実践例:EC向けのアプローチポイント

▼超大手やエンタープライズの場合は店舗決裁者から順にあたる

全くキーパーソンの情報がない場合、本部担当者にアプローチすることはまず不可能なので、以下のポイントをおさえ、店舗(店長)へアプローチし商談する必要があります。

  • 店舗の悩みや課題を吸い上げる
    本部担当と商談した際に「現場ではこういったことに困っています」と話すためです。
  • 店長から順に「1つ上の責任者」を紹介してもらう
    店長から本部担当は接点がなく紹介しにくいことが多いです。また、1つ上のレイヤーだと普段から付き合いがあるため気軽に紹介しやすい傾向があります。
  • 店舗(現場)との商談だと、サービスに前向きになりやすい
    費用負担がは本部の場合、サービスのメリットだけ飲み込んでくれます。また、商談相手にとって上のレイヤーを紹介することへの抵抗が減る傾向もあります。

▼例:EC責任者を呼び出す順番(断られたor不在なら次のStepへ)

Step1:本社受付で責任者を呼び出す
Step2:営業部の番号を調べて責任者を呼び出す
Step3:総務部の番号を調べて責任者を呼び出す(EC兼任や代表電話と一緒の事もある)
Step4:支社・支店の受付で支社長or支店長を呼び出す
Step5:支社・支店の受付で営業担当者を呼び出す
Step6:直営店(販売会社)の受付で責任者を呼び出す
Step7:問合せフォームor企業アカウントのSNSでスカウトメール送付


コンタクト(メールアプローチ)

資料のブラッシュアップ

キーパーソンへのコンタクトは難しく、「まずは受付に資料を送ってください」と言われることが多いでしょう。ただサービス紹介するのみの内容では興味喚起が出来ない可能性もあるため、送付する資料の内容やデザインをブラッシュアップし、解決できる課題を入れるなど、企業ごとに個別化されたものを作成しましょう。また、資料送付するメールの文中に、アポイントの日程を提示するのも有効です。


メール内に使用する言葉を工夫する

メールの本文で使用する一つ一つの言葉やニュアンスに注意を払いましょう。セレブリックスでは、メールの件名を工夫したことで返信率が10%だったものが50%までアップしたという実証データもあります。下記に、メールで工夫する際の例を挙げます。

  • 商談の時間が欲しいと記載する
  • 件名で目的を明確にする
    • 例)「突然のご連絡失礼します/ご返信いただければ幸いでございます。」とする
  • 営業色が強くなるため、文面に「導入」「契約」という言葉を使わない。
  • イメージの湧く動画や事例などの用意があればURLを記載する

これらを意識した、セレブリックスが活用しているメールのテンプレート例が以下になります。

突然のご連絡失礼いたします。

この度は、貴社のサービス情報を拝見し
更なる事業拡大に向け、弊社のサービスを通じて
お役立ちができるのではないかと考え、ご連絡をさせていただきました。

新型コロナウイルスの影響下において、
貴社への問い合わせやお引き合いも多くなっているのではないかと考えております。

例えば弊社では、インサイトセールスを意識した新規開拓支援により、
顧客すら気付いていない顧客の課題を見つけ、買わない理由をなくすという営業手法を用い
今後の事業拡大をより加速させるご支援ができると思っております。

お役立ちできる想定サービスは以下のとおりです。
・営業の仕組み構築とアポ獲得
・問合せの一次対応、案件化
・リード獲得後一次商談/オンラインセールス代行(商談確度の向上)

また上記提供サービスでは以下のような支援事例もございます。
・営業の仕組み構築とアポ獲得:https://www.www.eigyoh.com/case/031/
・アポ獲得から商談代行:https://www.www.eigyoh.com/case/027/
その他にも業界No.1の1,100社12,000サービス以上の営業支援の実績がございます。

ご興味を持っていただけましたら、
一度弊社のサービスやこれまでの実績を含めたご提案の機会をいただけますと幸いです。

お忙しい中大変恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
ご返信を心よりお待ち申し上げます。


商談

あくまでも課題解決のためのパートナーとしての商談を心がける

ポイントは、商談中に、サービスのネックや導入における想定課題は正直にお伝えして、それに対する提案も事前に用意することです。意図としては、その場の商談は良い雰囲気で終わったとしても、その後の決裁フローで商談中出ていなかったネックがでてくると失注になるケースも少なくはありません。

