テレワーク購買モデル大研究〈セッション2(前編): 営業活動のリモートスタート!二極化するテレワーク時代で成果を出す営業組織とは?〉

2020年5月「テレワーク 購買モデル大研究」と題したイベントをオンラインで開催しました。アフターコロナの営業活動については様々な予想がされていますが、実際に国内外の傾向や消費動向はどうなっていくのでしょうか。

セッション2では、人材活用プラットフォーム「HRMOS(ハーモス)」を提供する株式会社ビズリーチ 茂野明彦氏、オンライン商談システム「ベルフェイス」を提供するベルフェイス株式会社 西山直樹氏、BtoBマーケティング支援サービスを提供するコニカミノルタジャパン株式会社 富家翔平氏の3名が、営業支援会社セレブリックスの今井をファシリテーターとし、リモートの営業で成果が二極化する時代の中で、成果を出す営業組織や営業パーソン一人ひとりの行動についてお話しいただきました。

Q&Aでは、セッション中にお答えできなかった質問の回答を掲載しています。


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本記事とあわせて、営業力を高めるための新規開拓チェックリストをぜひご活用ください。新規開拓で生産性を向上させ、成果を高めるためのチェックリストです。営業パーソンや営業組織が持つべき基本的なスタンス、起こすべき行動から、実際の営業活動で実施すべき項目までまとめています。

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目次[非表示]

  1. 1.1. コロナ禍の営業状況について
  2. 2.2. 選ばれるための3ヶ月
  3. 3.3. Q&A
    1. 3.1.Q. ベルフェイスの無料提供に至った背景、苦労話をお聞かせください。
    2. 3.2.Q. 信用創出のカギとなるのは、権威性や専門性以外に何かありますか?
    3. 3.3.Q. コンテンツとして何を作るかはどのようなステップで決めていますか?
    4. 3.4.Q. リードづくりで、コロナ禍ということで気を付けていることはありますか?


1. コロナ禍の営業状況について

今井

コロナ禍で営業は変わったのか、今どのように営業をやっているのか、といったところをご説明いただきたいと思います。

西山

我々は5月末までサービスを無料提供しているので、営業のやり方そのものが大きく変わりました。もちろん試しに登録していただいて終わりではないので、営業もカスタマーサクセスも、お客様の導入支援に徹底的に回っています。中長期的に見た時にご支援そのものが営業活動につながっていく、というスタイルに変わりましたね。

今井

では、今はほとんどインバウンドですか?

西山

100%インバウンドですね。営業はしていませんが、ご登録いただいたお客様への使い方のレクチャーや、必要であれば有料契約後の金額のご案内をするための商談は行なっています。これまでの月間商談数は多くても600件でしたが、今は3,000件まで増えているので、それだけ皆さんは困っていて、なんとかして訪問しない営業にシフトしなければと思っているのだろうなと感じています。

今まではほとんどの業界で訪問することが当たり前で、非対面が非常識だと言われる風潮が圧倒的に強かったんですが、この2ヶ月で訪問することが非常識になり、風向きが真逆になりましたよね。

富家

弊社は50年、複合機をアナログで売ってきたような会社なのですが、緊急事態宣言が出てから初めの2週間は営業活動が一旦止まりましたね。お客様側のITリテラシーによって止まらざるを得なかったり、セキュリティの関係で他社とのオンライン会議はできないと一方的に断られたり、といった状況が続きました。今では、ZoomやTeams、ベルフェイスなどのツールが浸透し、4月からの1ヶ月で、アナログ企業の弊社でもようやく訪問が当たり前ではなくなりました。

今井

コニカミノルタさんでは、今もアウトバウンド営業は実施していますか?

富家

一部実施していますが、今は代表電話にかけても繋がらない状態になってしまっているので、コミュニケーションはメールに置き換えています。

今井

過去に接点を持った情報に対するメール送付や、ウェビナーなどで獲得したリードに対して商談をしていくといったイメージですね。茂野さんはいかがですか?

茂野

代表電話へのコンタクト率は非常に下がっていますね。その代わり携帯電話へのご連絡やメールベースのコミュニケーションは増えました。ただ、これは本質的にはコミュニケーションにおける顧客のニーズが変化しただけなので、それに合わせて粛々と対応するまでだと思います。コミュニケーションでも顧客との関係性や信頼感を醸成していくことが、今までよりも際立って大事になってくると思います。

今井

ちなみに、今の営業状況で課題になっていることや苦戦していることはありますか?

