営業組織の立ち上げ~セレブリックスの事例から見るポイント~

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営業責任者は、新規事業が発足した際や日々の営業活動で様々な手法を用いてクオリティアップを目指しているかと思いますが、前提、アサインメンバーへのオンボーディングができていなければ成果向上にはつながりにくいです。

今回は、様々な業界の営業支援を行ってきたセレブリックスが、クライアントを支援する際に行っているオンボーディングフローを紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.インナーキックオフ
    1. 1.1.インナーキックオフ実施の為の準備を徹底する
    2. 1.2.それぞれが与えられている役割はなにか明確化する
    3. 1.3.プロジェクトを推進していく中で、課題が出た際の相談フローを明確化する
  2. 2.クライアントキックオフ
  3. 3.サービス勉強会
  4. 4.市場分析
  5. 5.営業インフラの整備
    1. 5.1.営業活動を行う上での前提の整理
      1. 5.1.1.BDR(Business Development Representative)の場合
      2. 5.1.2.SDR(Sales Development Representative)の場合
    2. 5.2.営業活動で使用するものの整備
  6. 6.稼働メンバーへのレクチャー
  7. 7.まとめ


インナーキックオフ

新規プロジェクトを立ち上げる際、セレブリックスで最初に行うことは「インナーキックオフ」です。

インナーキックオフは、下記の内容について話し合いを行います。

・プロジェクト概要の共有
・目的や目標の擦り合わせ
・アサインされるメンバーの紹介
・マネジメント方法やコミュニケーション手法のすり合わせ
・メンバーの不安を軽減させるために質疑応答

セレブリックスでは案件を受注した営業担当、プロジェクトマネージャー、リーダー、チーフ、オンボーディングメンバーが参加をし、案件が受注に至った背景やセレブリックスに期待すること、支援領域のすり合わせをし、プロジェクトの方向性や稼働前に顧客に確認すべきことをクリアにしていきます。

この際注意しているポイントは、以下の3つです。


インナーキックオフ実施の為の準備を徹底する

インナーキックオフでは、事前にプロジェクトの準備をしっかりとおこなっておきます。
準備が万全でないと、メンバーがプロジェクトを実施する本来の目的の理解が難しくなり、認識のズレや、プロジェクトが始まってから様々なトラブルが起こる可能性があります。
インナーキックオフに用いる資料、それぞれの役割など、準備不足がないように進めます。


それぞれが与えられている役割はなにか明確化する

インナーキックオフには、社内の様々な担当者が参加することになります。
その為、参加者全員が「どういう目的や理由で」インナーキックオフに参加しているのか整理をすると、円滑に進めることができます。


プロジェクトを推進していく中で、課題が出た際の相談フローを明確化する

インナーキックオフでは、各自の役割を明確化することで全体の体制や役割の認識のすり合わせを行います。
しかしプロジェクトが進んでいく中では、それぞれが自分の仕事にかかりきりになることによって、細かい疑問点や相談したいこと、この質問はこの人に投げて良いのか?と、些細なきっかけで混乱を招く可能性があります。

したがって、そのような混乱を招くことがないよう、相談フローは明確化するようにします。



クライアントキックオフ

インナーキックオフの次に行うのは、クライアントキックオフです。
セレブリックスではインナーキックオフの次に行い、クライアントキックオフでは自社プロジェクトチームとクライアント側の主要関係者が参加をします。

インナーキックオフと比較をするとクライアントも参加をする為フォーマルな場となり、両者で営業環境やルール等のすり合わせをし、営業支援の方向性や活動内容をより具体的にすり合わせます。
また、ホリゾンタルSaaSといった業種に関係なく特定の業務に使われる商材の場合は、アプローチをする業界によって課題が異なるため、課題ごとでの分類をすり合わせながら行います。


サービス勉強会


インナーキックオフと顧客キックオフが終了したら、いよいよサービス勉強会です。
サービス勉強会では、支援を行うサービスについてクライアントからレクチャーいただきます。

この場ではクライアントが展開しているサービスの特徴や競合、現状営業している中での受注理由や失注理由などを伺い、稼働前に作成を行うトークスクリプトでの訴求ポイントを明確化します。



市場分析


サービス勉強会が完了したら、インプットした内容を元に市場分析に着手します。
市場分析とは、一般的に企業が新たなサービスや商品を展開するために顧客のニーズや要望を知るために行います。

