営業組織の目指す先~セッション1~

 

 

昨今、コロナ禍において従来の営業方式やマネジメントスタイルの変換が必要とされる時代への兆しが強く出ています。そんな中、テレワークでの働き方が主流となり、メンバーへのかかわり方や、育成方法、マネジメントの手法も大きく変わってきております。

今回は、営業バイブル『絶対達成バイブル』の著者 横山信弘氏と『無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」』の著者 高橋浩一氏をお招きし、弊社 今井がファシリテートの上、【無敗営業と絶対達成の理論に基づく営業組織の作り方】というテーマで議論しました。

 

<目次>
・「コロナ新時代の営業組織・マネジメントの課題」アンケート結果
①どうやってメンバーの力を伸ばすか
・質疑応答

 

「コロナ新時代の営業組織・マネジメントの課題」アンケート結果

今井

この新時代において、私たちの今までのマネジメントや組織論が通用しなくなってきていて、手法も含めて考え方がずいぶん変わってきましたよね。実際に、私たちが変わったと思っていても、営業現場の方々はどうなのかといった目線合わせをしないと、私たちのエゴでプレゼンテーションすることになってしまうので、事前にアンケートを取っておきました。260名の方々に、コロナ禍での営業組織のマネジメントにおいて何が課題になっているか質問してみました。結果としては、一番多いのが「メンバー育成」、2番目が「営業戦略や戦術づくり」、3番目が「モチベーション管理」、4番目が「目標の設定や管理」、5番目が「プロセスマネジメント」、6番目が「メンバーとのコミュニケーション」、7番目が「将来に向けたビジョン構築」、最後が「デジタルシフトへの対応」となりました。

この結果を見て、お二方はどんな感想を持たれましたか?

高橋

育成や能力開発は領域が広いですが、最近は特に気持ちやマインドの面で困っているという方が増えたなという感覚はありますね。

横山

DXやデジタルシフトが上位に来ると予想していたのですが、まさかという結果ですね。

高橋

実は、2021年になってからオンライン商談を実施したいというご相談が急に増えたんです。あれだけコロナの影響を受けて皆さんオンライン商談に移行しつつあるのかと思いきや、今から始める企業さんも多いというのが最近不思議だなと実感したところです。

今井

世間ではあれだけデジタルと叫ばれているけれども、実態としては「うちは大丈夫だろう」とか「もう少し様子を見よう」という企業が多いということなんですかね。

横山

デジタルシフトは当然SFAやCRMなどのツールを駆使しないと実現できないものですので、関心は高いでしょうけれども、やはり目先の部下や組織のことが気になるのかなという印象を受けました。

①どうやってメンバーの力を伸ばすか

高橋

上司がどう育てるかという観点からお話しすると、多くの上司が良かれと思ってやってしまいがちなことがあると思います。それは、上司に見えている改善点を指摘するということです。ここには、見えている改善点の数が多すぎてしまう、上司によって見えている角度が違うという問題があります。多くの営業マネージャーと話すと、部下を褒めるというよりも、短所やできていないところを探しにいってしまう傾向が強いそうなんです。

そこで、上司に見えている改善点を指摘するというよりかは、世界観が大事だと思っています。まず、「四つの角」を揃えることが上司が人を育てることに大きく関係してきます。図の左側がうまくいっていない状態、右側がうまくいっている状態なんですけれども、まず勝ち筋が見えていない状態だと、うまく育てることって難しいと思うんです。とりあえず見えている改善点を思いつく分だけ指摘してしまいがちなんですけれども、そうすると部下が消化不良になってしまうので、どうすればよいのかしっかりと見通しが立てられていることが大事だと思うんですね。四つの角の右上が「活動の見える化」という領域なんですけれども、上司のビジョンは人によって違いますので、見るべきポイントが定まっていて始めて人を育てることができるのではないかなと思います。

