大手企業にアプローチする際に押えておきたい9つのポイント

アウトバウンドでの営業活動において、大手企業・エンタープライズ規模の企業に自社の商品やサービスを提案するには、中小企業やベンチャー企業へのアプローチとは異なる方法論が求められます。

前回の記事『大手企業にアプローチするために意識すべき5つのポイント』では、大手企業への営業における基本的な心構えとスタンスについて解説しました。本記事はその実践編として、セレブリックスが企業の営業支援を通じて実際に行っている、大手企業へのアプローチ方法をご紹介します。


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【監修者】
株式会社セレブリックス 取締役 執行役員 CMO
市場開発本部長 兼 セレブリックス営業総合研究所 所長
今井 晶也

セレブリックス営業総合研究所の所長兼セールスエバンジェリストとして、法人営業・購買・AI営業の最前線で研究や情報発信を行う。著書に『Sales is 科学的に「成果をコントロールする」営業術』、『お客様が教えてくれた「されたい」営業』、『The Intelligent Sales~AIを活用した最速・最良でクリエイティブな営業プロセス~』などがあり、累計発行部数は10万部を突破。現在は取締役 執行役員CMOとしてマーケティング戦略や新規事業開発を牽引。営業プラットフォーム『YEALE』、『Japan Sales Collection』の監修や、Everything DiSC®認定トレーナーとしても幅広く活動している。

目次[非表示]

  1. 1.大手企業にアプローチする際に押えておきたい9つのポイント
    1. 1.1.コンタクトアプローチを心得る
    2. 1.2.特別感の演出でアポイントを獲得する
    3. 1.3.担当者へアプローチする
      1. 1.3.1.実践例:EC向けのアプローチポイント
    4. 1.4.資料をブラッシュアップする
    5. 1.5.メール表現を工夫する
    6. 1.6.デメリットもあえて伝えておく
    7. 1.7.決裁フローや役割を把握しておく
    8. 1.8.担当者に明確なToDo(次に取るべき行動)を示す
    9. 1.9.お礼状メールを工夫する
  2. 2.まとめ

大手企業にアプローチする際に押えておきたい9つのポイント

コンタクトアプローチを心得る

コンタクトアプローチにあたっては、以下の5つの心得を意識することが重要です。

  • リードのないコールドコールでは「いきなり顧客になることはない」というスタンスを理解しておく
  • まずは先方企業の中に一人でもコネクションを持ち、信頼関係を構築する。焦って催促せず、余裕をもって待つ
  • 顧客が興味を持つまで、継続的に情報を提供する
  • コネクションを得た一人を起点として、丁寧に関係構築を進める
  • 上記を念頭に置きながら、時間をかけてリードを育成していく

また、代表番号からキーパーソンへ直接コンタクトを取ることはほぼ不可能です。事前に企業のWebサイトやビジネスSNS、該当部署・想定キーパーソンが所属する部署の電話番号やメールアドレスを調査しておくことが、効率的なアプローチの出発点となります。

特別感の演出でアポイントを獲得する

他部署や別サービスですでに取引がある場合は、「普段多くお取引いただいているお客様に、特別なご案内をしたい」という切り口でアプローチすると、新規案件としてのアポイントを取得しやすくなります。

ただし、サービスの詳細を具体的に伝えてしまうと断られる可能性が高まります。あえてサービスの詳細には触れず「特別感」を演出することがポイントです。

一方で、何ができるかをまったく伝えないままでは、有効なアポイントにはなりません。提供できるメリットや解決できる課題を軸に、関心を引く情報を適切に盛り込むようにしましょう。

担当者へアプローチする

事前に先方企業の競合情報やサービス、市場シェアなどを調査して仮説を構築します。そして、「このサービスを導入しなければ競合にシェアを奪われる可能性がある」という形で課題意識を喚起することも有効なアプローチのひとつです。

こうした訴求を適切に行うことで、担当者が大きな抵抗感を持たずにキーパーソンとの商談機会を設けてくれるケースがあります。

実践例:EC向けのアプローチポイント

▼超大手やエンタープライズの場合は店舗決裁者から順にあたる

全くキーパーソンの情報がない場合、本部担当者にアプローチすることはまず不可能であるため、以下のポイントを押さえ、店舗(店長)へアプローチし商談する必要があります。

  • 店舗の悩みや課題を把握する
    本部担当と商談した際に「現場ではこういったことに困っています」と話すために店舗の悩みや課題をあらかじめ把握しておきます。
  • 店長から順に「1つ上の責任者」をご紹介いただく
    店長から本部担当への紹介は接点がないため、紹介しにくいことが多いです。一方、1つ上のレイヤー(1つ上の責任者)であれば普段から付き合いがあるため、気軽に紹介しやすい傾向があります。
  • 店舗(現場)との商談はサービスに前向きになりやすい
    自社のサービスを購入してもらう場合、費用負担が本部であれば、サービスのメリットを理解してもらいやすくなります。また、商談相手にとって上のレイヤー(1つ上の責任者)を紹介することへの抵抗も減る傾向があります。