また、どんなに魅力的な商材であったとしても、市場ニーズがなかったり、競合他社が強すぎる場合には戦略を考え直さなくてはならないといった理由もあります。

市場分析のフレームワークは、Strength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機械)・Threat(脅威)の4つの頭文字をとったSWOT分析、Politics(政治)・Economy(経済)・Society(社会)・Technology(技術)の4つの頭文字をとった「PEST分析」などが有名です。

セレブリックスでは、先述したSWOT分析やPEST分析を用いて外部環境を分析しています。
また、上記2つの分析に加えて有名なフレームワークとして3C分析があります。(3C:Customer(顧客)・Competitor(競合)・Company(自社))

3C分析では競合に勝つために自社の強みをどう活かせるか、顧客のニーズはどこにあるのかを分析します。

しかし、セレブリックス常に顧客のインサイトを発見していくために、【3C+2C×マクロ環境】というフレームワークを提唱しています。
3C+2C×マクロ環境のフレームワークを用いることによって、顧客の顧客や、顧客のライバルを知ることで、戦い方や強化ポイントを洗い出して明確にすると、顧客が気付いていないインサイト発見につながりやすいのです。

【3C+2C×マクロ環境】を考える際は、下記の手順で進めていくとスムーズです。

1.マクロ環境(景気変動/市場/流行)
2.自社   (特徴/企業特性/優位性/利用者)
3.顧客   (セグメント/ニーズ/状態)
4.競合   (優位性/戦略)
5.顧客の顧客(最新ターゲットのニーズ)
6.顧客の競合(すでに他の商品・サービスを導入している)


※3C+2C×マクロ環境の詳細およびワークシートは、『3C+2C×マクロ環境で顧客のインサイトを導く』からダウンロードいただけます。ぜひご活用ください。


営業インフラの整備


市場調査が完了したら、営業活動用のインフラ整備に着手をします。
ここでいう「営業インフラ」とは、「日々の営業活動を支える基盤」を意味し、プロジェクトがスタートした際、欠かせないものとなります。

主に準備をしなくてはならないものは大きく分けて
・営業活動を行う上での前提の整理
・営業活動で使用するもの
の2つです。
それぞれを説明していきます。


営業活動を行う上での前提の整理

営業活動を行う上での前提の整理は、主にプロセス・目標設定、営業進捗表、ターゲットリスト、分析項目設定、ステータス定義が該当します。
基本的にはクライアントキックオフの際にすり合わせを行った方向性や活動内容をベースに作成していきます。

まずは目標設計の方法について、BDR(アウトバウンド型営業)とSDR(インバウンド型営業)の2つのケースをご紹介します。
※目標設計は企業ごとや手法で異なりますので、代表的な例となります。


BDR(Business Development Representative)の場合

BDRとは、いわゆるアウトバウンド営業やPUSH型営業といった新規開拓を指します。直訳すると「ビジネス開発部門」となり、新しいマーケットや顧客を開拓してビジネスを広めていくことを指します。
BDRの役割は、以下の3つです。

1. 規模の拡大や全マーケット獲得を目指す
2. 市場浸透率が低いプロダクトの需要喚起
3. 会いたい顧客に、競合より早くリーチする

テレマやテレアポの場合は、顧客リストに架電してアポイントをとることが大きな目標になりますが、BDRの場合は、アポイントはもちろん、顧客に応じたコンテンツをいかに提供できるかが重要になります。つまり、顧客の役に立ち信頼を積み重ねることで、短期だけでなく中長期を見据えたアプローチが必要になるので、仮説思考を持つことが大切です。
立てた仮説をもとに、ターゲットとする企業や取引したい企業に対して戦略的にアプローチしていきます。

BDRの目標
KGI(重要目標達成指標)=売上
KPI(重要業績評価指標)=MQL(※)創出
※MQL(Marketing Qualified Lead)=マーケティング活動によって創出されたリード


SDR(Sales Development Representative)の場合

BDRに対し、SDRはインバウンド営業やPULL型営業といった反響型営業を指します。直訳すると「営業開発部門」となり、電話やメールを活用して見込み客から商談のアポイントを取り、フィールドセールスに商談をつなぐ部門のことです。

また、新規顧客の対応だけではなく、リードナーチャリングも対応します。過去失注した企業や情報収集段階で止まってしまった企業、ホワイトペーパーをダウンロードした企業に対し、状況によって再度商談を実施したり、コンテンツを提供したりして、顧客を育成します。
SDRの役割は、以下の3つです。

