決裁確認は「ヒト」ではく「コト」を聞け

決裁確認は「ヒト」ではく「コト」を聞け

今の時代は便利で不便です。

壮大な矛盾から始まりましたが、私たちは営業でもマーケティングでも、インターネットで検索すれば必要な情報にすぐアクセスできるようになりました。最近ではChatGPTをはじめとする、生成AIで対話をすれば相応の回答をAIが代替してくれます。

一方で、情報へのアクセスが簡単すぎる問題があります。ひとつの情報を得ようとしても、さまざまなアンサー記事がヒットしてしまうため、「何が正しいのか」正解を見抜く力と解釈が読み手側に求められるのです。

こうしたアクセスできる情報の多くは、

・執筆者の成功体験や経験に基づいて書かれている
・世の中の情報の寄せ集めである

こうしたケースが多いため、「手法をそのまま持ち出しても」うまくいかなかったり、ミスリードを起こしてしまう可能性があります。手法を取り入れる際は「なぜそれがその場面で重要なのか」という「背景・理由・根拠・前提」とセットで覚えることが大切です。

さて、前置きが長くなりましたが、今日は『営業の世界では「これをやるべき」と思われているが、実はそのまま取り入れると盛大な間違えを起こしてしまう営業の誤解』を厳選してご紹介します。

今回のテーマは「決裁者確認」についてです。

目次[非表示]

  1. 1.決裁者を確認せよ
    1. 1.1.誤解1:決裁者を把握できれば受注率は上がる
    2. 1.2.誤解2:決裁者は誰かストレートに聞いて確認する
    3. 1.3.誤解3:とにかく決裁「者」の把握が重要
  2. 2.最後にお知らせ

営業研修/株式会社セレブリックス

決裁者を確認せよ

誤解1:決裁者を把握できれば受注率は上がる

営業の世界に身を置く人であれば、上司・本・ネットなどから、一度は目・耳にしたことがあるのが、「営業活動において決裁者を確認せよ」といったメッセージがある筈です。

先に伝えておくと、これ自体は正しいのです。

営業活動において、最終決裁者や決裁者に進言できるキーパーソンが誰なのかは抑えておきたいところです。しかし、厳密には「知ったところで受注率が上がる」訳ではありません。決裁者の意思決定における懸念事項や反論等を未然に対策することによって、受注率が高まるのです。

誤解1:決裁者を把握できれば受注率は上がる


誤解2:決裁者は誰かストレートに聞いて確認する

決裁者の確認をする際に、果たしてストレートに聞くことが本当に良いのでしょうか?実際に私の考えをツイートしてみたところ、大変多くの反響をいただきました。


お客様に嫌われるお下品なトーク集はコレ

・決裁権はどなたがお持ちですか
・○○様は決裁権がありますか
・決裁権のある人に会えますか

もちろん、営業として決裁者は把握はしたい。
この場合、「誰」ではなく「流れ」に焦点を当てるといい↓
・導入を決める流れはどのようになりますか。
・過去、こうした商品の意思決定は、どのようなプロセスで決められましたか。

焦点が人でなくなると、お客様にも嫌な思いをさせません。あとは会話の中で、「意思決定に向けてどなた様と相談されますか?」「最後の意思決定はどんな場面でされますか?」と聞いていけば良いと思います。


いかがでしょうか?

このように、「誰」に焦点を当てて決裁者確認をすると「お客様はイラっとしてしまう」可能性があります。

そこで決裁者確認をする際の前提としては、

・最低限の信用、信頼関係が維持されていること
・そもそも目の前のお客様が導入に関心があること
・決裁の方法や流れを確認すること
・その上で登場人物を把握すること

こうしたシチュエーションが重要になります。

誤解2:決裁者は誰かストレートに聞いて確認する


誤解3:とにかく決裁「者」の把握が重要

続いて少し視点を変えてみましょう。

そもそもBtoB営業の場合で考えてみると、最終決裁「者」(サインする人)よりも、決裁の「場」を把握してサポートする方が大切だったりします。

キーパーソンは最終決裁者から承認を得るために、

・会議
・メールやチャット
・稟議書
・直接対話

等で「導入しようと考えている…」という提案や議論を交わす場があるはずです。その場面を想定して対策を図らないと、受注率を上げるためフォローはできません。

決裁された後に覆すのは困難です。
私たちが把握すべきは、最終決裁者に提案・上申する場面なのです。

誤解3:とにかく決裁「者」の把握が重要


以上です。

今回は、営業活動の誤解(決裁者確認は必要か?)をお届けいたしました。

繰り返しになりますが、情報やノウハウは「背景・理由・根拠・前提」とセットで学ばない
と使い方を間違えてしまいます。

また、そうしたお客様の社内検討をフォローするために、できれば意思決定者と商談したい…という気持ちは変わりません。そうした場合にどんな会話を交わすと良いのか、一例をまとめたコラムも書いていますので、是非ご覧ください。

※本コラムが参考になったという場合は、SNSや社内でシェアいただけると嬉しいです!

営業コンサルティング サービス資料/株式会社セレブリックス


最後にお知らせ

最後に当社のPRになってしまいますが、こうした営業活動の技術や手法を、背景とセットでトレーニングするメニューを用意しています。皆さんの組織に取り入れるかどうかは先の話として、どのようなプログラムなのかご興味があればお気軽にお問い合わせください。

①セールスイズ著者による企業内講演・セミナー
②セールスイズを実装させる営業研修プログラム
③御社ならではの営業メソッドを作るお手伝い
④営業ロープレを中心とした、コンサルティングセールスを徹底的に定着させる実績研修プログラム


執筆者プロフィール

セレブリックス今井晶也



執行役員 カンパニーCMO /セールスエバンジェリスト

株式会社セレブリックスのセールスエバンジェリストとして、法人営業に関する研究、執筆、基調講演等を全国で行う。2021年8月には “Sales is 科学的に「成果をコントロールする」営業術” を扶桑社より出版。営業本のベストセラーとして累計出版数が5万部を超える。

2022年7月には単著二作目として “お客様が教えてくれた「されたい」営業” を出版。現在は執行役員 CMOと新規事業開発の責任者を兼任。管掌するプロダクトとして営業コミュニティのYEALE、営業専門の人材紹介のSQiL Career Agent、日本最大級の営業エンターテイメントJapan Sales Collectionなどがある。

Everything DiSCの認定トレーナーであり、専門は営業、プレゼンテーション、コミュニケーションスタイルと多岐に渡る。


営業チェックリスト

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