生成AIを活用した営業スタイル「インテリジェントセールスプロセス」とは?

生成AIやデジタルを有効活用した、知的でスマートな営業プロセスのことをセレブリックスでは「インテリジェントセールスプロセス」と呼んでいます。この記事では、これまでの営業スタイルとどう違うのか、どのように生成AIを取り入れていけばいいのか、営業「第4世代」とも考えられるインテリジェントセールスと、そのプロセス(インテリジェントセールスプロセス)について解説いたします。

目次[非表示]

  1. 1.インテリジェントセールスプロセスとは
  2. 2.インテリジェントセールスプロセスと旧来型セールスプロセスの違い
    1. 2.1.ターゲティングやリストアップ
    2. 2.2.接点構築・関係維持
    3. 2.3.商談準備
    4. 2.4.商談
    5. 2.5.商談後
  3. 3.【番外編】営業トレーニング
  4. 4.まとめ


執筆者プロフィール

セレブリックス今井晶也



執行役員 カンパニーCMO /セールスエバンジェリスト

株式会社セレブリックスのセールスエバンジェリストとして、法人営業に関する研究、執筆、基調講演等を全国で行う。2021年8月には “Sales is 科学的に「成果をコントロールする」営業術” を扶桑社より出版。営業本のベストセラーとして累計出版数が5万部を超える。

2022年7月には単著二作目として “お客様が教えてくれた「されたい」営業” を出版。現在は執行役員 CMOと新規事業開発の責任者を兼任。管掌するプロダクトとして営業コミュニティのYEALE、営業専門の人材紹介のSQiL Career Agent、日本最大級の営業エンターテイメントJapan Sales Collectionなどがある。

Everything DiSCの認定トレーナーであり、専門は営業、プレゼンテーション、コミュニケーションスタイルと多岐に渡る。

インテリジェントセールスプロセスとは

生成AIやデジタルを有効活用した、知的でスマートな営業プロセスのことをセレブリックスでは「インテリジェントセールスプロセス」と呼んでいます。

旧来型と言われる勘や根性スタイルの営業活動では、根拠や辻褄の合わないムダ撃ち営業があったり、お客様の体験を無視した「売り込みスタイル」の一方通行型となったりします。このステレオタイプな営業スタイルに対して、生成AIやデジタルツールを活用し、一方通行型の営業から脱することができれば、“営業プロセスも顧客体験もスマートである”を目指すことは可能です。

今日は、営業 第4世代 とも考えられるインテリジェントセールスと、そのプロセス(インテリジェントセールスプロセス)について解説いたします。


インテリジェントセールスプロセスと旧来型セールスプロセスの違い

インテリジェントセールスプロセスと旧来型の営業スタイルは、図のような取り組みの変化やスタイルの違いを生み出します。

インテリジェントセールスプロセスと旧来型セールスプロセスの違い

従来の営業活動における常識には、アナログ時代の営業スタイルに築いた成功体験で構成されていることが多くあります。本質的に、お客様が買いたくなる・買わない理由をつくる関係性は大きく変わりませんが、コミュニケーションやプロセスを推進する手段は、テクノロジーの発展で随分スムーズに行えます。

また、ChatGPT-3.5、ChatGPT-4.0、GPTsなどOpenAIによる生成AIが登場したことで、生成AIを身近に利用できる営業活動、つまりAIドリブンセールスを著しく実行しやすくなりました。このように生成AIの利用は、知的でスマートな営業プロセスである「インテリジェントセールスプロセス」には欠かせないのです。それぞれのプロセスで、旧来型とインテリジェントセールスプロセスでどのような違いがあるか触れていきます。


ターゲティングやリストアップ

このフェーズはターゲット企業を特定し、アプローチ先のリストアップを行うプロセスです。旧来型の営業組織であると、WEBサイトなどから手作業でピックアップしていたり、展示会リストやセミナーやDL資料でかき集めたリードに広くアプローチしている、ケースを良く目にします。

また、リストを購入している場合も、ニーズで区切るのではなく、業種・エリア等の大きな属性カテゴリで購入することで、ターゲットと異なる、ノイズのあるリストに営業しているといったことはよくある話です。

