D2Cブランドのオフライン進出とは?EC以外の顧客接点を広げる方法と事例
D2C(DtoC)ブランドが成長するにつれて、自社ECやSNSだけでは新しい顧客との接点を広げにくくなる場面があります。
オンラインでは、ブランドの世界観や開発背景、商品のこだわりを丁寧に伝えられます。一方で、生活者の中には、購入前に実物を見たい、試したい、スタッフから説明を受けたいと考える人もいます。特に、寝具、家具、美容・ヘルスケア商材、食品、日用品のように、使用感や体験価値が購買判断に影響する商品では、オンラインだけでは伝えきれない価値があります。
こうした顧客接点を広げる手段として注目されているのが、オフラインへの進出です。
ただし、オフライン進出は単に「販売場所を増やすこと」ではありません。ポップアップストア、常設店舗、ショールーム、小売店への卸売、商業施設やサロン・ジムなどへの展開には、それぞれ異なる役割があります。
本記事では、D2Cブランドがオフライン進出を検討する背景や主な方法、オンラインとの連携設計、事例から見える成功のポイントを解説します。
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目次[非表示]
- 1.D2Cブランドのオフライン進出とは?主な手段と目的
- 2.D2C企業がオフライン進出を検討する背景
- 3.D2Cブランドのオフライン進出の主な方法
- 3.1.ポップアップストア
- 3.2.常設店舗・ショールーム
- 3.3.小売店・専門店への卸売
- 3.4.商業施設・サロン・ジムなどへの展開
- 4.オフライン進出は「販売」だけでなく、ECとの連携まで設計する
- 4.1.店舗で体験し、ECで購入する導線を作る
- 4.2.オフラインで得た声を商品ページや広告に反映する
- 4.3.来店者をCRM・メルマガ・LINEにつなげる
- 4.4.ECの顧客データを小売・店舗提案に活かす
- 5.D2Cブランドのオフライン進出成功事例
- 5.1.ヘアケアメーカーA社:D2Cから卸・小売本部への販路開拓を実現
- 5.2.基礎化粧品メーカーB社:利用シーンに近い接点で商品理解を促す
- 5.3.海外寝具メーカーC社:宿泊業・卸・小売業への新規チャネル開拓を推進
- 6.D2Cブランドがオフライン進出で失敗しないためのポイント
- 6.1.1. 目的を決めてから販路を選ぶ
- 6.2.2. オンラインで伝えていた価値を、店頭で伝わる情報に変換する
- 6.3.3. 小さく検証し、ECにも学びを戻す
- 6.4.4. 売り場側が扱いやすい状態を作る
- 7.自社だけで販路開拓を進めるのが難しい場合の進め方
- 8.まとめ:D2Cのオフライン進出は、ECとつながる顧客接点を作ること
D2Cブランドのオフライン進出とは?主な手段と目的
D2Cブランドのオフライン進出とは、オンライン、主に自社ECを中心に展開してきたブランドが、リアルな接点を通じて生活者に商品を届ける取り組みです。
具体的には、ポップアップストアの出店、常設店舗やショールームの運営、小売店・専門店への卸売、商業施設やサロン・ジムなどの施設への展開などが挙げられます。
近年、Web広告費の高騰やオンライン上での顧客獲得競争の激化により、ECだけで新規顧客との接点を広げ続けることは難しくなっています。そこで、認知拡大、購買前の体験機会の創出、ブランドへの信頼感向上、ロイヤルティ向上、LTVの最大化を目的に、オフライン進出を検討するD2Cブランドが増えています。
D2Cブランドがオフライン進出を検討する主なメリットは、以下の通りです。
- ECだけでは出会えない顧客と接点を持てる
- 実物を見たい、試したいという購入前の不安に応えられる
- 店舗や施設での接点を通じて、ブランドへの信頼感を高められる
- スタッフの説明や体験を通じて、商品の価値を伝えやすくなる
- オフラインで得た顧客の声を、商品開発やEC改善に活かせる
