バリュー・ベース・セリング~価値提供で顧客と良好な関係構築を実現する方法~

 

 

営業パーソンは顧客を好いているかもしれませんが、その思いが相互的であるか考えたことはありますか?

営業はいち早く商品の説明をしたいと思っていますが、見込み顧客は今すぐ提案を受けたいとは思っていないことが多いでしょう。

B2Bセールスは、大規模な予算をかけて大量の新規顧客を獲得する手法ではなく、既存顧客や見込み顧客に焦点を当て、カスタマイズ性の高い顧客体験を提供することが大切になってきています。

そこで重要な戦術が、「バリュー・ベース・セリング(value-based selling)」です。
今回は、バリュー・ベース・セリングを始めるために役立つヒントを集めてみました。

 

<目次>

  1. バリュー・ベース・セリングとは
  2. バリュー・ベース・セリングの5つのヒント

       2.1. 見込み顧客を知る
           2.2. 質問する
           2.3. 買う理由を提示する
           2.4. 顧客にとって、セールスパーソンではなく医者になる
           2.5. 毎回の交流において価値を提供する

      3. まとめ

 

 

1. バリュー・ベース・セリングとは

見込み顧客は毎日、ニーズのない営業をメールや電話により受けています。誰しも何かを強制されているようには感じたくないものですよね。それにもかかわらず、ほとんどの営業パーソンは顧客に対して強引な戦術を使い続けているのです。

もちろん、営業パーソンの最終的な目標は「売る」ことに変わりありません。ただ、営業で成功するための鍵は、競合他社との差別化を図ることであり、すなわち競合よりも大きな価値を提供すれば、顧客との長期的且つ信頼できる関係を築くことができるのです。

商品を検討する際、顧客は主な決定要因の一つとして価格を重視しますが、それ以上に重要なのが、購入からどれだけの価値を得られるかということです

バリュー・ベース・セリングは、見込み顧客が商品の価格に疑問を持っている場合や、販売サイクルが長すぎると感じている場合に、価値を感じてもらいやすくするテクニックです。

このテクニックを活用することで、見込み顧客の注意を、価格やコストからビジネス上のやり取りや商品の価値に向けることができ、見込み顧客と営業パーソン両者の利益につなげることができます。

では、価値とは何でしょう?ウォーレン・バフェット氏の言葉を借りれば、「価格とは、何かを買うときに支払うもの。価値とは、何かを買うときに手に入れるもの」です。しかし、価値を定量化するのは難しいため、商談や営業活動ではほとんど言及されていないのが現状です。

バリュー・ベース・セリングとは、この抽象的な変数に焦点を当て、顧客への価値提供に注力することを指します。生産性の向上、収益増加の実現など、顧客の目標達成に役立つ商品であることを示すのが重要なポイントになります。

このバリュー・ベース・セリングを実現するための5つのヒントをご紹介します。

2. バリュー・ベース・セリングの5つのヒント

2.1.見込み顧客を知る

見込み顧客を知らずして価値を提供することはできません。多くの営業担当者は、販売するために多大な時間を費やしていますが、見込み顧客がどんな人なのかを理解するためにはほとんど時間と労力を割きません。

見込み顧客が誰なのかをより深く知っておくことは、高い成果につながります。具体的には、見込み顧客に精通しておくことで顧客の問題や課題を特定でき、自社のソリューションが顧客をどのように良い方向へ且つ最小限のリスクで導けるかを把握できます。

見込み顧客は、営業パーソンがなぜ自身に連絡してくるのかをわかっています。そのため、営業パーソンはコンタクトを取る前にできる限り顧客のことを調べておくことが重要です。見込み顧客をリサーチする際には、業界、背景、現在の悩みを理解することを目指しましょう。見込み顧客との会話の準備をするために、以下の情報を集めてみると良いでしょう。

会社のウェブサイトとソーシャルメディア:会社のウェブサイトでは会社のニュース、商品の最新情報について、ソーシャルメディア上では見込み顧客のエンゲージメントを知ることができます。

現在の役割、職歴、経験:これらの情報があれば、より個別化してアプロ―チでき、見込み顧客が商品を買うことによって得られるメリットを訴求できます。

共通のつながり:もしSNSなどでのつながりがあれば、営業パーソンと見込み顧客の間にさらなる信頼関係を築くことができるでしょう。

2.2 質問する

成功している営業パーソンは、見込み顧客が実際に何を求めているのかを知るために、具体的な質問をしています。見込み顧客が何を必要としているのかを詳しく話せる環境を作ることで、2つの大きなメリットを得ることができます。

①見込み顧客の状況把握をすることで信頼の醸成につながる

②営業の提案がどれだけの価値があるかを見込み顧客に示しやすくなる

見込み顧客や既存顧客は基本的に話を聞いてもらいたいと思っているので、質問をすることは、営業パーソンが顧客を支援したいと思っていることを顧客に伝える最良の方法です。

しかし、顧客にいきなり「御社の課題は何ですか?」と質問をしても、顧客は答えるのに躊躇してしまいますし、顧客自身も正確な課題を把握していない可能性があります。

そこで、たとえば下記のような質問や会話を意識すると、顧客との距離が縮まり、本音や正確な課題が聞き出しやすくなるでしょう。

オープンクエスチョンを活用する:単純に「はい」「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンだけではなく、あえて説明を必要とするような質問を投げかけることで、会話が広がります。

小話をする:内向的な人は世間話が苦手かもしれませんが、見込み顧客との信頼関係を築くために強力な手段になることは否定できません。たとえば、顧客の仕事上の興味関心事や責務について聞いてみたり、計画しているイベントや参加するイベントの予定などを聞いてみたりするのも効果的です。

