営業組織の目指す先~セッション2~


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本記事とあわせて、営業力を高めるための新規開拓チェックリストをぜひご活用ください。新規開拓で生産性を向上させ、成果を高めるためのチェックリストです。営業パーソンや営業組織が持つべき基本的なスタンス、起こすべき行動から、実際の営業活動で実施すべき項目までまとめています。

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目次[非表示]

  1. 1.②どうやって勝ちパターンをつくるか
  2. 2.③モチベーションを維持し続けて目標達成をさせる方法
  3. 3.質疑応答
    1. 3.1.Q.営業マンや営業組織の成果を伸ばす為にエンゲージメント(働きがいややりがい)を高める事は重要だと思いますか?
    2. 3.2.Q. 予材が足りないことをマーケティング等他の部門など、他責にする人はどのようにマネジメントしていったらよいでしょうか?
    3. 3.3.Q. 成熟企業です。社内の共通認識として新規開拓があります。営業担当者が新規開拓を毎日一人あたり4件~5件架電していますが、先方に断られると、簡単に引いてしまったり、クロージングに持ち込めない等面談につながりません。どのようにしたら営業担当者(特にベテラン社員)の新規開拓の意欲やスキルをアップすることができるでしょうか?行動はしているのですが、なかなか魂が入らず悩んでおります。
    4. 3.4.Q.仮説構築力がないと訪問しても種まきができません。一方で仮説構築力の高さが営業成果につながっている感じがします。仮説構築力を高めるためにどのような指導をすればいいでしょうか?

セッション1はこちら


②どうやって勝ちパターンをつくるか

高橋
まず、勝ちパターンにおいて3つの誤解があると思っています。1つ目は、ハイパフォーマーの行動習慣を真似させようとすること。2つ目は、実際に発揮するべき場面よりも後の状況で認識されてしまうこと。これは要は、お客様との信頼関係を構築することが勝ちパターンだと思っている企業がとても多いんです。でも信頼関係を構築するためにはもっと前の行動が大きく関係してくるので、信頼関係が勝ちパターンだと思っている時点で遅いんですよね。そして3つ目は、アドバイスが指示の形で伝わってしまうということです。

そこでおすすめしているのが、マネージャーが「言葉にする」ということです。5W1Hで「どんな場面の、どのタイミングで、誰に対して、何を、どのように、なぜ」を伝えることが重要です。大事なことは、部下を直接見ているマネージャーがしっかりと自分の言葉で、指示というよりも上手くいかない人に対するヒントを伝えるということだと思っています。


ではどうやって言葉にするのかというと、接戦の振り返りが大事だと思っていまして、決着案件リストを持ってくるのが望ましいです。決着案件リストを持ってくる中で、昔からの自社のファンや箸にも棒にも掛からないリストは外して、接戦できるリストを見ながら、どこで決着をつけられるのか皆で話し合う時間がとても大事です。これを振り返った時に、ハイパフォーマーでなくてもできることや上手くいくコツが見えてきます。

今井
接戦の中で、上手くいったことや上手くいかなかったことの振り返りは、営業担当の声も取り入れながら作っていくイメージですか?

高橋
そうですね。ただ、マネージャーにお伝えしているのは、上手くいかなかったことに対して「なぜ」と責めるのではなく、「どういうことだったのか」事実を聞くということです。何が起こっていたのか、その事象を皆で理解したうえで、上手くいっていない人に対して良いアイデアを提供することが重要です。これが勝ちパターンの一つのエッセンスになります。

今井
たぶん、コロナになる前の接戦での勝ち・負けの決着理由とコロナ後の勝ち・負けの決着理由は若干変わっている可能性があるじゃないですか。なので、このタイミングで仕切り直して原因を解明しておくことは大事ですよね。



横山
弊社では、まず全体の塊を見て、どこに問題があるのか仮説を立てていきます。私たちは予材管理*の考え方なので、目標の2倍の予材をあらかじめ仕込んでおいて絶対目標達成をしています。ただし、この2倍という数字は事業スタイルや安定基盤の量によって変わってくるので、当然会社によって異なるんですけれども、適性予材規模をいかにキープしておくかというのが重要です。

