リーダーシップ能力がわかる、PM理論とは

優秀な人材を確保できるかが会社の未来を決めると言っても過言ではありません。しかし、誤ったリーダーシップや統率をしていると、有能な人材ほど離れてしまう可能性が高くなる傾向にあるといわれています。人材を維持するために大切なのは、部下や従業員からどれだけ人望を集め、なおかつ従業員たちが長く働きたいと思えるような環境を作り上げることです。

そうした集団維持のために活用できるリーダーシップの考え方のひとつに「PM理論」というものがあります。今回のコラムでは、集団維持やリーダーシップに役立つPM理論とその活用法について詳しくご紹介いたします。


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目次[非表示]

  1. 1.PM理論とは
  2. 2.PM理論における4つのリーダーシップ
    1. 2.1.pmタイプ
    2. 2.2.Pmタイプ
    3. 2.3.pMタイプ
    4. 2.4.PMタイプ
  3. 3.目標達成能力と集団維持能力を向上させるポイント
    1. 3.1.目標達成能力を向上する方法
      1. 3.1.1.①チーム全体の情報・目標を共有させる
      2. 3.1.2.②成約率や成果達成率を意識させる
    2. 3.2.集団維持能力を向上する方法
      1. 3.2.1.①部下との定期的な面談を設ける
      2. 3.2.2.②リーダーとしての信頼を集める
  4. 4.優れたリーダーの特徴4つ
    1. 4.1.優れた観察力と洞察力
    2. 4.2.部下やメンバーへの配慮ができる
    3. 4.3.自らが率先して行動する
    4. 4.4.柔軟性のある思考
  5. 5.まとめ

コラム監修 今井晶也

PM理論とは

PM理論とは、心理学者である【三隅二不二】が編み出した『リーダーシップ機能を類型化するための理論』です。目には見えないリーダーの能力と影響力を科学的に分析する方法であり、現在の会社経営やチームの運営にも活用できる理論となります。

特に、チームをまとめる管理職や役職に立っているリーダーには、知っておいてほしいポイントです。PM理論を軸に理想的なリーダーシップを行えば、その組織にとって最適とも言える状況ができあがります。


PM理論における4つのリーダーシップ

PM理論には、大きく分けて4つのリーダータイプがあります。目的達成能力と集団維持能力の大小とバランスによって、リーダーシップの方向性が決まると言う考え方です。

PM理論では、大文字と小文字のPとMの組み合わせでリーダータイプが分類されます。

目的達成能力=P機能
集団維持能力=M機能

それぞれのリーダーシップ類型と組み合わせは以下の通りです。


pmタイプ

目的達成能力と集団維持能力の両方が低いリーダータイプです。
集団として目標を達成する能力がなく、なおかつ集団を統率する能力も低いため、管理者としては事実上リーダー失格といえます。PM理論においては、もっとも望ましくないリーダータイプです。


Pmタイプ

目標達成能力は高いが、集団の統率能力は低いリーダータイプです。
毎月のノルマに対して、ストイックに成果を出そうとするリーダーがこのタイプとなります。目標を達成させる能力は非常に高いため生産性が高く成果は出せる一方で、集団から反感や不満が生まれやすく、なかなか人が残らないと言う短所も持ち合わせているタイプです。


pMタイプ

集団をまとめる能力が高い反面、目標を達成させる能力は低いタイプです。
集団やグループを「まとめる」「維持する」ことには優れていますが、組織で仕事を達成すると言う面においては劣るリーダーとなります。


PMタイプ

目的達成能力と集団維持能力両方がバランスよく備わっているリーダータイプです。
組織の中で最も理想的な統率者であり、チームや会社がうまく回転するためには、必要不可欠な存在となります。しかし、実際の現場ではPM理論がそのまま適用できるわけではありません。

社内環境や従業員の数など、さまざまな要因で求められるリーダーシップが異なってくるからです。では、PM理論を実際の会社内で活用する場合、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょう。ここから目標達成能力と集団維持能力を高めるためのコツについてご紹介いたします。


目標達成能力と集団維持能力を向上させるポイント

営業職など数字を追う職種に関しては、毎月の目標を達成すると言う事は非常に重要なミッションです。同時に営業チームリーダーなど、営業パーソンを管理統率する立場の人にとっては、集団を維持するための行動も重要になってきます。

経験によって培われる部分も多いですが、それぞれの能力を効率よく向上させるためのポイントをご紹介いたします。


目標達成能力を向上する方法

目標達成能力を向上すると言う事は、案件や業務の成果やノルマを達成させるマネジメントが中心となります。


①チーム全体の情報・目標を共有させる

チームの目標を高確率で達成させるためには、具体的な目標設定やチーム進捗の周知、目標達成に向けた必要な手順設定の共有など、様々なことを意識しなければなりません。ビジネスで目標を達成するためにはごく一般的なことではありますが、意外と明確な目標達成の戦略やスケジュールを立てられていないケースも多いのです。

