俳優の卵がプロモーション現場で輝く。心を掴むコミュニケーションの秘密
「プロモーションの効果が頭打ちになっている」「生活者の心を動かす、次の一手が見つからない」。多くのマーケターが、そんな悩みを抱えているのではないでしょうか。
デジタル化が進み、あらゆる情報が溢れる現代。生活者の心にブランドのメッセージを届け、行動を促すことは、かつてないほど難しくなっています。特に、直接お客様と触れ合うオフラインプロモーションの現場では、「ただ商品を配るだけ」「マニュアル通りの説明をするだけ」では、その他大勢のノイズに埋もれてしまうのが現実です。
そんな中、「圧倒的な熱量と表現力で、ブランドの魅力を何倍にもして届ける」プロモーションチームが存在します。それが、私たちセレブリックスの「プロモーションキャスト(プロキャス)」です。
彼らの多くは、俳優やモデルといったエンターテイメントの世界で活躍することを夢見る、表現者の卵。なぜ、彼らが創り出すプロモーションは、人の心を動かし、記憶に残るのでしょうか?
今回は、様々な有名ブランドのプロモーション現場で活躍するプロキャス、小川明日香(おがわ あすか)さんにインタビューを行いました。彼女の言葉から、“スタッフ派遣”とは一線を画す、セレブリックスならではの「価値」の源泉を紐解きます。この記事を読み終える頃には、あなたのプロモーション戦略に、新たな視点が生まれているはずです。
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はじめに:プロモーションの現場は、私にとって「舞台」である
――本日はありがとうございます。小川さんは俳優やモデルを目指しながら、プロキャスとして活動されているのですね。これまで、どのようなプロモーションを担当されてきたのですか?
はい、俳優とモデル、両方の夢を叶えるために日々勉強しています。
プロキャスとしては、本当に多岐にわたるお仕事を経験させていただきました。大手動画配信サービスの会員獲得キャンペーンや、シニア向けのスマートフォン教室。他にも、誰もが知る有名キャラクターの英語教材のプロモーションイベントや、女性専用のコンセプトカフェの運営など、ジャンルを問わず様々なブランドのプロモーションに携わってきました。最近では、人気コスメブランドのサンプリングイベントも担当させていただき、とても楽しかったです。
――多種多様な現場ですね。小川さんがプロモーションの現場に立つ上で、単に商品を説明するだけでなく、「ブランドの顔」として大切にしていることは何ですか?
私にとって、プロモーションの現場は一つひとつの「舞台」であり、私はそのブランドを背負った「役者」である、という意識を常に持っています。
私の強みは、これまで舞台や映像で培ってきた「お芝居」です。だからこそ、現場ごと、お客様ごとに、最適な「役」を演じ分けることを最も大切にしています。

「演じる」ように、ブランドの顔になる。お客様ごとにキャラクターを使い分ける表現力
――「役を演じ分ける」とは、具体的にどういうことでしょうか?
例えば、シニア向けのスマートフォン教室では、お客様に「寄り添う」ことを第一に考えます。普段よりも少し声を張って、ゆっくり、はっきりとお話しすることを心がけます。
一方で、お子様連れのご家族が多いキャラクターイベントでは、専門用語や堅苦しい言い回しは一切使いません。お子様の目線までかがんで、とびっきりの笑顔で話しかける。まるでテーマパークのキャストのように、その世界の住人になりきるんです。
声のトーン、表情、言葉選び、立ち居振る舞い。そのすべてを、案件の特性やお客様の層に合わせて、意識的にコントロールしています。それは私にとって、まさしく「演じる」という感覚に近い。様々な役柄を演じ分けることが楽しくて、それが多様なプロモーションに挑戦し続けられる理由の一つにもなっています。
――なるほど。それはまさに、表現者ならではのスキルですね。
はい。ただ、最初は自分の強みである「表現力」を活かすことに集中していましたが、それだけでは不十分だと気づきました。特に、商品の魅力を「伝える」という点では、自分の弱点と向き合う必要があったんです。
私は元々、語彙力がなく、物事を長く説明してしまいがちでした。ですが、プロモーションの現場では、いかに簡潔に、分かりやすく魅力を伝えるかが求められます。セレブリックスの研修では、こうした「伝え方」の技術やアプローチ方法、さらには社会人としてのマナーまで徹底的に教えていただきました。
自分の強みである「演じる力」を活かしつつ、研修で学んだ「伝える力」を掛け合わせる。この両輪が揃って初めて、お客様の心を動かすことができるのだと実感しています。
プロモーションの仕事が、自身の「俳優業」の糧になる理由
――プロキャスとしてのお仕事の、どんな瞬間に「楽しい」と感じますか?
