マーケティングとセールスが連携を強化するための5つのポイント



近年、収益拡大のため、従来の営業組織に加え、規模の拡大やマーケティング組織を新設する企業が増えてきています。しかし、簡単には成果は挙がりません。新設したがゆえに成果を最大化できず、購買サイクル全体を通して見込み顧客を各部署が適切に管理できないと問題を抱える企業も存在しています。


マーケティングチームは、「セールスチームはせっかく獲得した見込み顧客に対して十分に営業してくれない」

セールスチームは、「マーケティングチームからは質の低い見込み顧客ばかり渡ってきてコストがかかる」


こんな悩みを抱え、対立もやむを得ない状況を生み出していることが考えられるでしょう。

そんな中、このようなデータがあります。
セールスとマーケティングが高度に連携した組織では、収益が32%を超え、顧客も36%増えたということです(Superoffice~7 B2B GROWTH TRENDS YOU NEED TO KNOW IN 2021~)。

両組織が機能して共通の目標を達成するためには、人、プロセス、テクノロジーが連携し、互いにサポートし合う必要があるのです。

今回は、マーケティングとセールスが連携するには何から始めればよいのか、5つのポイントをご紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.1. 連携の準備をする
    1. 1.1.1.1 システムの統合
    2. 1.2.1.2. 定義の共有
      1. 1.2.1.<よく使われる用語>
  2. 2.2. 社内通知
    1. 2.1.2.1. 通知の自動化
  3. 3.3. セールスチームとコンテンツマーケティング施策を共有する
      1. 3.0.1.①プロモーションを共有カレンダーに追加する
      2. 3.0.2.②セールスチームにコンテンツや情報、参加イベントなどを共有する
      3. 3.0.3.③プロモーションのためのフォローアップメールのテンプレート
  4. 4.4. コミュニケーション
    1. 4.1.4.1. 定期的に情報交換をする
  5. 5.5. KPIの設定
  6. 6.まとめ


1. 連携の準備をする

データは、セールスとマーケティングの連携において中核をなすものです。

セールスとマーケティングの連携に関する潜在的な問題を回避するには、まずチームがどのようにデータを作成し使用してきたか、そしてツールやシステムを正しく使用してきたかどうかを理解する必要があります。


1.1 システムの統合

セールスとマーケティングの連携への第一歩は、すでに導入されているシステムと、その使用状況を把握するために日々のチェックを行うことです。

MA(マーケティング・オートメーション)やCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)システムの誤った使い方や一貫性のない使い方は、連携を成功させるための最大の障壁となります。

これらのシステムが誤って使用されている場合、データの品質や互換性の問題につながる可能性があり、修正には多大な労力が必要です。

データの品質を向上させるためにコストを費やすことはムダに思えるかもしれませんが、これを怠ると、連携した際のメリットを得られなくなってしまうので注意しましょう。


1.2. 定義の共有

共通の言語を使うことで、意見の食い違いなく全員が共通の目的に集中できるシームレスなコミュニケーションが可能になります。

セールスチームとマーケティングチームが頻繁に使用する用語の多くは、具体的な定義がないため、連携を試みる際に混乱を招くことがあります。

用語の意味は、どちらかのチームが定期的に使用している曖昧な用語を特定し、定義し、文書化することで明確化することができます。

これにより、両者での正確でスムーズな対話が可能になり、スマートな意思決定、効果的な施策、タイムリーな営業活動が実現できるのです。

<よく使われる用語>

マーケティング・クオリファイド・リード(MQL)

MQLとは、自社のマーケティングチャネルとの交流を通じて、自社の製品やサービスに興味を示したリードを指すことが一般的です。MQLは通常、セールスに渡されるため、定期的に基準を見直し、質と量のバランスが最適になるよう調整することが重要です。

セールス・クオリファイド・リード(SQL)

SQLとは、条件を満たしているもののまだオポチュニティにはなっていないリードのことです。セールスはBANT(予算、権限、必要性、タイミング)またはGCPT(目標、計画、課題、タイムライン)のフレームワークを使用して、会社の提案に適したリードであるかを判断することがあります。