ファネルやパイプラインなどいろいろな言い方がありますが、現場に入っていくとなかなかプロセス分解できないいろいろな営業活動があって、人によっても違ったり扱う商材やソリューションによっても違っていたりします。なので、まず目標の2倍の予材が仕込まれているかという大局観、いわゆる全体感をマネージャーが見るということが重要です。

そして、2倍に達していない場合は、お客様の情報収集が足りていない、マーケットの正しい分析ができていないなどの原因があるので、それを仮説立てていきます。

*参照:予材管理とは
https://www.yozai.biz/about_yozai/first-yozai/


③モチベーションを維持し続けて目標達成をさせる方法

横山
やはり達成癖をつけるということが重要だと思っていて、これは高橋さんの話と通じると思うんですよね。大量行動と言っても、達成できる行動量を設定して、自分で宣言させるんです。そして、それを本当にやり切ろうとすると、予想外に創意工夫が必要で難しくて、結局達成できなかったと言わせないようにするんですね。

こうすることで、自分で考えるようになります。ですから、まずは自分で宣言したものをしっかり達成して、徐々に目標の階段を上っていくことが良いと思います。そうやって成功体験を積んでいって自信をつけて、思考停止にならないようにしていくということが重要です。


高橋
目標達成をするときによく起こりがちなことがあると思っていて、それは、現時点での達成率を伝えるということです。現時点での達成率だけを話題にすると、マネージャーからは「目標まで足りないから何とかしろ」という方向に行きがちなので、現時点での達成率だけではなくて、着眼点を工夫して伝えられると良いと思います。

それは、案件作成やフェーズアップ、重要フェーズのカテゴリ分析などです。さきほど決着案件の振り返りをするというお話をしましたが、それをカテゴリで見て良い勝ち方が増えているかどうかを分析するということです。これらの指標を見ていくと、前に進んでいることを示すことができるので、マネージャーが褒めることができるんですね。

お客様によくおすすめしているのが、弊社のフェーズアップ祭りというもので、とにかくフェーズアップされたらSlackに通知が飛んでくるようにしていまして、これを実施して盛り上げていくことで皆で前進しようという気概を持つようにしています。


ただ、お祭り騒ぎを起こした時に本当にそれをやって良いのか判断しなくてはいけないので、ラグビーボールを作るという名目で、やっていることと目標の達成率が相関しているかをチェックしています。

つまり、現時点での達成率だけではなくて、達成に向けた前進している行動をしっかり見てあげるということと、勝ちパターンがうまくいっているかどうかを見ていくことを併せてできると良いのではないかと思います。

今井
ありがとうございます。最後に、営業組織を動かそうとしているマネージャーや責任者の方々に向けて一言メッセージをいただければと思います。

高橋
コロナの影響で、営業に大きな変化があったと思います。去年は大変だったという声を多く聞きましたけれども、私は今こそ営業組織が会社を支えるタイミングではないかと思っています。

やはり営業は、世の中で何が起こっているのか、お客様に何が起こっているのかを一番早く掴める位置にいますし、お客様の目の前にいる人が会社のメッセージを伝える役目を持っているので、社長のメッセージよりも目の前の営業の言うことの方がお客様に響くということが結構あると思うんです。なので、これからは営業は自分たちの活動に確信と誇りを持てるようになっていく時がまさに来るのではないかなと思っています。

横山
精神論になってしまうんですけれども、高橋さんが営業が楽しく目標達成できたら良いというお話がありましたし、今井さんは日頃から”Sales is cool”「営業はかっこいい」という考え方を広めたいというお気持ちがあるように、私は絶対達成のコンサルなので、どうしても難しいと思われてしまう目標達成を「目標達成は簡単だ」と広めたいんですね。

売れないと思っている人って売れないじゃないですか。この人には売れないだろうな、この商品は売れないだろうな、この時期は売れないだろうなと思っていると、本当に売れなくなっていくんですよね。同じように、目標達成も難しいと思っていると難しくなっていってしまいます。勇気づける気持ちで言いますが、目標ぐらいは達成できます。大丈夫です。皆さんもぜひ絶対達成の習慣を身につけてください。


あわせてお読みください

本記事とあわせて、営業力を高めるための新規開拓チェックリストをぜひご活用ください。新規開拓で生産性を向上させ、成果を高めるためのチェックリストです。営業パーソンや営業組織が持つべき基本的なスタンス、起こすべき行動から、実際の営業活動で実施すべき項目までまとめています。

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質疑応答

Q.営業マンや営業組織の成果を伸ばす為にエンゲージメント(働きがいややりがい)を高める事は重要だと思いますか?