「今月中に売上●円を達成する」といった数字的な目標が設定されていても、そのために必要な行動やチームとしての意識づけがマネジメントされていないと、目標を達成するのは難しいでしょう。またメンバーそれぞれの進捗状況やトラブルなど、社内で誰が何をやっているかを常に把握できる環境であれば、チーム全体の業務進行率を向上させることができます。


②成約率や成果達成率を意識させる

業務の改善効率化をはじめ、営業職であればアポ率・成約率を底上げするための指導などもその1つです。部下やチームメンバーが成果を出せず悩んでいるようであれば、個別にロールプレイングや指導を行い、それぞれの商談成約率を上げていきましょう。

個別の成功率はもちろん、チーム全体の達成率や成果率なども意識させることで、より高い目標達成が期待できます。


集団維持能力を向上する方法

チームのミッションを達成させるのが、リーダーとしての目標達成能力です。どれだけチームや部下を強くできるのかというのが結論ですが、それだけで組織を運営していくのは難しいでしょう。チーム全体の士気や雰囲気、社員同士の人間関係など目標達成とは違う側面のマネジメントも必要になるからです。このようなチームマネジメントは、次の集団維持能力の分類となります。

グループをまとめる統率力は、仕事の進行や成果ではなく、リーダーとして会社メンバー同士の人間関係や結束をどれだけ固められるかが問われるポイントです。目標達成能力が高くても、集団維持能力が足りなければメンバーの入れ替わりが頻繁に起こる組織になってしまいます。


①部下との定期的な面談を設ける

従業員や部下はそれぞれが個別のスキルや考えを持っており、組織に対する意見や不満もさまざまです。リーダーや組織の方針に対して、言いたいことがある人材もいるでしょう。そのような周囲の声にも耳を傾け、しっかりと汲み取ることでリーダーとしての信頼が得られると同時に、各メンバーが納得して働けるチームができあがります。

集団の中では意見を出しづらいという部下もいるため、上司であるリーダーが個別にマンツーマンで話すことが大切です。


②リーダーとしての信頼を集める

どんな会社でも部下が上司や経営者に対して不信感を持っていると、その組織の維持は非常に困難になります。組織のリーダーとして活躍するためには、メンバーからの信頼が必要不可欠なのです。これはリーダーシップであると同時に、集団維持能力でもあります。

部下やメンバーから信頼されるリーダーになるには、仕事・人柄の双方で認められなければなりません。具体的な方法はケースバイケースですが、ここまでのPM理論を踏まえて、組織やチームにとって求められる理想的なリーダーのポイントについても触れておきましょう。


優れたリーダーの特徴4つ

優れた観察力と洞察力

リーダーというとメンバーを引っ張っていくというイメージがあるかもしれません。しかし、実際には部下に裁量を与えて成長を見守るというケースが多いです。ときにはメンバーの問題点を指摘し、成長できるよう促すのもリーダーの役割となります。

的確な指導や指摘を行うには、日頃から部下の働きや仕事のやり方をしっかりと観察し、その本質を見抜く洞察が必要です。ただ間違いを指摘するのではなく、部下のモチベーションを下げないよう注意しながら、最適なタイミングで指導しなければなりません。

自身であれば簡単にできることでも、他人に教えるとなれば勝手が変わってきます。優れた営業パーソンが、必ずしも優れたリーダーや管理者に向いていると限らないのは、上記のような理由があるためです。


部下やメンバーへの配慮ができる

組織として売上をあげるだけであれば、優れた人材を揃えるだけでも問題ありません。しかし、そのような組織を維持するためには、リーダーが部下や従業員に対して十分な配慮を行う必要があります。メンバー同士の親睦を深めるきっかけ作りや、経験を積ませるためのチャンスを与えるなど、数字では分からない部分のマネジメントが重要になってくるのです。

PM理論のM機能が働くポイントなので、成果以外の部分でどのように部下と接するか。チームをまとめるなかでもっとも難しいところかも知れません。


自らが率先して行動する

何か新しい取り組みや事業を行うときは、リーダーが自ら率先して行動を起こすことが大切です。部下の仕事に対する意識は、そのような状況で自分たちのリーダーがどう動くかによって左右されてきます。

部下に命じるだけで自身は何もしないリーダーは、いずれ信頼を失くしてしまうかもしれません。一方でどのようなときも率先して行動するリーダーには、部下も安心してついていくことができます。今では大手になっている会社経営者の多くも、起業当初は自ら現場に立って業務を行っていたというケースが多いです。


柔軟性のある思考

常に現場で働く部下や従業員は、それぞれが色々なことを考えて働いています。なかには前例のない意見をはじめとする、大胆な業務改善案が出てくるときもあるでしょう。そんなとき、自身の経験から頑なに否定しまうリーダーも少なくありません。しかし、ビジネスでは同業他社との競争に勝つためにも、常に新しい手法を探し続ける必要があります。

部下も会社をよくするために改善案や意見を出しているので、リーダーは自身の実績にこだわり過ぎず、前例のない意見にも柔軟に耳を傾けることが大切です。


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まとめ

リーダーをタイプ別に分類するPM理論には、組織を運営していくなかでとても大切な要素が多く含まれています。仕事面・人間関係の両側面から、チームを結束するリーダーになるための参考にしていただければ幸いです。

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