一番は、自分のすべての経験が、最終的に「俳優」という夢に直結していると感じられることです。
以前は、カフェやコンビニなど、色々なアルバイトをしてきました。もちろん、それらも貴重な経験でしたが、どこかで「夢のための活動」と「生活のための仕事」を切り離して考えていたんです。
でも、プロモーションキャストの仕事は違います。現場に立ってお客様と向き合う時間は、すべてが学びの連続です。お客様の反応をダイレクトに受け取れるので、「ありがとう」「あなたの説明、すごく分かりやすかったよ」といったポジティブな言葉はもちろん、「その言い方はちょっと…」といった厳しいご意見も、すべてが私の血肉になります。
お客様の心を動かす言葉、表情、立ち居振る舞いとは何か。それを常に考え、実践し、フィードバックを得られる。そして、その経験すべてが、役者としての表現の幅を広げてくれるんです。
だから、金銭的な対価以上に、「喜んでほしい」「この商品の良さを伝えたい」という純粋な気持ちで、仕事に取り組むことができます。それは、お芝居をしている時の感覚と全く同じ。こんなにやりがいのある仕事は、なかなか無いと思っています。
お客様の心を動かした、忘れられない「感動体験」
――お客様とのコミュニケーションで、特に印象に残っているエピソードはありますか?
はい、数え切れないほどありますが、最近のキャラクターの英語教材のプロモーションイベントでの出来事が忘れられません。
その日の現場はテーマパークで、非常に混雑していて、迷子になってしまった小さなお子様がいました。周りにはすぐに頼れる常駐のスタッフさんが見当たらず、私が対応することになったんです。お名前を聞いても年齢を聞いても、不安からかうまく話してくれません。どうしようかと困っていた時、その様子を見ていた別のご家族のお母様が、助け舟を出してくれました。
そのお母様のおかげで、無事に迷子センターにお子様を送り届けることができ、ほっとして自分の持ち場に戻りました。
すると、業務が終わる頃、先ほどのお母様が私の元へ走ってきてくださったんです。そして、こう言いました。
「さっきの子、無事にご両親に会えましたよ。あなた、ここの職員さんとは服装が違うから、派遣の方でしょう? 咄嗟の状況なのに、すごく丁寧で、一生懸命な対応に感動しました」
さらに、こう続けてくださったんです。
「実は私、地方から10年ぶりにここに来たんです。あなたにとっては毎週ある勤務の1日かもしれないけど、私にとっては、今日という日が本当に特別な思い出になりました。あなたの素敵な対応のおかげで、最高の1日になったわ。ありがとう」
私が俳優として学んできた笑顔や対応が、誰かの「特別な1日」を作ることができた。そして、この言葉は、私の夢への挑戦を肯定してくれたように感じました。
お客様の純粋な「ありがとう」や「楽しかった」という反応は、何よりのエネルギーになります。この経験を通して、もっと多くの人に感動を届けられるようになりたいと、改めて強く思いました。
俳優の卵だからこそ持つ「3つの強み」が、困難な現場を救う
プロキャスの仕事は、楽しいことばかりではありません。時には、予期せぬトラブルや、心無い言葉を投げかけられることもあります。しかし、そんな困難な状況でこそ、私たちが持つ「表現者」としての強みが活かされるのです。
強み1:瞬時に場を読み、相手の心に入る「人間観察力」
――お客様の心を引きつけるために、何か「プロの技」のようなものはありますか?