▼例:EC責任者を呼び出す順番(断られた、または不在の場合は次のステップへ)

以下のステップ1からステップ7を参考に、「EC責任者を呼び出す」順番を考えてみてください。もちろん、この通りでないこともありますが、シミュレーションしておくとスムーズに展開できます。

ステップ1:本社受付で責任者を呼び出す

ステップ2:営業部の番号を調べて責任者を呼び出す

ステップ3:総務部の番号を調べて責任者を呼び出す

ステップ4:支社・支店の受付で支社長または支店長を呼び出す

ステップ5:支社・支店の受付で営業担当者を呼び出す

ステップ6:直営店(販売会社)の受付で責任者を呼び出す

ステップ7:問い合わせフォームまたは企業アカウントのSNSでスカウトメールを送付する

資料をブラッシュアップする

キーパーソンへの直接コンタクトが難しく、「まずは資料を送ってください」と言われるケースは少なくありません。しかし、サービス紹介のみに終始した汎用的な資料では、相手の興味・関心を引くことは難しいのが現実です。

送付する資料は、解決できる課題を明示した上で、企業ごとに個別化された内容・デザインに仕上げることが重要です。また、資料送付のメール本文に具体的な商談日程の候補を記載しておくことも、次のアクションにつなげる上で有効です。

メール表現を工夫する

メール本文で使用する言葉やニュアンスの一つひとつに注意を払うことが、返信率の向上に直結します。セレブリックスでは、メールの件名を工夫したことで返信率が10%から50%まで向上したという実績があります。

メール作成にあたっては、以下の点を意識してください。

  • 商談の時間をいただきたい旨を明確に記載する
  • 件名で連絡の目的を端的に示す
    例:「突然のご連絡失礼します/ご返信いただければ幸いでございます。」
  • 「導入」「契約」といった営業色の強い言葉は使用しない
  • 事例紹介動画など、イメージが湧くコンテンツのURLがあれば記載する

以下は、上記を意識したセレブリックスが実際に活用しているメールテンプレートの例です。

【商談の時間をいただきたい旨を伝えるメールサンプル】

突然のご連絡失礼いたします。

この度は、貴社のサービス情報を拝見し、さらなる事業拡大に向けて弊社のサービスをお役立ていただけるのではないかと考え、ご連絡をさせていただきました。

新型コロナウイルスの影響下において、貴社への問い合わせやお引き合いも増加しているのではないかと拝察しております。

弊社では、インサイトセールスを意識した新規開拓支援により、顧客自身も気づいていない課題を発見し、「買わない理由をなくす」という営業手法を用いて事業拡大をご支援できると思っております。

お役立ていただけると想定しているサービスは以下のとおりです。
・営業の仕組み構築とアポイント獲得
・問い合わせの一次対応および案件化
・リード獲得後の一次商談・オンラインセールス代行(商談確度の向上)

また、上記サービスに関する支援事例は以下よりご覧いただけます。
・営業の仕組み構築とアポイント獲得:https://www.eigyoh.com/case/031/
・アポイント獲得から商談代行:https://www.eigyoh.com/case/027/

その他にも、業界No.1の1,400社・12,700サービス以上の営業支援実績がございます。

ご興味をお持ちいただけましたら、弊社サービスおよびこれまでの実績をご紹介する機会をいただけますと幸いです。

お忙しいところ大変恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。 ご返信を心よりお待ち申し上げます。

デメリットもあえて伝えておく

商談では、自社サービスの強みだけでなく、懸念点や導入時の課題も包み隠さず伝えるべきです。それらに対する解決策を事前に提示しておくことで、顧客の不安を解消できます。

商談その場の雰囲気が良好であっても、その後の社内決裁プロセスで商談中に触れていなかった懸念点が浮上し、失注につながるケースは少なくありません。リスクを含めて正直に伝えておくことで、セールスパーソンとしてではなく、信頼できるビジネスパートナーとしての関係を築くことができます。結果として、長期的なビジネス関係の構築にも有効です。

決裁フローや役割を把握しておく

担当者ごとの役割を正確に把握し、それぞれの立場が持つ課題感に合わせて訴求することで、導入への合意を得やすくなります。その際、利害関係者を整理し、推進者と決裁者を明確にしておくことが重要です。