A. エンゲージメントを高めることは重要です。ただし、注意すべきは、「直接にエンゲージメントを高めるというより、エンゲージメントの阻害要因になっているものを正しく特定すること」「まずは目標を達成すること」です。

エンゲージメントを高めること自体が目的化しないよう気をつけていきましょう。

※もしよろしければ、下記のツイートもご参照下さい。

(マネジャーの立場から)https://twitter.com/takahashikoichi/status/1265985441360035841

(若手の立場から)https://twitter.com/takahashikoichi/status/1317393880073916417


Q. 予材が足りないことをマーケティング等他の部門など、他責にする人はどのようにマネジメントしていったらよいでしょうか?

A. 質が低いのならともかく量が足りないのであれば、ご自身の責任以外の何物でもないです。質が悪くてもアイデア次第でいくらでも「予材管理シート」に書けますから。一方、量が担保できているのであれば、大事なことは、「なぜ予材が大事なのか」の文脈を伝え間違えないことです。予材は非常に重要な要素ですが、それ自体が営業の「目的」のように機能してしまうと、メンバーの目線が大事なところからずれてしまいます。

「目標への意味付け」を伝えることがとても大切です。

※もしよろしければ、下記のツイートもご参照下さい。

(目標達成のための方法論)https://twitter.com/takahashikoichi/status/1286468044236046336

(プロセス目標が目的化しないよう注意)https://twitter.com/takahashikoichi/status/1278309416635269122


Q. 成熟企業です。社内の共通認識として新規開拓があります。営業担当者が新規開拓を毎日一人あたり4件~5件架電していますが、先方に断られると、簡単に引いてしまったり、クロージングに持ち込めない等面談につながりません。どのようにしたら営業担当者(特にベテラン社員)の新規開拓の意欲やスキルをアップすることができるでしょうか?行動はしているのですが、なかなか魂が入らず悩んでおります。

A. 誰しも、「慣れていないくて、うまくできないこと」に対しては腰が及びがちです。したがって、「うまくできないことをなんとか無理にやらせよう」とするより、組織全体で「壁の乗り越え方を学習する」というスタイルで物事を進めていくことをお勧めします。

ちなみに新規開拓が仕事なら「意欲」は関係がないと思っています。企業の生産性が低いのは、問題設定力が低いからだと考えています。問題ではないことを問題だと定義してしまうと、そこに人の意識と労力が向きます。「スキル」も重要でしょうが、そもそもどこのお客様(マーケット)に対して、どのようなメッセージを、どのメディアを使って届けるか(3M)、ここの精度が高いかどうかのほうが気になります。個人の意欲やスキル以前に。

※もしよろしければ、下記のツイートもご参照下さい。

(入り口段階で「お客様が本当に求めていることは何なのか」を探る)https://twitter.com/takahashikoichi/status/1306938291296456705

(お客様が競合他社のサービスを長年使われているケースにおける新規開拓)
https://twitter.com/takahashikoichi/status/1313600446271877120


Q.仮説構築力がないと訪問しても種まきができません。一方で仮説構築力の高さが営業成果につながっている感じがします。仮説構築力を高めるためにどのような指導をすればいいでしょうか?

 A. 多くの営業マネジャーは、若手の「頭の中」に対して働きかけようとしがちです。しかし、これでは、コツがつかめない若手との間で、「禅問答」的な指導が繰り返されることになります。見るべきは頭の中ではなく、「具体的なアウトプット」をもとに指導を行うことがポイントです。

ただ、コンサルタントとしてロジカルシンキングの研修は受けますが、仮説構築力はまさに「能力」であり「技術」であるので、学べば学ぶほど簡単に身につくものではないと確信しています。上司も部下も、一緒に外部機関などを利用してしっかり学ぶのがいいでしょう。にわか仕込みの仮説構築力では、正しい仮説を立てることは難しいです。

※もしよろしければ、下記のツイートもご参照下さい。

(仮説が立てられない若手営業をどう育てるか)https://twitter.com/takahashikoichi/status/1261534543284060161

(「お客様側の次工程に必要そうなもの」を仮説ベースで提示する)https://twitter.com/takahashikoichi/status/1279760989324406785

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