B2BコンテンツLIVE2021セッション1~コンテンツの定義~


2021年1月、「B2BコンテンツLIVE2021」と題したイベントをオンラインで開催し、株式会社ベイジの枌谷力氏と弊社今井がB2Bマーケティング、B2Bセールスのコンテンツのあり方について対談をしました。






目次[非表示]

  1. 1.コンテンツ作成は読者目線がカギ
  2. 2.顧客の状況やニーズによってコンテンツを使い分ける
  3. 3.質疑応答
    1. 3.1.「コンテンツマーケティングやSEOといった、カテゴリーやキーワードで検索する人は比較をする前提調査をすると思いますが、そこからコンペにならないのはなぜなのでしょうか?」
    2. 3.2.「導入事例」は導入までのプロセスのお話、活用事例は導入後、活用してみてどうだったのかのお話という違いでしょうか?」
    3. 3.3.「お二人が参考にしたり注目している他社のコンテンツはありますでしょうか?」



コンテンツ作成は読者目線がカギ

枌谷

この図は、新規顧客を獲得をするプロセスの中で、どんなコンテンツがあるのかをファネルベースで整理したものです。課題形成前というのは、まだ課題が無い状態。いわゆる潜在顧客です。情報収集というのは課題形成されてニーズが顕在化した顧客が、情報収集を始めた段階です。絞り込みというのは、たとえば対象となる商材や企業の候補をリストアップするところまで進んでて、そこから数社に絞り込むような状態ですね。そして最後の比較検討は、営業商談まで進んでいるような、最終検討をしている段階です。左側のファネルに対応するように、右側に各段階で活用できるコンテンツ例を置いています。コンテンツは、自分たちで作るものと、他社もしくは他メディアが作くってくれるものに分けています。この図をベースにしながらお互いの話を進めていければと思って作りました。


今井

コンテンツを作るという点でご相談をいただくことも多いと思うのですが、どういう悩みを持っていて、どういう相談を受けることが多いんですか?


枌谷

我々はweb制作会社なので、webサイトを作ってほしいというのが基本的な依頼なんですが、webサイトを作るにあたってコンテンツが必要になり、ではどうやってコンテンツを作ればよいのか、というところで悩まれる企業がとても多いですね。そういった悩みに答えられるように、我々はライターも採用して、コンテンツ制作についてかなり深く関わって支援しています。


今井

コンテンツを作る上で大事にしていることは、ズバリ、何でしょうか?


枌谷

ごく当たり前のことですが、読者を誰にするかと、その読者の目線で作ることですね。たとえば、プロダクトやサービスを提供する企業側は、色々なことが分かっているので、前提を省いて書いてしまったり、自分たちにしかわからないような言葉を使ってしまったりすることって多いんです。でも、読者となるユーザーが読んだ時に理解できない場合がある。自分たちの頭の中にあるものを他者でもわかるように言語化するのがコンテンツの基本なので、他者目線だったり、自分たちを俯瞰するメタ認知は不可欠だと思います。


今井

自分が届けたい相手にとってわかりやすい内容かどうかが大切で、頭の中で想像していることをできる限り明確にリアルに描くということなんでしょうね。


枌谷

そうですね。コンテンツは発信者の欲求を満たすものではないんです。企業の欲求も、担当するデザイナーの欲求も、それ優位ではダメ。「私たちはこうしたい」ではなく、「皆さんはこうしてほしいですよね?」といった歩み寄りが、ビジネスにおけるコンテンツ作りでは特に大切にすべきだと思います。


今井

そういうお話を聞くと、セールスと一緒だなと思うのが、主語をどれだけ顧客に向けられるかということだと思うんですよ。「私が何を伝えたいか」ではなくて、「顧客が何を知りたいか」「顧客にとって無駄な情報はないか」というところが主語になることが大事ですよね。

セールスコンテンツが大事だということをいたるところでお話ししているので、いろいろな方からご相談をいただいたりご質問いただいたりするんですけれども、コンテンツというものを大きな概念で捉えすぎてしまって、結果どうして良いかわからない、みたいなケースって結構多いんです。

このファネルの段階ごとにお客様の関心事は違うじゃないですか。課題形成前のお客様は、そもそも関心があることに気付いていないので、関心があることに気付かせるコンテンツが必要ですし、情報収集をしている方々にとっては、自分が探しているコンテンツにどれだけヒットするのかが大事だと思うんですよね。絞り込みの段階では、その情報がジャンクでどこにでも溢れているようなコンテンツではなくて、どれだけ違いが明確でオーガニックなのかがわかって、比較検討に入ったところで初めて、お客様の評価基準にどれだけ合っていて、課題解決の実現可能性が一番高いプランはどれかというコンテンツが必要になるじゃないですか。なので、私がコンテンツを作る時にまず聞くのが、「そもそもどこで困っているのか」ということです。つまり、コンテンツは作れるものから作ろうとするわけではないということですね。


枌谷

コンテンツを作るというと、ワンパターンに顧客を設定して作りがちなんですが、同じ人物でも、ステータスによって欲しい情報の内容も粒度も大きく変わるため、そのことを想定してコンテンツを作る必要がありますね。社内では良いコンテンツだと評価してもらえても、お客様は興味がない、だと意味がない。


顧客の状況やニーズによってコンテンツを使い分ける


今井

この図はお客様の購買検討のステージによって、お客様にとって役に立つコンテンツの種類は違うという図です。たとえば、買った方が良い理由に気付かせるコンテンツAや、課題があることに気付かせるコンテンツB、課題解決のためにサービスが合っていることを気付かせるコンテンツC、それから社内稟議を通すためのコンテンツDという形で、働くコンテンツが段階によって違うと思うんですよ。


そうした時に、たとえば事例を一口に取ったとしても、認知や興味がまだない段階だと、詳細まではあまり読んでもらえないでしょうし、むしろロゴでも十分効果的かもしれません。一方で、比較検討や企業を選ぶという段階になると、結果としてどんな成果が出たのかというところが刺さりますし、サービスを利用する現場にも確認したいとなった時には活用事例が有効かなと思います。事例一つとっても、導入事例と成功事例と活用事例といったように、活躍の場面は違うのではないかと思っているんですけど、どうでしょうか?