- 来店や体験をきっかけに、EC購入や継続購入につなげられる
つまり、オフライン進出は「ECの代わり」ではありません。オンラインでは届けきれない体験や信頼を補い、ECやCRMと連携しながら顧客接点を広げるチャネル戦略の一つです。
D2C企業がオフライン進出を検討する背景

D2C企業がオフライン進出を検討する背景には、オンライン中心の販売だけでは解決しにくい課題があります。
Web広告費の高騰で、ECだけの新規獲得が難しくなっている
D2Cブランドは、自社ECやSNSを通じて顧客と直接つながれることが強みです。一方で、オンライン広告の競争が激しくなるほど、新規顧客獲得の難易度は上がります。
広告を出せば一定の流入は得られても、獲得単価が上がり続けると、収益性を維持しながら成長することが難しくなります。SNSで認知を広げても、購買まで進まないケースもあります。
そのため、オンライン広告だけに依存せず、生活者がリアルな場でブランドや商品に出会う接点を持つことが重要になっています。
実物を見たい・試したい顧客の不安に応える必要がある
ECは便利な販売チャネルですが、すべての生活者がオンラインだけで購入を決められるわけではありません。
たとえば、マットレスや家具であれば、寝心地やサイズ感を確認したい。美容やヘルスケア商材であれば、使い方や自分に合うかを相談したい。食品や日用品であれば、香りや質感、利用シーンをイメージしたい。
こうした商品では、オフラインの体験接点が購入前の不安を減らし、納得して選ぶきっかけになります。
ブランド体験を通じて、信頼感やLTVを高めたい
D2Cブランドにとって、オフラインは単なる販売場所ではなく、ブランド体験の場にもなります。
実際に商品に触れる、スタッフと会話する、ブランドの世界観が表現された空間を体験する。こうした接点は、生活者の記憶に残りやすく、ブランドへの信頼感や愛着を高めるきっかけになります。
また、オフラインで得た体験がECでの購入や再購入につながれば、LTV向上にもつながります。D2Cブランドのオフライン進出では、売上だけでなく、認知、体験、信頼、継続購入まで含めて設計することが大切です。
D2Cブランドのオフライン進出の主な方法
D2Cブランドのオフライン進出には複数の方法があります。どの方法が最適かは、商品特性や目的によって異なります。
進出方法 | 向いている目的 | 向いている商品 | 注意点 |
|---|---|---|---|
ポップアップストア | 認知拡大、顧客反応の検証 | 世界観や体験を伝えたい商品 | 短期施策で終わらせず、来店後の接点設計が必要 |
常設店舗・ショールーム | 体験、相談、信頼形成 | 高単価商品、使用感が重要な商品 | 運営コストと役割設計が必要 |
小売店・専門店への卸売 | 購買機会の拡大、接点増加 | 日常的に購入される商品、比較購買される商品 | 店頭で価値が伝わる販促設計が必要 |
商業施設・サロン・ジムなど施設展開 | 利用シーン訴求、体験文脈での接点作り | 美容、健康、ライフスタイル商材 | 施設側が顧客に提案しやすい理由が必要 |
ポップアップストア
ポップアップストアは、期間限定で生活者と直接接点を持てる方法です。
新商品の反応を確かめたい、ブランドの世界観を体験してもらいたい、ECでは接点を持てていない顧客に出会いたい場合に有効です。
一方で、ポップアップは出店して終わりではありません。来店者が何に反応したのか、どの商品を手に取ったのか、どの説明が購買につながったのかを把握し、その後のEC、広告、商品改善に活かすことが重要です。
常設店舗・ショールーム
常設店舗やショールームは、商品を継続的に体験してもらう場として機能します。
寝具、家具、美容機器、ヘルスケア商材など、実物を試すことが購買判断に影響する商品では、リアルな体験接点が購入前の不安を減らします。
ただし、常設店舗は運営コストもかかります。売上を作る場なのか、体験を提供する場なのか、ECへ送客する場なのか、顧客の声を集める場なのか。目的を明確にして設計する必要があります。
