営業トークの切り返しが上達する応酬話法のテクニック6選
応酬話法(おうしゅうわほう)とは、顧客の問いかけやネガティブな発言に対する「切り返し」や応対、それに関わるテクニックのことです。
架電や商談でうまく対応できない、話すときに緊張してしまいしどろもどろになってしまう…。そんな方は応酬話法のテクニックをぜひ習得してみてください。いくつかの「型」を覚えて事前に切り返しトークの準備をしておき、何度も実践することで緊張感は少なくなっていきます。今回は、営業トークに使える応酬話法のテクニックを6つご紹介します。
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目次[非表示]
- 1.応酬話法とは?
- 1.1.なぜ応酬話法が必要なのか
- 1.2.応酬話法の注意点
- 2.営業でよく使用する応酬話法のテクニック6選
- 2.1.1.肯定法(バックトラッキング)
- 2.2.2.Yes but法 イエス・バット法(逆転法)
- 2.3.3.イエス・セット法
- 2.4.4.例話法(引用法)
- 2.5.5.ブーメラン法
- 2.6.6.質問法
- 3.まとめ:応酬話法を活用して営業トークの苦手意識を克服しよう!
応酬話法とは?
顧客の問いかけやネガティブな発言に対する「切り返し」や応対、それに関わるテクニックのことを指します。応酬話法では、あらかじめ「対応内容を準備しておく」のがセオリーです。具体的には以下の2つを準備しておきましょう。
- よくある質問に対する回答(FAQ)
- ネガティブな理由や発言に対する切り返し集
営業活動の進み具合やフェーズに応じて、よくある質問やネガティブな発言の種類は異なります。あらゆる場面で対応できるようにトークスクリプトを用意しておくと良いでしょう。
なぜ応酬話法が必要なのか
特にPUSH型(BDR)のセールスの場合、お客様が「今まさに、導入を検討していた!待ってたよ!」という状態であることはなかなかありません。なぜなら、導入を検討しているのであればすでに問い合わせが来ている可能性が高いからです。
前提としてお客様はあなたの商品を導入しようと思っていない(少なくとも今までは導入意向がなかった)ところから商談がスタートします。当然、買う前提でなければ、お客様にとって買わない理由や今まで買おうとしなかった理由が存在するわけですし、その理由を払拭しないと「購入しよう」とはなりません。
そのような状況からお客様の購入動機を促すために、応酬話法が必要なのです。
応酬話法の注意点
切り返しは、伝え方によっては顧客を否定するようなメッセージになってしまうことがあるため注意しましょう。原則、顧客は「切り返されること」「覆されること」など、否定されることは想定していません。応酬話法のテクニックを用いて、顧客にとって受け入れやすい反論対策を取り入れていく必要があります。
営業でよく使用する応酬話法のテクニック6選
1.肯定法(バックトラッキング)
相手の発した言葉や気持ちをそのまま引用して、繰り返し発言するテクニックです。関係性構築に効果的な手法。ただ発言を繰り返すだけでなく、要約を加えることによりさらに効果が高まります。
例
・なるほど、○○ということですね・・・
・○○様は、○○と考えていらっしゃるのですね?
・つまり、○○については□□ということでよろしいでしょうか?
