商談の沈黙を埋める「ムダな説明」が失注を生む?3つの改善策
商談中、「お客様の沈黙が怖い」と不安や焦りを感じたことはないでしょうか。
多くの若手営業は「自分の説明不足が原因だ」と思い、ついつい説明を付け足してしまいます。お客様のために、できるだけ多くの情報を届けられれば、良い反応がもらえるはずだと。しかし、それでも結果が変わらない。むしろ、お客様の反応が悪くなっている気さえする。もしそんな経験があるなら、一度立ち止まって考えてみてほしいことがあります。それは、「本当に説明不足が原因だったのか」ということです。
本記事では、商談を成功させるために「沈黙」を味方につけるべき理由と、実践すべき改善方法を3ステップでまとめています。これからの商談準備の参考になれば幸いです。
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本記事と合わせて、セレブリックスが実践する仮説構築の方法を解説した資料をご覧ください。商談における良い質問は、良い準備と情報から作られます。「シナリオの作り方がわからない」「HPを見るだけの準備になっている」「顧客に仮説がハマらない」など、仮説構築に課題を感じている方のためのノウハウをまとめています。ぜひご活用ください。
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なぜ営業はお客様との沈黙を恐れてしまうのか
営業を始めたばかりの頃ほど、自分の営業力に自信が持てず商談前に「失敗したらどうしよう」という不安が大きくなります。営業が上手くいかない人によくあるのが、こういった不安からくる「説明しすぎてしまう」という現象です。
この現象が起こる背景として、
①商談でお客様の沈黙が続く
②気まずくなり不安が加速する
③不安を取り除きたい
④沈黙を埋めるために説明を足してしまう
といった自己防衛による心理的な流れが考えられます。
また、リスクヘッジ的観点で、手厚く説明しておけば、後々「そんな話聞いてない」といったお客様とのトラブルを防ぎたいという思いからくるものでもあると思います。しかし、その行動自体が失注のリスクを招いてしまう可能性があるのです。
では、なぜ説明しすぎることが失注につながりやすくなるのか、その理由を3つご紹介します。
説明をしすぎると受注につながりにくい3つの理由

なぜ説明しすぎるという行動が失注につながりやすくなるのか、その理由は3つあります。
①伝えたいことがぼやける
②お客様が説明に対して違和感を覚えやすくなる
③断る理由が増えてしまう
それぞれ解説していきます。
理由①伝えたいことがぼやける
実はあなたが思っている以上にお客様は、一度に多くの情報を受け取ることができません。前提、何度も同じ内容を説明してきた営業と、はじめて説明を聞くお客様では情報格差があります。
お客様は初めて触れる情報を前に、自分の中で考える時間がほしくなります。その時間を営業が「沈黙」だと捉えて、さらに説明を足すとどうなるでしょうか。お客様からすると次々と情報量が増えてしまい頭の中で整理ができなくなってしまいます。
サービスについて細かく丁寧に説明することで「お客様もきっと理解してくれるはず!」そう思いたくなります。ですが、お客様からすると、説明料が増えるほど重要度の濃淡がつかなくなり、あなたが何を1番伝えたかったのかわからないまま商談が終わってしまうのです。
理由②お客様が説明に対して違和感を覚えやすくなる
忘れてはいけないのが、お客様は営業の一方的な説明を聞きたいわけではないということです。お客様が本当に知りたいのは、自分にとって価値のある話=「課題を解決できる情報」それだけなのです。
そのためあなたが、どれだけ素晴らしい情報だと思っていても、今の関心事と関係がなければ響きません。むしろ、お客様からすれば、興味のない話や聞いてもいない話を長々と説明されるとストレスが溜まります。
特に意図の見えない説明は、「なぜこの話をしているんだろう」という違和感につながることさえあります。そのため営業は説明する前に「ヒアリング」を行い、お客様にとって関心があることに焦点を当てなくてはなりません。
相手が何に困っているのか。何に興味を持っているのか。どんな判断基準を持っているのか。それを理解して初めて、伝えるべき情報が見えてきます。そうすればお客様は沈黙せずに自然と「質問」を返してくれます。
理由③断る理由が増えてしまう
もう一つ見落としがちなポイントがあります。それは、説明が増えるほど、お客様が一定反応してしまう「ネガティブな単語」に出会う確率も上がってしまうということです。
たとえば、余計な説明をしてしまった際に、お客様からの口から出てくる、「それはうちには関係ないですね」「その機能は使わないですね」「そこは今困っていないですね」といった反応です。
これは、営業が情報を出した瞬間に、お客様の脳内には"判断材料"ではなく"却下材料"が並ぶことがあるからです。営業としては親切心で話しているだけのはずが、結果的にお客様の「買わない理由」を作るきっかけなってしまうことがあります。だからこそ、伝える情報は多ければ良いわけではありません。
商談で失敗しないコツは「何を話さないか」
営業力というと、情報を知っていて「何でも話せる力」と思われがちです。
しかし実際に成果を上げている営業は、沈黙を恐れず「何を話さないか」を見極める力を持っています。ヒアリングを通してお客様が知りたい情報に答える。するとお客様から聞きたい情報が返ってくる。その質問に答える。そして、相手の状況に合わせて情報を加工するのです。
では実際に成果を出している営業は、「何を話さないか」をどのように見極めているのでしょうか。見極め力を養うには商談前の事前準備が大切です。
【体験談インタビュー】ムダな説明を減らす練習方法は?