「技」というよりは、常に意識していることがあります。それは、徹底的に相手を観察し、その人が「今、何を求めているか」を瞬時に察知することです。
これは、俳優業を通じて培われたスキルです。役を演じるためには、共演者の些細な表情の変化や声のトーン、目の動きを読み取り、それに合わせて自分の演技をアジャストしていく必要があります。
プロモーションの現場でも、それは同じです。お客様のちょっとした仕草や声色から、「何かを探しているのかな」「急いでいるのかな」「じっくり話を聞きたいのかな」といったことを感じ取ります。そして、その方が最も心地よいと感じるであろう声のトーンや言葉を選び、最適な距離感でコミュニケーションを取るんです。
相手のパーソナルスペースを尊重しつつ、すっと心に入り込む。この「人間観察力」こそが、お客様に心を開いてもらい、「この人から話を聞いてみたい」と思っていただくための第一歩だと考えています。
強み2:厳しい世界で培われた「折れない心」と「圧倒的な行動力」
――その観察力や行動力の源泉は、どこにあるのでしょうか?
私の原動力は、あるアーティストの存在です。彼女たちは、何年にもわたる厳しい下積み時代を経て、一流のアーティストになるという夢を掴み取りました。その姿を見ていると、「行動し続ければ、きっと誰かが見ていてくれる」と信じられるんです。
プロモーションの現場でも、思うように成果が出ない日はあります。でも、そこで落ち込んで立ち止まってしまったら、何も生まれません。今日の失敗は、明日の成功のための貴重な「経験」になる。俳優業も同じで、どんな経験も、良くも悪くもすべてが表現の糧になります。
だから、失敗を恐れずに行動し続けられる。この「折れない心」と、夢を叶えたいという強い想いから生まれる「行動力」が、私の最大の強みかもしれません。
強み3:仲間を守るために発動する「役者スイッチ」
――表現者としての強みが、トラブル解決に活かされた経験はありますか?
以前、女性専用のコンセプトカフェで働いていた時のことです。ある日、どうしても入店したいという男性が、入り口で大声を出し、長時間居座ってしまうというトラブルがありました。店内のお客様や、受付にいた後輩のキャストも、恐怖で怯えてしまっていました。
その時、私の中で「役者としてのスイッチ」が入ったんです。
私は普段、物静かなタイプで、人前で怒ることはありません。でも、お芝居で「怒り」を表現するのは、実は得意なジャンルでした。 私は、いつもとは全く違う、低く、強いトーンの声で、毅然とした態度でその男性と向き合いました。「お客様、これ以上の行為はおやめください」と。私の気迫に驚いたのか、その方はようやく落ち着きを取り戻し、事なきを得ました。
トラブルが去った後、私がいつもの穏やかな勤務態度に戻ると、周りのスタッフは「まるで別人のようだった」「本当の役者さんなんだね」と驚いていました。
もちろん、これは決して推奨される方法ではありません。しかし、この経験を通して、私たちが持つ「声」と「表情」の力は、言葉以上に人の心を動かし、時には困難な状況さえもコントロールできるのだと確信しました。これは、マニュアル通りの対応ではなかなか実践できない、私ならではのスキルだと自負しています。
最後に:未来のクライアント様へ
――この記事を読んでくださっている企業のマーケティング担当者様へ、力強いメッセージをお願いします。
私たちプロモーションキャストは、本気でエンターテイメントの世界を目指し、そのために日々、表現力を磨いています。挨拶や社会人マナーといった基本的なことはもちろん、厳しい世界で生き抜くために培った「人を惹きつける力」には、絶対の自信があります。
私たちが現場に立つとき、それは単なる「業務」ではありません。 一つひとつの商品やサービスを、自分自身の作品だと思って、情熱を込めてご紹介します。
ブランドの魅力を、何倍にも大きくして生活者に届けること。お客様にとって、その日が忘れられない「感動体験」になること。
私たちになら、それができます。ぜひ、あなたのブランドを「演じさせて」ください。私たちが、最高の舞台を創り上げることをお約束します。