西山

今期から「エンタープライズグループ」という組織を新設して、誰もが知る国内の超大手企業をこちらから狙っていく営業を始めました。この動きは前期から試験的に実施していて、セールスフォースさんの真似をしてお手紙を送っていたんですが、この施策が面白いように成果が出ていたので、今期から本格的に取り組んでいこうとしていたんです。ただ、今は積極的なアウトバウンド営業ができる状況ではなくなり、この施策が全く使えなくなったので、エンタープライズ専属のマーケターをつけて、狙ったターゲットにアプローチしていく戦略を練っているところです。

富家

僕らはB2Bにおけるデジタルマーケティング推進も支援しているんですが、まさに現場で課題になっているのは、今までご挨拶目的でコミュニケーションを取っていた営業が、電話だけでアポを取り付けないといけなくなった今、ネタ探しに苦戦しているということですね。これまでの営業活動で、お客様の課題を想像した上で戦略的にアプローチが出来ていた人と出来ていなかった人の差が如実に顕在化していて、良いネタを探して、お客様の課題を解決するソリューションを提供することの難しさに直面していますね。

今井

あらゆる企業で、そういった二極化やネタを持ってくる方法に課題を抱えていると思うんですけど、上手い人と下手な人の差って何だと思いますか?

富家

実際に社内で紛糾した話があります。コロナウイルスの影響で、予定していた展示会が中止になってしまったケースが増えた中、創出したかったリードが無くなったらマーケターが困るはずだと考えたんです。そこで、マーケターに対して資料を付けてサービスを紹介してほしいと営業マンに頼んだら、一部の営業マンから「メールは送ったんですけど、返信がないんです」と言われたんです。そういう営業マンに対して「お客様用に一節アレンジした上でメールを書かないと、興味なんて持ってもらえないよ」なんて基礎的なアドバイスをしている一方で、できる営業マンは自分でアレンジして、送るタイミングや資料の枚数まで調整できていたので、そういうところに違いが出ているのかなとは感じます。

今井

そこはマネージャーの指揮命令のもと、やり方を統一していくフェーズにあるんですか?

富家

そうですね。メール送信数に対するアポイント数をベースに、なぜ返信がもらえなかったのかといった当たり前の振り返りを、現場で丁寧にやっていくしかないかなと思います。

今井

ありがとうございます。茂野さんはいかがですか?

茂野

今、お客様は判断が難しい状態なので、商談のリードタイムが長くなっていることが課題ですね。ベルフェイスなどのオンラインツールの導入や資金繰りなど、緊急性を要するものが多いので、そのようななかで、いつ頃判断できそうかをヒアリングして、判断できそうなタイミングで我々を第一想起していただける状況をどう作り出すか、を考えています。

西山

仰る通り、リードタイムって絶対に長くなると思うんですよね。ただ、「今決められないから、コロナが落ち着いたらまた話しましょう」と終話するのは営業として無責任じゃないですか。そんな中、コロナが落ち着く頃も見据えてどんなふうに商談をつないで、最後に着地させる設計をされているんですか?

茂野

まずは、導入の判断ができるようになる時期を明確にしていくことですね。それが3ヶ月後なのか半年後なのかによって全く違うと思います。ある程度明確にしたら、そこからは逆算します。3ヶ月後であれば、そのタイミングで連絡しても良いと思いますし、半年後であれば、それまでに接点をもつためのコンテンツが必要になってくると思います。お客様と会話をするためには常に有益な情報をアップデートし続けることが重要です。HRMOSのコミュニティはすべてオンライン化したので、コミュニティに参加していただいたり、業界業種に合わせて編集した資料をお渡ししたりもしています。

富家

茂野さんに質問なのですが、コロナの影響で、顧客から「今は完全に止まっているんです」と断られることが多いと思うんですが、これって言い訳にも使えるじゃないですか。その対策については、どんなふうに部下をマネジメントしているんですか?

茂野

僕は、「お客様の痛みを知ること」を伝えます。お客様がどのような状況下におかれているかを調べたり聞いたりすることが大切だと思います。お客様の状況を正しく把握するということは非常に重要ですね。

今井

「営業活動を推進していくために、送り届ける情報やコンテンツ作りで強化していることがあれば知りたい」という質問をいただいています。コンテンツ作りで工夫していることなどあれば、是非共有いただきたいと思います。

茂野

マーケティングの基本は、お客様の求めている情報を届けることだと思います。たとえば、今の時期に採用関連で皆さんが気になる情報として、オンライン面接はどのようにやるのか、必要なツールは何か、採用市場がどうなっているのか、リーマンショックの時代はどうだったのか、といったものが挙げられるので、そのようなコンテンツを提供して、コンテンツに対する反応も見ながら次に何を作るかを考えています。

富家

僕らは、営業現場で顧客に提案した内容や使った資料をTeams上のスレッドで社内共有し、その中で特に良かったものを汎用資料に反映させて資料の質を上げるということをやっています。さきほど話した、「お客様のネタがないからアポが取れない」という問題の対処法になるかもしれないので、地道に取り組んでいます。

今井

こんな時代だからこそ、営業現場には多くのヒントがあるんでしょうね。

西山さんはいかがですか?

