効果的な1on1ミーティングのコツと心理的安全性を高める方法
「1on1の時間を有効的に活用できていない」
「1on1でメンバーの悩みを聞きたいけど、なかなか心を開いてくれない・・」
こんな悩みをお持ちではありませんか?
上司と部下という関係性で、どのようにして心を開いてもらえばいいのか。 「心理的安全性」を意識してコミュニケーションをとることがポイントです。この記事では、心理的安全性がなぜ重要なのか、1on1ミーティングで心理的安全性を高めるポイントをお伝えします。
心理的安全性を高めて効果的な1on1をおこない、生産性の高いチームを目指しましょう!
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目次[非表示]
- 1.心理的安全性とは?
- 2.生産性の高いチームの共通点「心理的安全性の高さ」
- 3.1on1で心理的安全性を高める方法
- 3.1.なぜ1on1をするのか伝える
- 3.2.積極的に自己開示する
- 3.3.部下の価値観を知る、受け入れる
- 3.4.感謝を伝える
- 4.まとめ:1on1を活用してチームの生産性を高めよう
心理的安全性とは?
心理的安全性とは、上司やメンバーの反応を気にすることなく、気軽に自分の意見を言い合えること。且つそのような行動をとっても、このチームなら大丈夫だと信じられる状態を指します。
組織行動学者であるエイミー・エドモンドソン教授が1999年に提唱した用語です。
会議中にわからないことや違う意見をもっていたとしても、「こんなこともわからないのかと思われそう」「空気を壊しそうだから、やめておこう…」と感じて、質問や意見を伝えるのを躊躇してしまう。このようなチームは、心理的安全性が低いといえます。
会議をしてもメンバーから質問が出ず、本来気づくべき改善点に気づきにくいためパフォーマンスが落ちてしまいやすいです。無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動だとしても、チームを信じて発言できるかどうかが重要となります。
生産性の高いチームの共通点「心理的安全性の高さ」
生産性の高いチームの共通点。それは、心理的安全性の高さです。
Googleがおこなった社内調査「プロジェクト・アリストテレス」によると、生産性の高いチームには5つの重要な因子があると発表されました。
- サイコロジカルセーフティー (心理的安全性):チームメンバーがリスクをとることを安全だと感じ、お互いに対して弱い部分もさらけ出すことができる
- 相互信頼:チームメンバーが他のメンバーが仕事を高いクオリティで時間内に仕上げてくれていると感じている
- 構造と明確さ:チームの役割、計画、目標が明確になっている
- 仕事の意味:チームメンバーは仕事が自分にとって意味のあるものだと感じている
- インパクト:チームメンバーは自分の仕事について、意義があり、良い変化を生むものだと思っている
この中でも、「心理的安全性は単なる1要素ではなく、その他の4つを支える土台であり、チームの成功に最も重要な要素である」とされています。
生産性の高いチームをつくるために必要な心理的安全性を、どのようにして高めていけばいいのでしょうか。方法のひとつに、1on1があります。
◆1on1とは?:上司と部下が一対一で話す面談のことです。30分程度の面談を定期的におこないます。Googleをはじめ、国内企業でも多く取り入れられています。
1on1で部下の心理的安全性が高まる瞬間
そもそも部下は、1on1でどのようなときに本音や意見を話したいと感じるようになるのでしょうか。
いくつか例をご紹介します。
- 人間性や価値観、意見を否定せず、受け入れてもらえたと実感できたとき
- 上司のアドバイスが批判的ではなく、寄り添いや協力の姿勢が見えたとき
- 意見の内容だけでなく、意見を伝えたことに対して褒めてくれたとき
- 自分だからこそ頼ってもらえたと実感できたとき
- 上司の仕事に対する価値観や信念を知れたとき
上記のような経験を経て、部下は上司やチームに貢献したいと考えるようになります。心理的安全性は、数回の経験で簡単に高まるものではありません。長期的な実践が必要です。
1on1で心理的安全性を高める方法
ただやみくもに1on1をおこなうだけでは、心理的安全性は高められません。
「どんな意見を言っても大丈夫だ」と感じてもらえるように、工夫をして1on1をおこなう必要があります。ポイントは4つです。
- なぜ1on1をするのか伝える
- 積極的に自己開示する
- 部下の価値観を知る、受け入れる
- 感謝を伝える
ひとつひとつ解説していきます。
なぜ1on1をするのか伝える
ただ1on1をセッティングされても、部下は評価面談のような気持ちで参加することになります。1on1ミーティングを始めるときには、まず目的をきちんと伝えましょう。
【例】
目的:生産性の高いチームをつくりたい
上司やチームに対して、ありのままの意見や本音を言えるようになることが強いチーム作りにつながるため。
課題:意見が言いにくくなっている原因は、心理的安全性の低さ
これを解消するために、1on1をやることにした。
積極的に自己開示する
返報性の原理をご存知でしょうか。
返報性の原理とは、他人から何かを受けとった際に、「お返しをしなければならない」という気持ちを抱く心理作用のことです。これは物だけでなく、自己開示にも当てはまります。
相手の気持ちがわからない状態で、自分の気持ちを伝えるのはかなりの勇気が必要です。部下に本音を話してもらいたいのであれば、まずは積極的に自分のことを伝えていきましょう。
- 価値観
- 性格
- 苦手なこと
- 得意なこと
このような人間性につながる話題を話すことで、部下は「上司」ではなく「人」として親近感を抱きやすくなります。
部下の価値観を知る、受け入れる
部下に突然意見を求めたり本音を聞き出そうとしても、表面的な答えが返ってきてしまうでしょう。部下の価値観を知るために、まずは耳を傾ける。傾聴を徹底しましょう。
また、話を聞くときには以下のポイントを意識してみてください。
- 部下が話してくれた話題や意見を否定しない
- 部下に質問をして、気にかけていることを示す
- 部下の話を自分の話題にすり替えない
-
すぐに解決やアドバイスをしようとしない
→「どうしてそう感じたのか?」など、価値観を知るために話を深堀する
人は自分に興味をもってもらえていると感じると、さらに話したくなるものです。表情や反応にも注意して、部下が自分からたくさん話してもらえるような関係を目指しましょう。
感謝を伝える
部下から意見や質問をもらったとき、ひと言「伝えてくれてありがとう」と感謝の言葉を伝えられていますか?考えや意見をもらったときなど、部下の小さなGiveに対して感謝を伝えるようにしましょう。
「ありがとう」のほかに、ポジティブな反応で感謝を伝えることもできます。
- そういう意見を聞きたかった!
- その視点には気付かなかった!
- いい質問だね!
「こんな意見でも、ちゃんと聞いてもらえるんだ」と感じるようになり、意見を伝えることが部下にとってポジティブな経験となります。
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まとめ:1on1を活用してチームの生産性を高めよう
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ここまでのおさらいです。
-
心理的安全性とは、上司やメンバーの反応を気にすることなく、気軽に自分の意見が言い合える。同時に、そのような行動をとっても「このチームなら大丈夫だ」と信じられる状態のこと
- 生産性の高いチームの共通点は、心理的安全性の高さ
- 部下の心理的安全性が高まる瞬間を知っておく
-
心理的安全性を高める4つのポイント
- ①なぜ1on1をするのか伝える
- ②部下の価値観を知る
- ③積極的に自己開示する
- ④感謝を伝える
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