また、やるべきことをシンプルにしてあげることが大事だと思っていまして、とにかく商談を前に進めて、その延長線上に数字の達成もあるし、良い営業活動も実現できます。つまり、あまり余計な事を考えずに「前に進めよう」と言えるかどうかが重要だと思います。フェーズについて議論することが多いんですけれども、要は、商談を前に進める時に、やるべきことを定めておいてあげると、シンプルに1から2へ、2から3へと進めることができます。一方で、これが散らばってしまうと、上司によって言うことが違うし、見えている改善点も違ってしまうので、部下は混乱します。まずはものすごくシンプルに前に進めようということを世界観として持っておくことで、行き詰まった場合も原因と課題が明確になると思うんです。つまり、目についた改善点をとにかく指摘して余計なことを考えさせるのではなく、上手くいく勝ち筋と見るべきポイントを明確にしてあげることで、前に進めない人には適切なサポートができると思います。

今井

私も同じような経験があります。どうしても指摘ばかりになってしまって、部下に「何か良かったところはないんですか」と言わせてしまったり、自分は向いていないんじゃないかと感じさせてしまったりしたことはありました。

高橋

自分と似たタイプの人はうまく育てられるけれど、それ以外の人には良いアドバイスがしづらいんでしょうね。そういう時に、やり方は異なっていても前に進んでいれば良いよと言ってあげられる状態って結構大事だと思っています。

今井

足りていないところを教育してしまうと、足りていないところばかりが目に入ってマネジメントする側も少し感情的になってしまったり、いらっとしてしまったりするじゃないですか。なぜなら自分の要望している期待値に対して足りていない部分が目についてしまうので、教育しているつもりになっているものの、教育しながらストレスになっていったり、「何度も言っているのに」という被害者意識が生まれてしまうところがあるなと思いました。しかし、高橋さんが仰っていた「前進させる」ということが能力開発で大事なポイントなら、そういった負の感情は生まれないなと、すごく大事な考え方だと思いました。

横山

私からすると、スキルや能力の話というのはどれぐらい時間をかけてトレーニングをして身に着けたのかということだと思っています。たとえば税理士や会計士というのは何年も勉強、鍛錬を重ねてようやく手に入れられる能力なわけですよね。それに比べて、営業は能力がなくても売れてしまうんです。高橋さんのお話も、勝ち筋とフェーズのお話で能力は一切関係なくて、能力がなくてもその通りにやれば成果は出るんです。たとえば、営業現場の業績数字を見た時に、特に目立つトップセールスっているじゃないですか。でも、そんなトップセールスでも喋りが下手で人見知りで存在感のないような人っていくらもいるんですよ。でも実際にお会いして話をしてみると、お客様から連絡があったらすぐに返すとか、小さなことでも決められたことを愚直にやっているんですね。

なので、まずはやるべきことをきっちりやって目標を達成してから、余裕が出てきたときにコミュニケーション能力を磨くとか人間関係構築力を上げたりすれば良いんじゃないかなと思いますね。

今井

そのお話にすごくしっくりきたのですが、一方で「目標達成させるために教育しなければいけない」という気持ちを持っている方も一定数いそうだなと思って、その方にはどうアドバイスされますか?

横山

教育はもちろん必要ですよね。教育というのは知識を提供して覚えさせることです。能力というのはトレーニングなので教育とはちょっと違うと私は思っています。よく、ホームランで例え話をするんですけれども、ホームランを打つ知識というのは教育を受ければ手に入るんですが、ホームランを打つ技術というのはなかなか手に入らないと思うんですよ。どうやったら良いのかは人に訊けばよいことであって、能力というのは後からついてくるものだと思っています。なので、高橋さんが仰っていたように、まずはフェーズや勝ち筋から、どうやったら勝てるのか、そのためには何が必要なのかを考えていくという順番が正しいと思います。

高橋

スキルのことを複雑に考えすぎている傾向は世の中にあるなとは思っています。お客様との思考のズレや思い込みというものがあって、このズレや思い込みをなくしたら営業ってもっと簡単になるのではないかなと思っているんですけれども、ズレて思い込んだままいろいろなスキルを身に着けても空振りしてしまうと思うんですよね。逆に、ズレや思い込みにハマらなければ、もっと多様なスタイルの営業パーソンが出てきても良いのではないかと思っているので、定番のスキルや「これを学べば大丈夫」という話ではないと思います。

一方で、横山さんの「目標達成は簡単だ」というお話で、大量に行動して成果を出すという世界観は受け入れられるタイプの人と抵抗感を感じてしまう人が世の中にはいると思うんです。なので、目標達成を簡単にするために大量行動をして結果を出すということについても、簡単になる何かしらのポイントがあるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