効果
・相手に「こちらの話を真摯に聞いてくれている」と感じてもらい、安心感を与える
・発言することへの抵抗感をなくし、お互いに話しやすい環境を作る
2.Yes but法 イエス・バット法(逆転法)
相手の言い分を一度「肯定」して受け止め、その上で反対意見を述べるテクニックです。「肯定→『しかし』→反対意見」を述べてネガティブな印象を覆すというプロセスをたどります。
例
・なるほど、たしかにそうですね。しかし・・・
・それは当然のことですね。ところがですね・・・
・おっしゃる通り○○ですね。ただ実は・・・
・私たちも○○様と同じことを考えていました。ですが・・・
効果
・反対意見であっても、まず素直に受け取ることによって、相手もこちらの意見を聞き入れてくれる
・相手の気持ちも逆撫でせずに、こちらの意見を相手に通す
3.イエス・セット法
あらかじめ「イエス」と答えるような質問を準備し、商談の早い段階でお客様にイエスを複数回(5回くらいが良いと言われる)言わせることで、いざ重要な質問をした際にイエスをもらいやすくなるというテクニックです。
人は心理的に、肯定を繰り返したコミュニケーションを図ることで心の距離感が縮まったように感じるものです。短い時間で相手に良い印象を抱いてもらうためにも活用すると良いでしょう。
例
営業「○○様は、▲▲のご責任者様でお間違いないでしょうか?」
お客様「はい、そうです」
営業「・・・▲▲では□□という課題がある企業様が多いのですが、御社でもそういったご状況はございますか?」
お客様「あー、ありますね」
営業「・・・であれば、□□の解決につながるお話ができるのですが、〇月〇日の●時~、お時間ご都合いかがでしょうか?」
お客様「はい、〇月〇日の●時であれば・・・」
効果
・心理的な壁を取り除き、イエスということへのハードルを下げる
・短時間で相手に良い印象を与え、コミュニケーションを円滑に進める
4.例話法(引用法)
例話法は上手く活用できれば、営業活動における不利な状態を、最も効果的に覆すことのできるキラートークになり得ます。まさに、切り返しトークの真髄といっても過言ではありません。
例話法とは、お客さまが発言する「ネガティブな言葉や断り文句」に対して例え話を展開し、提案する商品の導入に対するマイナスイメージを覆すことを目的とします。お客様のネガティブ理由に対して、『例えば~』から始まる応酬話法を展開するのです。
例
・なるほど、そういうご心配ですか。実は、こういうケースがございまして・・・
・○○様がおっしゃった点ですが、同じようなケースがございまして・・・
・例えば、●●というようなお悩みを、御社の同業界の企業様からお聞きするのですが・・・
効果
・提案する商品/サービスの導入に対するマイナスイメージを覆す
・具体的事例や定量情報によって、顧客の納得感や親近感を高める
5.ブーメラン法
顧客の主張を逆手にとってマイナスイメージをプラスに変えていくテクニックです。相手がマイナスな発言をした場合に、「だからこそ~」と切り返し、興味をもたせたり、断る理由をなくす方法です。そのあとに「なぜかというと~」と続けることで、なぜ重要なのかをより強く伝えることができます。
例
・●●だからこそ、ご案内させていただいています
・そういった方こそ、○○はおすすめです。なぜかというと~
・~であれば、むしろ○○のほうがいいです。なぜかというと~
効果
・相手のマイナスな思考をプラスにもっていくことができる
・相手が断る理由をなくし、こちらのペースに持ち込みやすい
6.質問法
お客さまの断り理由に対して、質問を返し、答えさせ、そのやり取りの中で攻略方法を見出す、ワンランク上の高度なテクニックです。ただ質問を返すだけでは時に相手に悪い印象を与えてしまいます。また、意図して質問を返す時には柔らかな物腰で切り込む配慮も必要です。
例
・なるほど、それは○○ということでしょうか?
・この点について、○○様はどう思われますか?
・ちなみに、以前から○○といったことはありましたか?
効果
・具体的な質問で、相手の発言の真意を確認する
・相手に考えるゆとりを与え、こちらと同じ土俵に立たせる
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本記事とあわせて、営業課題を発見できるフローチャートもご活用ください。「Yes/No」に答えるだけで本当の営業課題がわかるフローチャートです。「1分」で答えがわかります。営業活動をより良くしたい!そんな方はぜひご活用ください。
まとめ:応酬話法を活用して営業トークの苦手意識を克服しよう!
最後までお読みいただきありがとうございました!
ここまでのおさらいです。
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応酬話法とは?
顧客の問いかけやネガティブな発言に対する「切り返し」や応対、それに関わるテクニックのこと
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応酬話法の注意点
- 切り返しは、伝え方によっては顧客を否定するようなメッセージになってしまうことがあるため注意する
-
営業でよく使用する応酬話法のテクニック6選
- 1.肯定法(バックトラッキング)
- 2.Yes but法 イエス・バット法(逆転法)
- 3.イエス・セット法
- 4.例話法(引用法)
- 5.ブーメラン法
- 6.質問法