枌谷

仰る通りですね。「事例を見たがっている」といっても、その人の段階によって、何の事例がほしいかは変わりますよね。だとしたら、「事例集」としてホワイトペーパーで一式で提供するのではなく、段階に応じた事例集のバリエーションを作り、配布方法や配布場所を変えていった方が、より望ましいですよね。


質疑応答

「コンテンツマーケティングやSEOといった、カテゴリーやキーワードで検索する人は比較をする前提調査をすると思いますが、そこからコンペにならないのはなぜなのでしょうか?」


枌谷

コンテンツマーケティングやSEOをするとコンペにならない、という意味ではありません。オウンドメディアなどを有効活用して、指名検索を増やし、圧倒的な量の問い合わせを獲得すれば、コンペをせずに発注してくれるお客様だけで事業が成り立つようになる、ということです。


「導入事例」は導入までのプロセスのお話、活用事例は導入後、活用してみてどうだったのかのお話という違いでしょうか?」


今井

導入までのプロセスというよりは、なぜ導入したのかという気持ちと背景に寄り添った方が良いですかね。活用事例は、実際にどんな体制でどういう使い方をしているかという手順だと思っていて、先ほど枌谷さんがご説明していた「使い方資料」と同じ用途で使っています。


「お二人が参考にしたり注目している他社のコンテンツはありますでしょうか?」


今井

私、メルマガって見ないんですけど、思わずクリックしてしまうメールってあるなと思っています。究極は枌谷さんのおっしゃるユーザー視点に辿り着くと思うんですけど、端的で分かりやすい内容のメールは思わず社内で共有してしまいますし、やはり抽象よりも具体の方がコンテンツとしては刺さるかなと思いました。

今の時代って、言葉選びが重要だと思うんです。まさにキャッチ―なワード、情熱プラスの内容で思わずハッシュタグしたくなるような、そんな言葉をどれだけ作っていけるかが大事だと思います。


枌谷

私がパッと思い付くのは、Books&Appsですね。私たちのオウンドメディアを作るときに一番参考にしたメディアです。読んで印象に残る、記憶に残るコンテンツが非常に多いメディアだと思っています。執筆者が魂を込めて書いた、熱量あるコンテンツが豊富で、Books&Appsの記事に刺激されて文章を書くこともあります。そういう精神的な部分で一番参考にしているメディアですね。

SEOを経由してコンバージョンさせるコンテンツも、事業によってはもちろん大事だとは思います。ただ、究極のコンテンツとは脳にインデックスされるようなものだと思っていて、そういったコンテンツを作るためには固定観念を覆したり、感情に踏み込んでいくようなことを書くのが大事だと思うんです。Books&Appsはまさに、そういうコンテンツがたくさん掲載されているメディアです。


今井

わかります。それがまさに記録と記憶の違いなんでしょうね。SEOコンテンツは記録のコンテンツで、文字に残していってキーワードをどれだけヒットさせるかというところが重視されますが、命の匂いがするコンテンツはメッセージなんですよね。なので、記憶に残るコンテンツを作れた人がポジションを獲得していっている気がしますね。良いコンテンツを作るということは自分の専門性を磨くということかもしれないですね。


枌谷

そうですね。よく、自分では経験や知識がないからコンテンツを作れないと言う人がいますが、たとえばマーケティングの知識がない人は、マーケティングの勉強をした時にどう思ったかというコンテンツが書けるはずなんです。これは経験者には書けないコンテンツなんですよ。なので、視点を見つけるというのはすごく大事なポイントですね。誰でもオリジナリティのあるコンテンツは書けるんです。


今井

営業でも全く同じことを思っていて、営業パーソンがコンテンツを作るという発想をまだ持てていない人がいるんですよね。でも営業こそコンテンツの宝庫だと思っていて、作るのはマーケターの方が上手くても、ネタは営業の方が持っているのではないかと思います。やはりユーザーに一番近い場所にいるので、ユーザーの関心事がクリアにわかるんですよね。選ばれなかった理由や、営業していてこれは言われたら嫌だと思う内容に対して、その反論対策のコンテンツを作れるわけじゃないですか。なので、コンテンツは現場感に近ければ近いほどオリジナリティのある、その人に寄り添ったコンテンツが作れるという気持ちは忘れないで持っておいてほしいなと思っています。


枌谷

コンテンツのアイデアを集めるのに、営業に聞くというのは一番の近道ですよね。生身の顧客をよく知っている営業パーソンの知見はリアルで分かりやすいことが多いです。良いコンテンツの元になる有益な情報を一番多く握っているのは、各社の営業なんじゃないかと思いますね。


セッション2はこちら

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