オポチュニティ

社内で決められた条件(BANT条件など)が揃い、案件登録し見積を出せると判断したリードを指します。このフェーズを理解して数値を追っていくことで、自社の顧客獲得プロセスの中で、どこがボトルネックかを把握できるようになります。ただ、リードがどのような状態になったら次のフェーズに進むのかは、マーケティングとセールスで話し合い、合意していく必要があります。


2. 社内通知

見込み顧客が重要なアクションを起こした時や、新たなMQLが生成された時にセールスチームに通知することで、タイムリーなアプローチが可能になり、成約率を最大化することができます。

MAを使用している場合や、コンテンツマーケティングによって意思決定プロセスの早い見込み顧客のコンバージョンが増えている場合は、コンタクトを取るタイミングを計っているすべての見込み顧客の行動をセールスチームが監視することは難しいでしょう。

しかし幸いなことに、ほとんどのMAツールには社内通知メールを送信する機能が搭載されており、これらのメールは、適切な営業担当者に次のような関連情報を提供してくれます。

・名前と連絡先情報
・最近のアクションとコンバージョン
・フォーム回答で集めた、課題感などの重要な特性
・見込み顧客のマーケティング履歴やCRMの記録へのリンク

このように通知を送ることで、フォローアップにかかる時間を最小限に抑え、機会創出の可能性を最大限に引き出すことができます。


2.1. 通知の自動化

社内通知のメリットを最大限に発揮するためには、適切なタイミングで適切な人に情報を通知する必要があります。

適切な営業担当者へのアサイン

見込み顧客は、次のフェーズへ移行する前に、その後の関係や、やり取りを管理することになる営業担当者を割り当てられるべきです。

ほとんどのMAとCRMは、割り当てルールの実装をサポートしており、地域、業界、会社の規模、製品の興味などの基準にもとづいて、適切な営業担当者に連絡先を割り当てるために使用できる機能があります。こういった機能を用いて最適なアサインを行い、管理者を明確にしましょう。

適切なタイミングでリードスコアリングを実施

リードスコアリングは、見込み顧客の行動にもとづいてエンゲージメントを測定する最も効果的な方法で、社内通知としても使用することができます。

しかし、これを有効的に活用している企業はそう多くありません。

リードスコアリングシステムを構築する際には、見込み顧客の行動にポイントを割り当てるための統計分析を使用していない限りは、あくまでも推測になるということを前提としましょう。問題を把握してリードスコアリングを正しく運用する知識とスキルを身に付ければ、企業マーケティングにとって大きな武器になることは間違いありません。


3. セールスチームとコンテンツマーケティング施策を共有する

マーケティング担当者は常に特典やコンテンツのプロモーションを行っているため、セールスチームはこれらのプロモーションを最新の状態に保ち、見込み顧客が受けている最近のイベントやコンテンツを把握しておくことが重要です。

セールスチームとマーケティング施策を調整するための基本的な手順は以下の通りです。

①プロモーションを共有カレンダーに追加する

Googleカレンダーなど共有閲覧できるスケジュール表を作成し、メール、ウェビナー、ソーシャルメディアなどのプロモーションの日時をURL、メイントークポイントとともに追加します。このカレンダーにセールスチームを招待して、セールスチームが個人アカウントで見られるようにしましょう。

②セールスチームにコンテンツや情報、参加イベントなどを共有する

情報提供が促進され見込み顧客の課題感などが収集できてきたら、以下のような情報をセールスチームに共有しましょう。

コンテンツや情報提供のトークポイント

コンテンツや特典について、2~3つの箇条書きで説明できるように共有しましょう。

営業担当者が見込み顧客に向けたコンテンツや特典を確認していないと仮定した場合、見込み顧客と話すときに営業担当者が知っておくべき重要な情報は何でしょうか?たとえば、トークポイントの中に、統計や事例、またはノウハウのアドバイスなどを含めると、営業担当者は営業活動に活かしやすくなるでしょう。

見込み顧客のリスト

セールスチームが行動を起こせるように、コンテンツが創出した見込み顧客のリストを必ず共有しましょう。CRMがあれば、簡単にリストを作成してセールスチームと共有できます。

