販路拡大する方法とは?小売店本部へのアプローチとそのポイントを徹底解説!
EC時代の今、メーカーやブランドの成長に欠かせない“販路拡大”。
しかし、新たなチャネル選定や小売本部への営業、現場を悩ませるリソース・ノウハウ不足など、壁は少なくありません。
本コラムでは、販路拡大を成功させるための戦略立案・実践ポイントから、バイヤー・小売本部攻略のための説得材料づくり、現場が抱える課題の解決方法を解説しています。実際の事例も紹介していますので、御社の販路戦略をさらに強化したい方、より多くのお客様に自社商品を届けたい方に最適な内容です。ぜひ、売れる販路拡大のヒントを見つけてください。
目次[非表示]
- 1.販路拡大とは?
- 2.販路拡大の主な方法
- 2.1.自社の販売チャネルを増やす
- 2.1.1.ECサイトの開設・利用
- 2.1.2.新店舗の出店
- 2.1.3.イベント販売(展示会、催事場、物産展など)
- 2.2.移動販売
- 2.3.他者に売ってもらう
- 3.小売店本部への営業アプローチとそのポイント
- 3.1.バイヤーとは?
- 3.2.アプローチのポイント7つ
- 3.2.1.卸業者との関係構築
- 3.2.2.綿密な商談準備
- 3.2.3.実績データの提示
- 3.2.4.販促物や売場イメージの共有
- 3.2.5.消費者目線・マーケットインの視点
- 3.2.6.展示会での商談機会活用
- 3.2.7.関係者とのコミュニケーション
- 4.販路拡大よくある悩み
- 4.1.卸・小売業本部への交渉方法がわからない
- 4.2.営業成果に個人差がある
- 4.3.人手不足で行動量を最大化できない
- 5.販路拡大のお悩み3つの解決策
- 5.1.マニュアルを整備し、ナレッジを蓄積する
- 5.2.教育・サポート体制を整える
- 5.3.業務体制を見直す
- 6.セレブリックスの販路開拓事例
- 6.1.株式会社ドットミー
- 7.まとめ
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販路拡大とは?
販路拡大とは、あなたの商品を消費者に届けるための「場所」「方法」「チャネル」を増やしていくことです。例えば、店舗だけでなくECサイトやイベント、他社の販売網など、様々な「販路」を取り入れることで、より多くのお客様との接点を作ることができます。
メーカーにとって「良いものを作る」ことは大前提ですが、「売れる場所=販路」を拡げることも、事業成長の大きなカギを握ります。
販路拡大の主な方法
自社の販売チャネルを増やす
ECサイトの開設・利用
自社商品の魅力をダイレクトに伝えられる自社ECサイトの開設や、Amazon、楽天などのモール型ECの活用は、必須の選択肢です。近年、消費者の購買行動がオフラインからオンラインへシフトしており、オンライン上で買えることが大きな強みになります。
新店舗の出店
直営店舗を増やす方法は、ブランド体験の場を増やし、顧客との直接的な関係強化に役立ちます。ただし、多大な投資とリスクを伴うため、地域特性や物件選定には慎重な戦略が必要です。
イベント販売(展示会、催事場、物産展など)
期間限定でお客様と直接触れ合えるイベント販売は、その場で商品フィードバックを得られる絶好のチャンスです。展示会は取引先獲得の場にもなり、物産展や百貨店催事などはブランド露出の機会を広げます。
移動販売
コロナ禍以降、ニーズが高まっているのが移動販売の手法です。
イベントスペースを利用したポップアップストアやキッチンカー型の販売など、場所に縛られないフレキシブルな販売チャネルが注目されています。
他者に売ってもらう
卸業者の開拓
卸売業者と組むことで、自ら営業するよりも広範な小売店に商品を展開できます。
地域密着型から大手まで幅広く、業界ごと・エリアごとに特色のある流通構造を理解することが重要です。
取扱店舗の開拓
取扱店舗の開拓には大きく3つの方法があります。
1つ目は委託販売です。
百貨店や専門店に商品を預け、売れた分だけ手数料を支払う「委託販売」方式で、初期リスクを抑えつつ販売チャネルを広げやすい一方、売れ残りリスクや消化率による評価も受けやすいので、品揃えやプロモーションが重要です。
2つ目が通販です。
TVショッピング、カタログ販売、Web通販などへの商品提供も有効な販路拡大策です。自社ECだけでなく、既存の通販企業やモールへの卸提案も検討しましょう。例えば、番組で商品特徴やストーリーを伝えてもらえれば、一気に認知も広がります。ただし、値引きや販売条件、在庫対応などは事前にしっかり協議することが重要です。
3つ目が小売りの開拓です。
ドラッグストア、ホームセンター、専門店…現代の小売業は多様化しています。それぞれのチャネルごとにバイヤーの関心や商談のポイントが異なるため、ターゲットに合わせた売り込み方が求められます。同時に、小規模な地域店から大手チェーンへのアプローチまで段階的に展開していくことも計画的な販路拡大には効果的です。
小売店本部への営業アプローチとそのポイント
販路を拡大する上で、特に重要なのは「小売本部(チェーン店本部)」への営業活動です。ここでは、店舗単位の営業とは異なり、バイヤーと呼ばれる商品選定担当者への商談がメインとなります。
バイヤーとは?