小売店・専門店への卸売
小売店や専門店への卸売は、生活者が日常的に商品と出会える接点を増やす方法です。
ECを知らない顧客にも商品を届けやすくなり、購入機会を増やせることがメリットです。専門店であれば、商品カテゴリーに関心の高い顧客が来店するため、スタッフの説明や売り場の文脈を通じて価値を伝えやすい場合もあります。
一方で、棚の中では多くの商品と比較されます。オンラインで伝えていたブランドストーリーや商品のこだわりを、パッケージ、POP、什器、スタッフ向け資料など、店頭で伝わる情報に変換する必要があります。
商業施設・サロン・ジムなどへの展開
商品によっては、一般的な小売店よりも、商業施設、サロン、ジム、スパ、宿泊施設、クリニックなどのほうが相性がよい場合があります。
こうした場所では、生活者が特定の目的を持って訪れています。美容、健康、睡眠、運動、リラックス、学びなど、商品価値と利用シーンが近い場合、自然な文脈で商品を理解してもらいやすくなります。
このような施設展開では、施設側が顧客に提案しやすい理由を作ることが重要です。施設の顧客体験を高められるのか、スタッフが説明しやすいのか、利用シーンと商品価値が合っているのかを整理する必要があります。
オフライン進出は「販売」だけでなく、ECとの連携まで設計する

D2Cブランドのオフライン進出で重要なのは、オフラインをECと切り離して考えないことです。
オフラインで商品を体験した顧客が、その場で購入するとは限りません。後日ECで購入することもあれば、SNSをフォローして検討を続けることもあります。反対に、ECで商品を知った顧客が、オフラインで実物を確認してから購入することもあります。
つまり、オフラインは単独の販売チャネルではなく、オンラインとつながった顧客接点として設計することが大切です。
店舗で体験し、ECで購入する導線を作る
オフラインの接点では、生活者が実物を見たり、試したり、スタッフに相談したりできます。しかし、商品によってはその場で購入せず、後からECで購入する顧客もいます。
そのため、店舗やポップアップでは、QRコード、LINE登録、メール登録、限定クーポン、商品ページへの導線などを用意し、体験後にECで購入しやすい状態を作ることが重要です。
オフラインで得た声を商品ページや広告に反映する
オフラインでは、生活者が商品に対してどのような疑問を持つのか、どの説明で納得するのか、どの表現に反応するのかを直接確認できます。
たとえば、「サイズ感がわかりにくい」「使い方をもっと知りたい」「比較ポイントを知りたい」といった声は、ECの商品ページや広告、FAQ、LPの改善に活かせます。
オフラインで得た学びをオンラインに戻すことで、ECの購買率向上にもつなげられます。
来店者をCRM・メルマガ・LINEにつなげる
ポップアップや店舗で接点を持った顧客を、その場限りで終わらせないことも重要です。
LINE登録、メルマガ登録、会員登録、サンプル申し込みなどにつなげることで、来店後もコミュニケーションを継続できます。
D2Cブランドは顧客と直接つながれることが強みです。オフラインで生まれた接点をCRMに接続することで、継続購入やLTV向上につなげやすくなります。
ECの顧客データを小売・店舗提案に活かす
D2Cブランドは、自社ECを通じて顧客データや購買傾向、レビュー、SNSでの反応を蓄積しています。
これらの情報は、オフライン展開時の提案材料になります。
たとえば、どの顧客層に支持されているのか、どの悩みを持つ顧客が購入しているのか、どの訴求が反応を得ているのかを示せれば、小売店や施設側も扱うイメージを持ちやすくなります。
オンラインで得た顧客理解を、オフラインの販路提案に活かすことが、D2Cブランドならではの強みになります。
D2Cブランドのオフライン進出成功事例
ここからは、弊社セレブリックスが支援したD2Cブランドのオフライン進出事例を紹介します。