成果の出やすいスクリプト

トークポイントと同様に、セールスが電話で使用できるようなスクリプトを含めることで、会話を最新の状態に保つことができます。スクリプトには、データに基づいた関連性のあるもので、最近の業界のトレンドや統計を盛り込むようにすると信憑性が増すでしょう。

③プロモーションのためのフォローアップメールのテンプレート

コンテンツや特典の提供は、新しい見込み顧客を創出し、古い見込み顧客を再度エンゲージメントさせるのにも最適な方法です。そこで、セールスチームが会話はじめるためのメールテンプレートを作成しましょう。このメールには、コンテンツの内容と、見込み顧客の興味を引くために自社がどのように役立つかを具体的に記載するとよいでしょう。


4. コミュニケーション

効果的なコミュニケーションを促進することで、セールスとマーケティングの連携の効果を最大限に高めることができます。

コミュニケーションが取れていなければ、世界中のあらゆるテクノロジーを駆使しても、チームが求める成長を達成することはできません。


4.1. 定期的に情報交換をする

マーケティングチームは施策やコンテンツをセールスチームと共有し、彼らが作成した見込み顧客に対して知識を持って話せるようにしなければなりません。

セールスチームとマーケティングチームは、お互いのビジネス領域について理解をより深め、プロセスを改善し、将来の施策を計画するために頻繁にミーティングの場を設けるのがよいでしょう。

たとえば、マーケティング担当者は毎週のセールスチームの会議に出席することで、セールスがノルマや目標に対してどのように対応しているかを知ることができ、必要に応じてサポートを提供できます。また、この時間を利用して、その週にマーケティングが推進するイベント情報や、コンテンツ、お役立ち情報を共有したり、今後の情報提供やブログ記事のためのコンテンツアイデアやお勧めを聞いたりしてみましょう。

また、どの見込み顧客が顧客になったかについてのフィードバックを、セールスチームがマーケティングチームに提供することで、収益の観点からマーケティングチャネルを評価・測定することも可能になるでしょう。


5. KPIの設定

重要業績評価指標(KPI)は、連携しているチームの共通の目的と矛盾しなければ、セールスとマーケティングを測定するために非常に優れた方法です。

チームが連携した後に逆効果にならないように、使用する指標と設定した目標の両方の観点からKPIを見直したり設定したりしましょう。たとえば、セールスへの影響を考慮せずにマーケティングのMQL目標を設定すると、問題が発生する可能性があります。MQL目標をあまり高く設定すると、マーケティングはリードスコアを上げ、質の低い見込み顧客をセールスに渡すことになってしまうので注意しましょう。

KPI目標を設定する最善の方法は、ファネル全体の現在のコンバージョン率を見直し、以下のように逆算することです。

・売上目標を達成するにあたり、どれくらいの新規顧客が必要か?
・その売上目標を達成するにはどれくらいのMQLやSQLが必要か?
・その数のMQLを生み出すためには、どれだけの見込み顧客を生み出す必要があるか?
・その数のMQLを生み出すためには、どれだけのサイトトラフィックが必要か?


まとめ

今回は、セールスチームとマーケティングチームの連携におけるポイント5つをご紹介しました。

セールスチームとマーケティングチームを連携させることで、両チームが目標を達成し、企業の収益を向上させることができます。これらのセールスとマーケティングのベストプラクティスを適用して、営業戦略を改善しましょう。

本記事は、以下記事をもとに加筆・編集しております。


Ltd, Blend Marketing. B2B Sales and Marketing Alignment Handbook,
URL:https://www.blendb2b.com/b2b-sales-and-marketing-alignment-handbook

Samsing, Carolina. “Tried-and-True Tips for Sales and Marketing Alignment.” HubSpot Blog, 
URL:https://blog.hubspot.com/marketing/tried-and-true-sales-marketing-alignment

Superoffice.com. 2021. 7 B2B Growth Trends You Need To Know For 2021
URL:https://www.superoffice.com/blog/growth-trends/

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