バイヤーは、その小売チェーンの商品カテゴリーごとに存在し(「日用品担当」「食品担当」など)、担当分野の仕入れ・売り場作り・販売計画を手掛けています。
大規模チェーンの場合は基本的にバイヤーがすべての仕入れを管理しており、メーカーや卸業者の提案を判断します。中小規模チェーンでは、卸業者がハブとなっている場合も多く、卸の営業と協力しながらのアプローチが現実的です。
アプローチのポイント7つ
卸業者との関係構築
新規案件では、卸業者とまず信頼関係を築きましょう。卸業者とタッグを組み、バイヤーに「一緒に売りましょう」と共同戦線を提案できれば、実績・流通網も活用できチャンスが広がります。
綿密な商談準備
小売本部のバイヤーが求めるのは「この商品は実際に売れるのか?」という確かな根拠です。
市場動向の数値や、既存販路での販売実績、他社商品との差別化ポイント、販促物のサンプル、プロモーション案などの売場展開イメージ、消費者が求めているストーリーやトレンドへの適応などを明確に提示し、取扱後の具体的な「売れる」未来像を共有することが大切です。
また、バイヤーも売上目標やKPIを課せられているため、「なぜ自社の商品が売れるのか」「なぜ今取り扱うべきか」という説得材料が不可欠です。販促協力(POP、特設棚、キャンペーン)の提案や、値引き条件、返品対応の柔軟さも検討材料になります。また、バイヤーは日々多忙なため、提案は端的でわかりやすくまとめ、決裁へ一直線に進める資料作りが重要です。
実績データの提示
まずは他販路や既存のお店での売上実績、市場データを具体的に用意します。売れる数字や成長トレンドが示されていれば、バイヤーも納得しやすくなります。
販促物や売場イメージの共有
どのように売場を作って展開できるか、販促物(POP・什器サンプル・販促計画書など)があると、バイヤーは実際の運用をイメージしやすく受け入れやすくなります。
消費者目線・マーケットインの視点
自社の強みや想いだけではなく、「今、消費者が求めている」という証拠や現場の声も盛り込むことで、マーケットイン型の提案になります。
展示会での商談機会活用
小売バイヤーは新商品や話題商材を常に探しています。展示会は、短時間で新たな取引口座を作るチャンスがあり、実際に7社にアプローチして4社が商談化、といった例も少なくありません。
関係者とのコミュニケーション
バイヤーだけでなく、卸業者・流通担当者・店舗スタッフなど関係者とも積極的に連携し、「一緒に売る」という姿勢が販路拡大成功の鍵となります。
販路拡大よくある悩み
卸・小売業本部への交渉方法がわからない
1つ目の悩みは魅力的な売り場の確保など“卸・小売本部への交渉方法が分からない”ことです。
戦略的な営業活動ができなければ、リソースだけ割くことにも繋がりかねません。その結果、営業メンバーは頑張っているのに営業成果がなかなか伸びず、現場が疲弊してしまします。
営業成果に個人差がある
2つ目の悩みは“営業成果に個人差がある”ことです。
トップセールスに依存したりするケースなどもあり、組織全体の平均値を引き上げる仕組みづくりが必要です。
人手不足で行動量を最大化できない
3つ目の悩みは“人手不足によって行動量を最大化できない”ことです。
営業人員のマルチタスクによってコア業務に集中できないケースなどもあります。その結果、営業計画や販路開拓などのやらなければならない業務に時間が割けない → 効率的な営業活動ができない → 営業目標を達成するために行動量をさらに増やす羽目になる という負のスパイラルに陥ってしまいます。
販路拡大のお悩み3つの解決策
マニュアルを整備し、ナレッジを蓄積する
卸・小売本部への交渉方法が分からないことへの解決策として、マニュアルの整備やナレッジの蓄積が挙げられます。マニュアルの整備には、豊富な実績を持つセレブリックスのコラムや事例集をご活用ください。
教育・サポート体制を整える
ノウハウ不足の解決策として営業担当者への教育・サポート体制を整える方法が挙げられます。例えば、入社時のOJT以降も定期的にトレーニング・研修や、営業担当者の習熟度に合わせた教育カリキュラムを組み、トレーニングをおこなう、のような教育制度の整備などがあげられます。
業務体制を見直す
人手不足の解決策として業務体制の見直しや、外部リソースの活用があります。
経験者を採用したり、セレブリックスのようなBPO企業に外注したりすることで、即戦力を迎え入れることができます。
セレブリックスの販路開拓事例
株式会社ドットミー
『 Cycle.me 』など、健康・美容・ライフサイクルに配慮した“栄養補給の新しい選択肢”を提供する株式会社ドットミーの支援事例です。
新商品の市場拡大を目指す中で、「広いチャネルに展開してもブランドの魅力が伝わらず、ファンや売上がなかなか増えない」という課題を抱えていたドットミーさま。ブランドの強みや商品の魅力を正しく届けるためには、ただ数多くチャネルを広げるのではなく、市場分析に基づいて最適な販売先を選び抜き、現場で実践できる営業戦略を設計・運用していくことが不可欠でした。
しかし、新規販路へのアプローチや、現場でPDCAを回しながら成果を出すには、リソースも専門的なノウハウもすぐには用意できない状況でした。
セレブリックスが、市場・チャネルの選定から営業活動の実行、さらに商談現場や各販売店舗での改善まで、一気通貫でご支援。約2か月のご支援の中で注力すべきチャネルを明確にし、新商品の価値がしっかり伝わる“選ばれる売場”の創出と、初期ファンの獲得を実現しました。
代表取締役社長 の 知念孝祥ジョナサン 様 にお話をお伺いしたインタビュー記事はこちら。
まとめ
販路拡大は単なる“場所”の多角化ではなく、「自社商品がなぜ・どう売れるのか」を論理的かつ具体的に訴求できる戦略設計が必要です。
既存手段と新しいアプローチを柔軟に組み合わせ、実績や売場イメージを明確に提示することで、バイヤーや卸業者からも信頼され、着実な販路拡大につなげていくことができます
現場とマーケットの温度感をつかみつつ、自社に合った販路戦略のアップデートをぜひ進めていただければと思います。