1. セールスの負担を軽減する
2. 成約に至る確率の高い案件を供給する
3. 顧客の温度感や信頼感を高める

お問い合わせや資料請求をしたリードを商談化させてフィールドセールスに引き継ぎ、中長期顧客であれば資料やコンテンツを提供してリードナーチャリングをします。インバウンドの顧客の特徴として、問合せや資料請求時点では温度感が高いものの、時間が経つにつれてその温度感は下がってしまう傾向にありますので、いかにスピードを意識して顧客をフォローできるかが重要です。

また、BDRと違い、必ずしも狙っているターゲットから問合せがくるわけではありませんので、顧客の「スクリーニング」が必要になります。
たとえば、セレブリックスからのお問い合わせでスクリーニングするケースとして、予算や希望稼働時期が要望と合わない、ROIが合わないなどがあります。
スクリーニングを徹底することでムダな商談を省き、フィールドセールスの工数を削減できるのです。
※スクリーニングの実践法については『スクリーニングで良質な案件を創出する方法』をご覧ください。

SDRの目標
KGI(重要目標達成指標)=売上
KPI(重要業績評価指標)=SQL(※)
※SQL=営業活動によって作られたリード、いわゆる案件

※他、カスタマーサクセスやオンラインセースルの設計方法については『インサイドセールス大解剖~成功の秘訣とは~』をご覧ください。

営業進捗表やターゲットリストについてはクライアントから共有していただくこともありますが、整備されていない場合や実際の業務に適していない可能性がある場合は、オンボーディングメンバーが実際の業務フローに合わせた形で設計を行い、納品します。

商材によって営業手法は多岐にわたりますが、基本的には「どのようなお客様に対して、どういうアプローチをしているか」。またその結果、「現時点での見込み顧客はどうなっているのか」
など、細かく進捗情報を管理していかなければ、目標までの進捗も不明確になってしまう可能性がありますので、必ず整理するようにしましょう。
また、進捗管理をする際のステータスの定義や活動体制にクライアントと齟齬があると、適切に業務を進行・支援していくことが難しくなってしまうこともあり得ます。
その為、前述したクライアントキックオフの際はそれぞれの項目の定義まで細かく確認し、すり合わせを行っています。

※ターゲットリスト作成の際は、『リスト作成の際に参照する情報源とは』、『ターゲティングの重要ポイントと精度の高いターゲットリストの作り方』より参考情報を参照いただけます。ぜひご活用ください。


営業活動で使用するものの整備

営業活動で使用するものの整備は、主にスクリプトや商談時に発生したネックへの切り返し想定問答集、FAQ、使用するメールのテンプレート、ナレッジ蓄積場所の統一です。
また、セキュリティ要件が高いクライアントについてはどのように稼働をしていくのか、といったようなことも整備していきます。

セレブリックスでは過去様々な業界を支援してきた実績や知見を元にして、商材に合わせたナレッジの作成や想定問答集を作成しています。
また場合によっては事前にテストセールスを実施し、テストセールスでの所感を基に仮説構築部分を型化したTELトークスクリプト、商談トークスクリプト、商談ヒアリングチャートを作成し、メンバーがアサインされた際の成果創出を迅速に行えるよう整備をしています。

メンバーをアサイン後、立ち上がりをスムーズに行うためにはこれらの整備が非常に重要です。
プロジェクトが開始した際、「〇〇が足りない」とならないよう、整備を行っていきましょう。


稼働メンバーへのレクチャー


営業インフラの整備が完了したら、アサインメンバーの立ち上がりに向けてのレクチャーを開始します。

このフェーズでは、PC設定やSFA、各種帳票等の使い方をはじめとして業界理解、実際に使用していくスクリプトのインプット・アウトプットを実施していきます。
特にロープレを行う際には、”スクリプトの再現”、”サービスの質問に対する返答”や”ネックに対しての切り返し”をアウトプットしながら身に着けていきます。

サービスに対して必要な日数を確保し、全般知識が問題ないレベルに到達したら、いよいよ営業開始となります。


まとめ

今回は、営業組織の立ち上げについて全6項目に分類し、紹介しました。
事業組織の立ち上げや、新人育成の際に「いかに成果を出してもらえるか」は営業責任者であれば誰しもが悩むポイントです。
今回ご紹介したオンボーディングのフローを是非参考にしていただき、営業組織のパフォーマンス向上を目指していただければと思います。

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