親近感を持たせて伝える:営業パーソンにとって、見込み顧客には、信頼できるアドバイザーからアドバイスを受けているように感じてもらいたいものです。そこで、営業パーソンの人柄と親近感を持たせるために、友人に伝えるような感覚でコンテンツや情報を提供すると良いでしょう。

2.3. 買う理由を提示する

商品が顧客にとって価値のあるものである理由を理解し腑に落とすことで、顧客は積極的に商品を購入し、取引する機会を増やすことができます。

1970年代、ハーバード大学の心理学者エレン・ランガー氏は、人々が何をもって要求に同意するのかを発見しようと実験を行いました。ランガーの学生たちは、コピー機を使うために並んでいる人たちに列に割り込んで良いか、3つの異なる要求をしてもらいました。

①「先にコピーをとらせてもらえませんか」

②「急いでいるので、先にコピーをとらせてもらえませんか」

③「コピーを取らなければいけないので、先にコピーをとらせていただけませんか」

単純な要求である①は60%の確率で承諾されましたが、「急いでいるので」という理由を添えた②の場合では、94%もの承諾率に至ったのです。一方、「コピーを取らなければいけないので」という、列に割り込んで良い理由として成立しない③の場合でも、承諾率は93%でした。

これは、依頼に理由を与えると、どんな要求も受け入れられやすくなることを証明しています。人間は生まれつき「なぜ、コピーをとりたいのか」と原因や要因を探す素質があるということです。

営業に当てはめて考えてみましょう。

商品が、自社の問題の解決策となる理由を顧客自身が理解するためには、まずは営業パーソンがその理由を理解し、明確に説明できる必要があります

たとえば、下記のような項目を確認し、顧客が商品に価値を見出す理由を探ってみるのも良いでしょう。

①その商品は、顧客の仕事の生産性を向上させるように設計されているか?

②顧客が商品に慣れ、早く使いこなせるようになるために、無料デモンストレーションやトレーニングサービスを提供しているか?

③顧客の工数削減のために、無料の自動アップデートはされるようになっているか?

提供する商品の差別化要因が何であれ、それが顧客のニーズに合致しているのであれば、これらのポイントを営業での会話に使っていきましょう。

2.4. 顧客にとって、セールスパーソンではなく医者になる

バリュー・ベース・セリングを実施する際、営業パーソンは顧客と意味のあるコンタクトを取る必要があります。そこで、顧客の痛みを癒すようなアプローチを取ると、営業パーソンは顧客が自社の問題から解放されるための導線的な存在になれます。そのためのポイントは3つあります。

営業パーソンが実際に解決しようとしている問題は何かを考えましょう。

営業パーソンの会話が顧客の心に響くためには、商品の紹介や会社の自慢ではなく、顧客の具体的なニーズを満たすことが必要です。商品の機能を売るのではなく、メリットをもたらす価値を売りましょう。

顧客の日常生活に何が欠けているのかを探りましょう。

重要なのは、顧客の反応に耳を傾け、ニーズに合ったソリューションを提供することです。単にリサイクルされたセールスピッチを実行するのではなく、顧客の大きな課題は何かを把握することが重要です。

見込み顧客が商品に興味を持っていることを理解したら、デモを提供しましょう。

課題を解決するために顧客が取れそうな解決策を、有益で魅力的な方法で説明します。信頼が確立され、価値が証明されると、見込み顧客は商品を購入するための準備ができるでしょう。

2.5. 毎回の交流において価値を提供する

顧客とのすべての交流は意味のあるものである必要があります。信頼関係を築き、長期的でポジティブな体験を生み出すためにも、見込み顧客と関わるたびに付加価値をつけていきましょう。そうすることで、顧客は営業パーソンと対話するたびに、サポートされていると感じるようになります。

商品の販売について会話をするタイミングでなければ、有益な記事や彼らのビジネスに関連するコンテンツを共有するのも有効です。

たとえば、ソーシャルメディアでフォロワーにシェアを促したり、ウェビナーを開催したり、ビデオを撮影したり、インフォグラフィックを導入したりすることで、よりインタラクティブなコンテンツを作ることができます。このようなコンテンツに参加してもらい、積極的に関与してもらうことで、顧客からの関心を維持できるのです。

3. まとめ

今回は、バリュー・ベース・セリングに必要な5つのヒントについて解説しました。

営業活動をより生産的なものにするためには、バリュー・ベース・セリングを試してみる価値があります。この営業スタイルは、顧客に最大限の価値を提供し、その見返りとして最大限の利益を受けるという、顧客個人に合わせてコミットメントするものです。
顧客との有意義なつながりや相互理解を生み出すには時間と労力がかかりますが、営業活動の成功のためにこれらのテクニックを試し、ビジネスの成長を期待してみてください。

本記事は以下のサイトをもとに弊社で加筆させていただいています。

・SuperOffice. 7 B2B Growth Trends You Need to Know for 2021, 2 Nov. 2020,www.superoffice.com/blog/growth-trends.

・Patel, Sujan. “Value-Based Selling: What It Is and How To Do It.” Mailshake Sales & Marketing Blog, 5 Dec. 2020, mailshake.com/blog/value-based-selling.

・Nych, Liza. “Value-Based Selling — 5 Tips For You to Stand Out and Succeed.” NetHunt Blog, 9 Sept. 2020, nethunt.com/blog/value-based-selling-5-tips-to-succeed.

・Alfred, Lestraundra. “7 Key Principles of Value-Based Selling.” HubSpot Blog, blog.hubspot.com/sales/value-based-selling.

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