そのため、良い言葉ばかり並べず、リスクもあることを前提にお伝えすることで、鶴の一声を防止することが出来ます。結果的に、セールスパーソンとしてではなく、パートナーとして信頼を得やすく、その後ビジネスを行う上で有効な関係が築けます。


決裁フローや個々の役割を抑えてメリット訴求を行う

担当者ごとの役割を把握し、役割ごとに持つ課題感に合わせた訴求を行って導入の合意を得ましょう。その中で、利害関係者を把握し、推進者/決裁者を明確にすることが大切です。

部署や役割を相関図にまとめ、誰が推進するのか、反対しそうな人や部署がいないかを確認しながら提案する順序を定めるのも効果的です。ただ、いち担当が絶対的な信頼を得ている可能性もあり、役職と導入に関わる役割がイコールであるとは限らないので注意しましょう。


顧客の担当者にToDoをもたせる

大手企業の場合、A社では総務部が決定をするがB社では営業部が決定をする等、業種業界のみならず会社によって関わる部署が異なることも多いです。そのため、部門ごとの関わりを確認し、各部門にToDo(ネクストアクション)を持たせましょう。

サービス導入に際して関係者が多くなる場合には、誰が何をすべきかの決定に時間がかかったり行動を忘れてしまうこともあるため、こちらから能動的に誘導していくことが有効です。特にクロージングの際、商談相手に、次回の商談に参加してほしい人を探して同席依頼までお願いするなど、取引をスムーズに進められるようコントロールをしていきましょう。

また、商談の場を複数回設けることも有効です。実際、初回商談でキーパーソンや決裁者が登場することは稀なので、商談の終了時には次回商談の場をセットしておきましょう。


御礼メールの工夫

決裁の際、ネックになりそうな関係者がいる場合、先手を打って資料や議事録を準備し送付しましょう。資料の内容は、テンプレートを利用するよりも担当者別に作成するのが効率的です。但し、これは課題がある程度想定できる場合に有効なものになります。以下、例文をご紹介します。

取り急ぎ本日の要約をお伝え致します。
内容に齟齬ございましたらご指摘頂けますと幸いです。


◇ネクストアクション
【貴社】
支援範囲・予算・導入時期について上席の方とすり合わせをお願いいたします。

【弊社】
・導入時期について前倒しでのご提案が可能か、社内確認いたします。
・本日の内容からご提案書を纏め、●月●日までにメールでご送付いたします。
また、ご提案書の内容について●●様宛にお電話でもご連絡いたします。

◇サービス利用開始希望月
●月より実働開始

◇希望される支援範囲方法
・インサイドセールス
アウトバウンドでのアポイント獲得(リストは弊社作成)
ハウスリストに対するリードナーチャリング

◇解決なされたい課題
・アウトバウンド営業によるターゲット顧客のリード及びアポイント獲得
・休眠リードの活性化とMAのスコアリング設定の最適化

◇導入ハードル
・マーケティング予算の一部を営業代行に移行出来るか
・関係するX部署から人員を移動出来る可能性があり、その場合はアウトソーシングの優先度が下がる

◇添付資料:
・アウトソーシングによる教育コスト削減

以上、ご一読いただけましたら幸いです。
追って再度私よりご連絡差し上げます。


あわせてお読みください

本記事とあわせて、営業力を高めるための新規開拓チェックリストをぜひご活用ください。新規開拓で生産性を向上させ、成果を高めるためのチェックリストです。営業パーソンや営業組織が持つべき基本的なスタンス、起こすべき行動から、実際の営業活動で実施すべき項目までまとめています。

139のチェックリスト

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まとめ

今回は、セレブリックスが企業の営業支援をさせていただいている中で実際に行っている、大手企業へのアプローチ方法を実践編としてご紹介しました。

もちろん、売る商品やサービスの特徴によって、大手企業への訴求ポイントは異なってきますが、コールやメールでの小さな工夫が成果に結びつくカギになり得ます。

また、大手企業への新規開拓では、一度の接点構築で受注まで辿り着くのは非常に難しいと考えられます。上記の「心得」でも記載しましたが、受注を獲得するには、顧客に情報や価値を提供し続け、顧客との関係を焦らず構築・深耕していくことが求められます。
是非、セレブリックスの実践例も踏まえて、大手企業・エンタープライズ企業の新規開拓に取り組んでみてください。

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