単に販売場所を増やすのではなく、卸・小売本部への商談、商品特性に合う接点の選定、BtoBチャネルの開拓など、どのように顧客接点を広げたのかという視点で見ていきます。
ヘアケアメーカーA社:D2Cから卸・小売本部への販路開拓を実現
ヘアケアメーカーA社は、D2Cで商品を展開する中で、オフライン販路の拡大を検討していましたが、課題となっていたのは営業リソースの不足でした。
新規の取引先を開拓したいものの、社内の営業パーソンだけでは手が回らない。さらに、卸・小売本部商談に関するナレッジも蓄積したい。こうした背景から、セレブリックスが新規販路開拓を支援しました。
支援では、新規卸・小売本部に対する販路開拓と本部商談の営業代行を実施。半期までに3,000店舗への配荷をKPIとして設定し、目標達成に向けて、各業態ごとにターゲットを選定しました。
営業活動では、セレブリックスがクライアントに代わって取引先へ商談活動を行い、週1回の定例ミーティングで活動状況を共有。商談中に発生した課題や取引先からの質問を報告しながら、営業資料のすり合わせやスクリプト作成も行いました。
その結果、支援開始1か月で卸2社との販路開拓を実現。さらに、バラエティショップやドラッグストアへの展開があるエリアを対象に、オフライン販路拡大に向けた足がかりを作りました。
▼この事例から学べること
D2Cブランドがオフライン進出を進めるとき、課題になるのは「商品力」だけではありません。
むしろ、どの卸・小売本部にアプローチするのか、どの業態から攻めるのか、商談で何を伝えるのかといった営業設計が重要になります。
特に、D2Cで一定の実績があっても、卸や小売本部への商談では、オンライン販売とは異なる説明が求められます。小売側にとっての取り扱うメリット、売り場での展開イメージ、販売計画、販促方法まで伝えられなければ、店頭展開にはつながりにくくなります。
ヘアケアメーカーA社の事例は、オフライン進出において、営業リソースの補完だけでなく、卸・小売本部商談のナレッジを蓄積しながら販路を広げていくことの重要性を示しています。
基礎化粧品メーカーB社:利用シーンに近い接点で商品理解を促す
基礎化粧品メーカーB社は、もともと自社ECを中心に販売していましたが、顧客接点をさらに広げるため、オフライン販路でのチャネル開拓を検討していました。
一方で、課題となったのは「どの販路にアプローチすべきか」が明確でないことでした。基礎化粧品は、商品そのものの機能だけでなく、利用シーンや体験価値が購買判断に影響します。百貨店、ホテル、エステ、イベント会場、ノベルティ活用など、商品価値が伝わりやすい接点を選ぶことが重要でした。
そこでセレブリックスでは、新規チャネル開拓に向けたマーケット特定から、施設・企業へのアウトバウンド営業、商談でのヒアリングからクロージングまでを支援。イベントやポップアップショップの商談会場選定も含め、オフラインで商品と生活者が出会う接点を設計しました。
支援はプロジェクトリーダー1名、プレイヤー2名の体制で実施し、週1回の定例ミーティングで活動状況を確認しながら進行。首都圏、関西圏、中部、北海道、九州、東北など複数エリアで開拓を進めました。その結果、半年間の支援で35社の新規取引先開拓につながりました。
▼この事例から学べること
D2Cブランドのオフライン進出では、販売先を増やす前に「どの接点なら商品の価値が伝わるのか」を見極めることが重要です。
特に基礎化粧品のように、使用感やブランド体験が購買判断に影響する商品では、単に小売店へ並べるだけでは十分ではありません。生活者が商品を試す場、相談できる場、利用シーンを想像しやすい場を設計することで、ECだけでは届けきれなかった価値を伝えやすくなります。
オフライン進出は、ECの外に売り場を増やす施策ではなく、商品理解が深まる顧客接点を作る取り組みでもあります。
海外寝具メーカーC社:宿泊業・卸・小売業への新規チャネル開拓を推進