西山

共通して物凄くコンバージョンが高いのは、当たり前ではありますが「成功事例」なんですよね。顧客の社名やインタビュー社員の写真、導入後のビフォーアフターなどが揃ったコンテンツというのはどんなお客様にも刺さりますし、近しい業界や規模であればあるほどより効果的なので、お客様のセグメントに分けて配信していくことが一番ですね。新規で積極的に営業するのが難しい今、必要とするコンテンツを作るネタをどれだけ持っているかが試されている気がしますし、こういう状況だからこそ今の顧客に向き合って深く入り込んでいくべきです。

今井

営業も、ついにコンテンツファーストの時代がやってくるんですね。このオンラインの環境だと、コミュニケーションだけで100%相手を信じられるかといったら正直厳しいじゃないですか。そうなった時に、狙っているターゲットに対して事例や近い業界の成功体験といった情報をいかに届けられるかが、信頼につながるんでしょうね。

2. 選ばれるための3ヶ月

今井

コロナの環境がしばらく続くとして、この3ヶ月間で営業組織が絶対に用意しておいた方が良いことがあるとしたらどんなものでしょうか。茂野さんいかがですか?

茂野

日々状況が変化する中で、目の前のお客様が実際に話してくださったことを一次情報として捉え続けることが大事だと思います。そのためには、今契約してくださっているお客様と、しっかり向き合い、そこからヒントをもらいながら、コンテンツを作ったり提案のストーリーをつくると良いと思います。

今井

お客様は、営業のされ方自体のニーズは変わっているけれども、営業されたくないというわけではないんですよね。営業はしないと経済が動かないので、この状況下だから営業しないで良いと勘違いして言い訳にしてはいけないですね。西山さんはいかがですか?

西山

コロナの影響で新たにターゲットとなった方々の成功事例を作って、新しい領域にプロダクトをマーケットフィットさせていくことは、今絶対にやるべきだと思います。たとえば弊社だと、これまではB2Bに特化した商談システムとして売り出していたんですが、今いただいているお問い合わせの半分くらいはB2Cのお客様なんですね。今までオールド営業で対面を必須としてきたような業界の方々が、オンラインツールをどんなシーンで使うべきなのか、どんな使い方をしていくべきなのかを考え、まずは一社でも成功事例を作って、それをコンテンツとして困っている方々に届けていくべきだと思っています。

富家

この状況だからこそデジタルマーケティングやインサイドセールスの立ち上げといったものを、是非前向きに考えてほしいと思います。状況が変わったことによって顧客の購買行動は確実に変わっているので、是非この3ヶ月の間でセミナーを聞いてみるなり、インサイドセールスからアポをもらって1時間商談してみるなりして、今までの固定観念を取り払って積極的に新しいことにチャレンジしてほしいなと思います。そして、営業組織やマーケ組織で活発に議論してほしいです。

セッション2<後編>はこちらから!


3. Q&A

Q. ベルフェイスの無料提供に至った背景、苦労話をお聞かせください。

A. 純粋にお役に立てれば、という思いのもとスタートさせましたが、想定の倍近くの申込みがきているため、今はセールスも完全に導入支援に集中しており、それでも人が足りない状況ですのでセレブリックスに20名程度外注しています。やはり営業といえばセレブリックスですね。(ベルフェイス株式会社)


Q. 信用創出のカギとなるのは、権威性や専門性以外に何かありますか?

A. 独自性と鮮度も重要なポイントだと思います。

コニカミノルタジャパンでは「自社でどんどんチャレンジしてわかったこと」を「自分たちの言葉」で「イチ早く伝えること」を意識してコンテンツを発信することを心掛けています!(コニカミノルタジャパン株式会社)


Q. コンテンツとして何を作るかはどのようなステップで決めていますか?

A. 顧客のニーズレベルを階層分けして、それぞれに興味を持っていただけるコンテンツ作りを意識しています。(ベルフェイス株式会社)


Q. リードづくりで、コロナ禍ということで気を付けていることはありますか?

A. コンテンツマーケティングに注力することです。ウェビナーと組み合わせて、内容を記事化あるいはホワイトペーパー化してお送りするなど、なるべく利用範囲を広げてコンテンツの価値を高めていくことを意識しています。(株式会社ビズリーチ)


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