この、営業活動のキモ、命ともいえるターゲティングやリストアップ作業も、AIに受注や商談企業のデータを分析させることで、ホットなターゲットリストの条件を出してくれたり、ピックアップしやすい環境を提案してくれます。


接点構築・関係維持

コール数やメール配信数が指標となっており、1件1件トークや文章を個別化させる余裕がなく、テンプレ営業をせざるを得ない…。こんな状況から、リスト毎に生成AIに調べさせ、「なぜ今・なぜあなたに・どのように役に立てるのか」を、個社ごとにトークスクリプトのキーワードを生成できます。


商談準備

お客様のビジネスや潜在的な課題を仮説として持つためには、相応の準備や調査が必要になります。お客様のライバルや市場まで調べるとなると、時間をかけようと思えばいくらでもかけることができますが、毎日数件商談が入ってしまうと、その準備もおざなりになるでしょう。この商談準備も、生成AIを活用することでスマートになるはずです。

プロンプト(指示文)やブラウジング(WEBサイトなどの閲覧)によって、AIが調査や仮説構築をサポートしてくれます。しっかり準備した場合と比較すれば、時間を5分の1程度に短縮できると言っても過言ではありません。


商談

商談においても、生成AIを活用して事前準備を行うことで、個社ごとにパーソナライズされたトークやシナリオを展開することができるはずです。例えば、商談導入の挨拶やセットアップ。生成AIに面談者の情報をピックアップさせたり、その情報をもとにアイスブレイクトークを用意させてみるのはいかがでしょうか?


特定のwebメディアを指定して「よく言葉にする関心毎をまとめて、アイスブレイクトークを考えて」と指示すれば、貴方の代わりに調査と提案をしてくれます。また、お客様の属性やビジネスモデル、そして業界や想定ニーズへの仮説があれば、会社説明の内容やトークスクリプト(台本)を、個社毎にアレンジできます。もちろん、用意する事例やケースなども変わるはずです。


商談後

商談後の対応やフォローの内容も、インテリジェントセールスプロセスではスマートな推進が可能です。

まず商談の議事録。文字起こしできるツールやサービスとセットで利用できれば、その対話記録を要約したり、SFAに取り込むための項目ごとに情報を整理してくれます。顧客管理を時短で実行できるため、タイムパフォーマンスが高まります。また、その議事録内容をChatGPTや各種生成AIに指示をすれば、フォローメールや提案書の雛形・骨子づくりに役立ちます。

お客様としても、対話のリレーションがスムーズになったり、コミュニケーションがタイムリーになれば体験としてスマートに感じることでしょう。


【番外編】営業トレーニング

商談の精度を高めるためには、状況対応力や反論対策(オブジェクションハンドリング)の精度を高めなければなりません。生成AIを活用し、これらを高めるトレーニング相手として活用するのはいかがでしょうか?

私の場合、ChatGPTに「○○業務の××部門の部門長」の役割を演じてもらい、ことある毎に提案や訴求トークに対して反論してもらうシミュレーションを行います。

プロンプトで設定を細かくすれば、業界や役割特有の断り理由や反論をアドバイスしてくれるので、反論対策や自分の知識が足りない箇所のトレーニングになります。そのやり取りを後から眺めれば、自身の営業を客観的に見ることも可能です。

これは一説ですが、営業パーソンがお客様と向き合って純粋に営業活動にあてられている時間は、わずか3-4割程度。残りの6-7割は社内の調整業務や会議、資料作りに充てているとも言われています。生成AIの活用で、お客様とコミュニケーションが取れる『営業ピュアタイム』をどうやって伸ばせるかチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


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まとめ

今回の記事では、営業第4世代のインテリジェントセールスプロセスについて解説しました。生成AIを有効活用することができれば、営業プロセスをスマートに変革させることが可能になります。ぜひ、本記事をお読みの皆様も生成AIの活用にチャレンジし、実証実験を通して精度を高めてみてください。

営業組織における生成AIの活用でお困りのことがあればいつでもご相談ください。セミナー、研修、アドバイザリー、代行、コンサルティング等各種扱っております。お気軽にご相談ください。​​​​​​​


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