海外寝具メーカーC社は、ベッドマットレスやベッドフレームを扱う企業です。既存チャネルに偏るリスクを抑え、さらなる販路拡大を進めるため、新規チャネルの開拓を検討していました。
課題となっていたのは、オンライン市場の競争が激しくなる中で、既存チャネルだけに依存せず、新しい顧客接点を作ること。特に、差別化につながる新規チャネルを獲得し、予算達成につなげる必要がありました。また、大手企業だけでなく、影響力のある地域企業との連携を強化し、共同施策や導入事例の創出、販路補完を進めたいという狙いもありました。
セレブリックスでは、インサイドセールスによるアポイント獲得と、フィールドセールスによるオンライン商談を組み合わせて支援しました。対象エリアは全国で、宿泊業、卸売、小売業を中心にアプローチ。体制はプロジェクトリーダー1名、プレイヤー2名で進行しました。
営業活動では、ニーズが発生する時期を捉えた商談と、効果的な提案を重視しました。担当商材は新規施設導入や施設のオープンなどで需要が生まれやすいため、顧客の検討タイミングを見極めながらアプローチを実施。市場に出回るリサイクル品が商品イメージを損なわないよう、丁寧なコミュニケーションを通じて提案のタイミングを調整し、成約につなげました。
また、ターゲット企業の中には、広く送付できる窓口を持たない企業も少なくありませんでした。そのため、問い合わせフォームやメールを送るだけではなく、新製品をフックにしたアプローチも実施し、リアクションを獲得しました。
▼この事例から学べること
大型商材を扱うD2Cブランドがオフライン進出を進める場合、重要なのは「実物を体験してもらう場を作ること」だけではありません。どの業界に需要があり、どのタイミングで提案すれば導入につながるのかを見極める営業設計も重要です。
特に寝具や家具のような商材は、宿泊施設や小売店など、導入先の事業活動と結びつくことで販路が広がります。新規施設の導入、施設のオープン、既存設備の入れ替えなど、需要が生まれるタイミングを捉えられるかどうかが成果を左右します。
海外寝具メーカーC社の事例は、ECや既存チャネルだけに依存せず、宿泊業・卸・小売業などのBtoB接点を開拓することで、オフラインでの販売機会を広げられることを示しています。単なる店頭展開にとどまらず、導入先のニーズを捉えて新規チャネルを開拓することも、D2Cブランドがオフラインで顧客接点を広げる有効な方法です。
D2Cブランドがオフライン進出で失敗しないためのポイント

ここまで紹介した事例に共通しているのは、オフライン進出を「出店」や「配荷」だけで捉えていない点です。卸・小売本部への商談、商品特性に合う接点選定、BtoBチャネル開拓など、目的に応じて接点を設計することで、ECだけでは届かなかった顧客とのつながりを広げています。
オフライン進出を成功させるには、まず「何のためにオフライン接点を持つのか」を明確にすることが重要です。そのうえで、オンラインと連携しながら顧客体験を設計する必要があります。
ここからは、D2Cブランドがオフライン進出を進めるうえで押さえておきたいポイントを整理します。
1. 目的を決めてから販路を選ぶ
まずは、オフライン進出の目的を明確にしましょう。
認知を広げたいのか、実物体験を提供したいのか、購入前の不安を減らしたいのか、ECへの送客につなげたいのか、顧客の声を集めたいのか。
目的によって、選ぶべき販路は変わります。認知拡大や反応検証ならポップアップ、体験や相談ならショールーム、購買機会の拡大なら小売店・専門店、利用シーン訴求なら施設展開が向いている場合があります。
2. オンラインで伝えていた価値を、店頭で伝わる情報に変換する
D2Cブランドは、ECやSNSで商品の背景や世界観を丁寧に伝えてきた企業が多いです。
しかし、店頭では生活者が商品に触れる時間は限られています。商品ページのように長い説明を読んでもらえるとは限りません。
そのため、ブランドのこだわりや商品の特徴を、パッケージ、POP、什器、スタッフ向け資料、短い説明文などに変換する必要があります。