今回はセレブリックスで商談経験のあるAさんとBさんに、ムダな説明を減らすために実施したことを聞いてみました。
方法①「1番伝えたいことを明確化した」
Aさんによると、まず始めたのは、商談において「お客様に何を一番伝えたいのか」という核心を徹底的に見つめ直すことだったそうです。伝えたいことがあれもこれもと絞り切れていない状態で商談に臨んでしまうと、途中でゴールを見失ってしまいます。結果としてお客様への具体的な訴求ができなくなり、受注から遠ざかる原因になっていたとAさんは振り返ります。
そうして「伝えることを1つ」に絞り込んだ後、Aさんがおすすめしてくれたのが、商談中にいつでも見られるようなメモを準備しておくことです。アピールしたい気持ちが先走り、余計な説明をしてしまうのを抑止できます。
あれこれと内容を詰め込むのではなく、あえて「1つ」に絞り込んでブレずに伝えること。そして、それを忘れないよう手元に準備しておくことこそが、お客様の心を動かす商談への第一歩と言えそうです。
| Aさん:商談中にシーンとなると不安になって、つい余計な話を付け足していました。でも、そんな時こそメモを見ることで、余計な説明をせずにグッと堪えられるようになりました。そうしたら、少しずつお客様の方から質問をしてくれるようになりました! |
方法②「上司と壁打ちして1ページ1メッセージを磨いた」
伝えたいことが明確になった次のステップとして、Aさんは上司への「壁打ち」を依頼していたそうです。
オンラインか訪問かを問わず、商談で資料を用いて説明する際は「1ページにつき1メッセージ」が基本となります。そのため、壁打ちを通して上司から「このページで一番伝えたいことは何か」と問いかけてもらい、お互いの認識がクリアになるまで繰り返し練習を重ねたと言います。
この壁打ちを徹底することによって、その説明が商談の中でしっかりと時間を割いてでも話すべき内容なのか、それともそうではないのかを見極める力が自然と養われていきます。
| Aさん:壁打ちをするまでは、全ページを丁寧に説明するのが正解だと思い込んでいたんです。でも、実は省略してもいいページがたくさんあることに気づけました。そのおかげで商談の流れがシンプルになって、今はスムーズに進められています! |
方法③「本番を想定したロープレで練習を重ねた」
Bさんによると、商談で一番伝えたいことがクリアになり、しっかりと言語化できるようになった段階で、今度は本番を想定したロールプレイング(ロープレ)を上司に依頼するのがおすすめだそうです。
この練習におけるポイントは、ただ通して行うのではなく、上司が「沈黙を無理やり破られた」と感じたり、「説明が長すぎる」と思ったりした瞬間に、その場でロープレを止めてもらうことです。そして、その都度「どのように感じたか」というリアルな印象をフィードバックしてもらいます。
ロープレはその場ですぐに具体的な改善点をもらえるため、商談の質を磨き上げるPDCAサイクルを素早く回す上で有効な手段となります。
| Bさん:ロープレを繰り返すうちに、トークはもちろん、その場の空気の読み方も少しずつ掴めるようになって自信がつきました。今では商談前のあの嫌な不安も、かなり軽くなりましたね。 |
商談の練習に活用できる営業ロープレは以下の記事で紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
まとめ:商談では沈黙を味方に変えよう
商談で沈黙が続いてしまうと、「失注したくない」という思いから、つい説明を足そうとしてしまいます。でも次の商談では、勇気をもって少しだけ逆のことを試してみてください。
説明を増やすのではなく、お客様が本当に知りたいことは何かを判断し、伝える情報を必要最低限に絞ってみる。その方が、意外とお客様の反応が変わり、会話が前に進むかもしれません。
営業は説明する仕事ではありません。お客様に必要な情報を届ける仕事です。次の商談では、沈黙を恐れずに、何を話さないか。そこに意識を向けてみてはいかがでしょうか。
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