部署や役割の相関図を作成し、誰が推進するのか、反対が予想される人物や部署がないかを確認しながら提案の順序を組み立てることも効果的です。

ただし、役職が必ずしも導入決定における影響力と比例するわけではありません。特定の担当者が絶大な信頼を持っているケースもあるため、役職と導入への関与度をイコールで捉えないよう注意が必要です。

担当者に明確なToDo(次に取るべき行動)を示す

大手企業では、A社では総務部が意思決定を行う一方、B社では営業部が主導するなど、業種・業界だけでなく企業によって関与部署が異なることが多くあります。

そのため、各部門の関与状況を確認し、それぞれの部門ごとに具体的なToDo(次に取るべき行動)をはっきり示すことが大切です。

サービス導入に関わる関係者が多い場合、誰が何を担当するのかを確認したり調整するのに時間がかかることがあります。

さらに、それぞれが自分の役割を忘れてしまうケースさえ見受けられます。そのため、こちらから積極的に次のステップを案内し、商談をスムーズに前進させるようにコントロールしましょう。

特にクロージング局面では、商談相手に次回商談への参加者の選定・同席依頼までお願いするなど、取引推進に向けた具体的な働きかけを行います。

また、初回の商談でキーパーソンや決裁者が出席することはほとんどありません。したがって、商談が終わった際には、必ず次回の商談日程をその場で決めることを習慣づけてください。

お礼状メールを工夫する

商談後のお礼状メールは、ただの礼儀ではなく、決裁プロセスをスムーズに進めるための戦略的なツールとして活用できます。特に、決裁の際に課題となりそうな関係者がいる場合には、先回りして議事録や補足資料を整理し、送付しておくことが効果的です。

また、資料の内容については、テンプレートをそのまま使うよりも、担当者ごとに異なる課題や状況に合わせて作成した方が高い効果を期待できます。ただし、この方法は商談を通じて相手の課題がある程度はっきりしている場合に有効です。以下に、その具体例を挙げます。

【お礼状メールサンプル】

取り急ぎ、本日の商談内容の要点をお送りいたします。

内容に齟齬がございましたら、ご指摘いただけますと幸いです。

◇ネクストアクション

【貴社】

支援範囲・予算・導入時期について、上席の方とご確認をお願いいたします。

【弊社】

・導入時期の前倒し対応が可能か、社内にて確認いたします。

・本日のご商談内容をもとにご提案書を作成し、〇月〇日までにメールにてお送りいたします。

・ご提案書の内容について、〇〇様宛てにお電話でもご連絡いたします。

◇サービス利用開始希望月:〇月より実働開始

◇希望される支援範囲

・インサイドセールス

アウトバウンドでのアポイント獲得(リストは弊社にて作成)

ハウスリストに対するリードナーチャリング

◇解決したい課題

・アウトバウンド営業によるターゲット顧客のリード獲得およびアポイント獲得 ・休眠リードの活性化とMAのスコアリング設定の最適化

◇導入における検討事項

・マーケティング予算の一部を営業代行に移行できるか

・関係部署からの人員異動の可能性があり、その場合はアウトソーシングの優先度が変動することもある

◇添付資料 ・アウトソーシングによる教育コスト削減

以上、ご確認いただけますと幸いです。

追ってあらためてご連絡いたします。


あわせてお読みください

本記事とあわせて、営業力を高めるための新規開拓チェックリストをぜひご活用ください。新規開拓で生産性を向上させ、成果を高めるためのチェックリストです。営業パーソンや営業組織が持つべき基本的なスタンス、起こすべき行動から、実際の営業活動で実施すべき項目までまとめています。


まとめ

今回は、セレブリックスが企業の営業支援を通じて実際に行っている大手企業へのアプローチ方法を、実践編としてご紹介しました。

商品・サービスの特性によって訴求ポイントは異なりますが、コールやメールにおける細かな工夫の積み重ねが、成果に直結するケースは少なくありません。

大手企業への新規開拓では、一度の接点で受注に至ることは極めて稀です。情報や価値を提供し続けながら、焦らず着実に関係を構築・深耕していく姿勢が、最終的な受注獲得につながります。ぜひ本記事の実践例を参考に、大手企業・エンタープライズ企業への新規開拓に取り組んでみてください。

\大手企業へのアプローチについてさらに知りたい方へ/

髙田 冴夏
髙田 冴夏
【市場開発本部 ブランド・マーケティング統括室 マーケティングプランニングGr コンテンツスタジオ】 2022年6月入社。セレブリックスの営業ナレッジメディア「Sales is」の専任Webライターとして、3年間にわたり数百に及ぶ営業ノウハウの記事化に従事。現在はメルマガ執筆に加え、MAツール(Account Engagement)を用いた顧客コミュニケーションの自動化やCRM設計を担当。「営業の言語化」と「データに基づいた施策」の両輪で、顧客体験の最適化を追求している。

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