3. 小さく検証し、ECにも学びを戻す
オフライン進出では、最初から大きく展開するよりも、小さく試して反応を見ることが重要です。
ポップアップで顧客の反応を確認する。特定の専門店や施設でテストする。限られたエリアで展開する。こうした検証を通じて、どの接点が自社商品と相性がよいのかを見極められます。
さらに重要なのは、オフラインで得た学びをECにも戻すことです。店頭でよく聞かれた質問をFAQに反映する、反応のよかった説明をLPに入れる、顧客の声を広告訴求に活かすなど、オンライン改善にもつなげましょう。
4. 売り場側が扱いやすい状態を作る
小売店や施設に展開する場合は、売り場側が扱いやすい状態を作ることも欠かせません。
どの顧客に勧める商品なのか、どの売り場に置くとよいのか、どのように説明すればよいのか、どのような販促物があると伝わりやすいのか。
こうした情報が整っているほど、店舗や施設側は商品を提案しやすくなります。
自社だけで販路開拓を進めるのが難しい場合の進め方
D2Cブランドがオフライン進出を進めるには、販路候補のリストアップ、営業先へのアプローチ、商談資料の作成、店舗側の反応収集、販促物の改善など、多くの実務が発生します。
EC運営や商品開発、マーケティングと並行して、これらをすべて自社だけで進めるのは簡単ではありません。特に、卸・小売本部との商談経験が少ない場合や、どのチャネルから検証すべきか判断しきれない場合は、進め方そのものが手探りになりやすくなります。
まずは、自社で担うべき領域と、外部の知見を活用する領域を切り分けることが重要です。
たとえば、ブランドの世界観や顧客理解、商品の強みは自社が最も深く理解しています。一方で、販路候補の選定、商談機会の創出、売り場側への提案設計、店舗側の反応を踏まえた改善などは、外部パートナーの知見を活用することで進めやすくなる場合があります。
特に、次のような課題がある場合は、外部パートナーの活用を検討しやすいタイミングです。
- 小売店・施設への営業経験が少ない
- どのチャネルから試すべきか判断しきれない
- アプローチ先のリストアップや商談機会の創出に手が回らない
- 店舗側の声を集めながら、提案内容を改善したい
- 複数チャネルを短期間で検証したい
外部パートナーを活用する場合も、すべてを任せきりにするのではなく、自社のブランド理解や顧客理解と、外部パートナーの営業ノウハウや実行力を組み合わせることが重要です。
まとめ:D2Cのオフライン進出は、ECとつながる顧客接点を作ること
D2Cブランドのオフライン進出は、単に販売場所を増やす取り組みではありません。
ECだけでは出会えない顧客と接点を持つこと。実物を見たい、試したいという購入前の不安に応えること。ブランドの世界観や商品の価値を体験してもらうこと。そして、オフラインで得た顧客の声をECや商品改善に活かすこと。
こうした役割を持つ顧客接点として、オフラインを設計することが重要です。
ポップアップストア、常設店舗、ショールーム、小売店への卸売、施設展開など、オフライン進出の方法は複数あります。大切なのは、目的を決めてから、自社商品と相性のよい接点を選ぶことです。
オンラインとオフラインを分けて考えるのではなく、体験、購入、継続接点、顧客理解をつなげることで、D2Cブランドの成長につながるオフライン進出を実現しやすくなります。
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本記事を合わせて、「卸・小売本部の販路を切り拓く 4つの方法とBPOの活用術」をご覧ください。近年、販売チャネルや売り場の獲得手法は多様化が進み、効率的な販路開拓の悩みの種となっています。本ホワイトペーパーでは、販路開拓のよくある課題に対する4つの解決策と、BPOの活用術について解説しています。新たな販路を獲得する一助になれば幸いです。
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