横山

大量というのが、これまでと比較して大量ということで、結局、量をこなすことで質が上がっていくという発想になるので絶対値ではないと思うんですよね。大量行動をすると大量の労働時間が必要かというと全くそうではなくて、無駄なものが吹き飛ばされていくイメージです。なので、労働時間は変えずにお客様との接点量を増やして単純接触をしていく。ただ、この単純接触をする時にお客様との接点のインターバルって大体1ヶ月から2ヶ月だと思っています。お客様が忘れたころに営業がまたやってくるイメージです。ですから、大量というのは接点の量と接点先の「面」で考えていくということだと思うんですね。今ではオンラインで接点構築ができる時代になったので、もっと楽になると思います。

高橋

私もどちらかというと大量行動から入っている人間です。ただ、数の大小よりも物事の順序かなと思っていまして、ある程度数をこなすからうまくいくというのは私自身もそう思っていますし、実体験からしてもそうでした。しかし、それは乗り越えたからそう感じるわけであって、未体験の人がどうやったら前向きに進めていけるか考えた時に、一つはある程度の行動量を決めて、たとえば今までよりも多い行動量を定めることも良いと思いますが、他にも、新規開拓でどうやったらお客様とより良い関係構築ができるかを試行錯誤していくうちに営業活動が楽しくなるということもあると思います。

質疑応答

Q. 「四つの角」の左下にある「コミュニケーションのバランス」とはどういう意味なのか教えてほしいです。

A. 『チーム戦略』の中でPM(P:Performance「目標達成能力」とM:Maintenance「集団維持能力」)理論というものを解説しているのですが、やはり心に余裕があると良いコミュニケーションができるじゃないですか。逆に心に余裕がないとどうしてもPに寄ってしまいます。コロナ禍の時に多くの営業組織で聞いた言葉が「コロナを言い訳にするな」というトップの言葉で、そうするとプレイヤー側も追い詰められてパフォーマンスに寄りすぎてしまうと思います。なので、Pだけではなくて、Mのメンテナンスの面でもコミュニケーションを取ってバランスを保つことが大事だと思います。

Q. 営業スキルを定量化する方法はありますか?属人的な評価になりがちです。

A. パルスサーベイを月に1回実施することで、自分に足りないものやできていないことが見えてくるので、問題を自覚させるためには良い方法だと思います。

Q. 悪いことに目を向けるのではなく、できていることにもしっかり目を向けるというのは本当に大切だと思い、私自身も心がけております。そういったことに対し、部下が日々繰り返してしまい、なかなか改善がされない場合、何度も指摘して改善に向かって伴走することは良いことでしょうか?また、その場合どのように寄り添って改善に導くのが良いでしょうか?

A. ミスを何度も繰り返してしまうのは、その人の思考が停止してしまっていてメンタルが良くない状態だと思います。ずっと同じことを指摘してしまうと、本人にとって負担になるので、初歩的なミスを繰り返す場合は、指摘ではなくケアをしていかないといけません。

Q. コロナで直接面談できない営業所の担当者にwebを使って指導を行う場合の進め方を教えて下さい。(表場や反応が見えづらい。)

A. オンラインにおいては、まず「反応が見えづらい」という壁を超える必要がありますが、これは「会話のテンポ」を変えて、細かく刻んだキャッチボールのリズムをマスターし、慣れることで大きく前進します。

表情や反応が見えづらいのは、相手の顔が画面にきちんと映っていないか、それともこちら側のキャリブレーションスキル(洞察力)が低いかのどちらかです。慣れてくれば、キャリブレーションスキルは上がるので、面談に参加しているすべての人が画面に映っているためリアルよりも確実に反応はわかります。

※もしよろしければ、下記のツイートもご参照下さい。

(お客様の反応の薄さを乗り越える)
https://twitter.com/takahashikoichi/status/1321954059767566337

(オンライン商談を双方向にするコツ)
https://twitter.com/takahashikoichi/status/1349137378179383296

(お客様を巻き込む力)
https://twitter.com/takahashikoichi/status/1353481940284829696

セッション2はこちら

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